第六話:守護の真実と愛
シリウス様と私は、彼の鍵である剣に込められた真実を探るため、王国の歴史書に隠された手がかりを追っていた。
しかし、謎は容易には解けない。
私は、手がかりを求めて、一人で仕事が終わった後、夜な夜な書庫の奥深くに立ち入る無謀な行動を繰り返していた。
ある夜、私は、古びた書物の魔力に惑わされ、意識を失いかけた。
その時、私を救ってくれたのは、シリウス様だった。
「……まったく、君は、自分の無謀さを理解していない」
彼は、私を優しく抱きかかえながら、かすかに震える声でそう告げた。
彼の冷たい声とは裏腹に、その腕は強く、私を失うことへの恐怖に満ちていた。
「どうして、そこまで必死になる?」
彼の問いかけに、私は答えた。
「星の書は、王国の歴史そのものです。この国を守るためなら、私は……」
私の言葉を聞いたシリウス様は、静かに私を抱きしめた。
「……君のその純粋さが、僕の心を揺さぶる。だが、君を失ってしまっては、意味がない」
彼の孤独な使命と、私を守りたいという想いが、彼の心の中で葛藤しているのが伝わってきた。
私たちは、再び書庫で手がかりを追っていた。
その時、書庫の奥から、危険な魔物が出現した。
シリウス様は、私をかばいながら、剣を抜いた。
「君は、僕が守る。それが、私の使命だ」
彼は、私をかばいながら戦っていた。
しかし、魔物の攻撃は激しく、彼の体にも傷がついていく。
私は、そんな彼の姿を見て、何もできない自分を責めた。
「シリウス様……!もうやめてください!」
私の叫び声に、彼の剣が強く輝き始めた。
彼の剣は、「王国の民」を守るための剣から、「エレノア」を守るための剣へと、その意味を変えていた。
「私の守護の真実……それは、君だ」
彼の言葉と共に、剣から放たれた光は、魔物を一瞬で消滅させた。
危険が去った後、彼は私を優しく抱きしめた。
「私の規律は、君を守るためにある。私の人生のすべてを、君を守るために捧げたい。
だから……傍にいさせてほしい」
彼の「守護」の真実が、私への「愛」へと昇華された瞬間だった。