第十一話:永遠の守護者
王国の危機を救った後、シリウスは以前にも増してエステラの傍にいるようになった。
彼の視線は、警備のためではなく、ただ彼女を見守るためのものに変わっていた。
ある夜、誰もいない図書館で、エステラが本棚の整理をしていると、シリウスが静かに近づいてきた。
「夜間の独断行動は、まだやめないのか」
彼の声は、以前のような厳格さはなく、どこか優しい響きを持っていた。
「はい。でも、シリウス様が見守ってくださるので、安心です」
エステラが微笑むと、シリウスは何も言わず、彼女の手から本を受け取った。
「私が、君の剣であり、盾となる。そして、君が、私の『守護』の真実だ」
彼は、エステラの手を取り、自分の頬に当てる。
彼の冷たい頬から、温かい感情が伝わってくる。
「王国の民を守るため、私は剣を握ってきた。だが、今、僕が守りたいのは、君だ」
彼の言葉は、不器用ながらも、深い愛に満ちていた。
「私の人生のすべてを、君を守るために捧げたい。一生、傍にいさせてほしい」
シリウスは、エステラの額に優しくキスを落とした。
彼の愛は、忠誠心を超えた、永遠の守護の誓いだった。
彼は、王国の守護者としての役割を全うしながらも、エステラの隣で、静かで温かい愛を育んでいく。




