別れ
あのるへ
急用で至急行かねばならないところができたのですまないがここでお別れだ。生きていればまたどこかで会えるだろう。お前と過ごした時は短かったが楽しかったぞ。
中央諸国連合に行けばレイナースという竜人族の女に出会えるはずだ。そいつはお前の役に立つはずだ。やつが今どこにいるかはわからないがお前ならばきっと出会えるはずだ。
ではな。
シト
「え…嘘だろおおおおおおおお」
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えー。わたくし、伊藤亜ノ流、異世界にきてひとりぼっちになりました。完。
「って、そんなことあるうううううううう!?」
嘘だろおい。
シトは手紙を俺の部屋の机に置いてここを去りました。
俺は現実を受け入れられなかった。
とりあえず状況を整理しよう。
急用ができて俺を置いてどっか行った。
「受け入れられるかぁあああああ!」
字がわからなさすぎて本で調べながら読んだが、大方そんな感じらしい。
ひでぇ。ひでぇよ。俺がいたら何か不都合だったのだろうか。
いやもうそうだったから俺を切り捨てたんだろう。やばい泣きそうだ。
俺だっていきなりこんな場所に来て不安だったんだ。でもなんだかんだあって一緒にいて楽しかったんだよ。でも、これだもんなぁ。
それよりこれから俺はどうすればいいんだ。
特に何を持ってるわけでもないし、一生ここで薬草採集して暮らしていくのだろうか。お先真っ暗すぎるだろ。
とにかく、シトがいない今俺は1人で生きていくしかない。
そしてシトが最後に書き残した。レイナースのいう竜人族の女性。何者なのだろうか。とりあえず当面は中央諸国連合を目指してお金を貯めながら北上しよう。
シト。見てろ。絶対俺はお前が戻ってくるまでにお前の隣に立てるくらい強くなって見せる。
と、決意したものの。にしても…寂しいな…。とほほ。