閑話 フレーミイ王子の場合 下
僕は いつも茶会の会場につくと同時に全体を見渡し、出席者や全体の雰囲気を把握することにしている。
いつも通りに見渡すと、ネイビー伯爵令嬢はすぐに見つけられた。王子に亡き母の面影を重ねて執着し他の候補者たちを蹴落として僕の婚約者になろうとするエリザベス ネイビー。執着されるのも悪くないけれど、彼女が見るのは僕じゃなくて、僕を通しての彼女の母親なんだよね。
今日のファーストコンタクト、エリザベスはどう来るのか?
僕は身構えるけれど、彼女は僕の姿を見ても必要以上の行動をとることは無く、一緒に居る少年の世話を焼くのに忙しい様子だ。むしろ 僕の事を気にしているのはその少年の方と言ってもいいくらいだ。
あの少年は誰だろう?アニメには出てこないキャラクターなのかな?小説も読んでおくべきだったと後悔するけれど今更どうにか出来るものではない。
僕の侍従によると 5年前に遠縁の令息を養子に迎えたのだそうだ。それはつまり、エリザベスが第二王子妃になった時の 跡取りを用意した。という事なのだろうか?だとすると、ネイビー伯爵家としてエリザベスを押し付けて来る可能性もある。用心しなくてはいけないな。
そして ビビアン クレナイもその赤い髪ですぐに分かった。
こちらは、僕の護衛騎士となるはずのエリックと共に参加している。武の家系のトップであるクレナイ家の令嬢ビビアンは、王家とのつながりを求めて、僕の婚約者、後の王子妃の座を狙っている女傑だ。
といっても、今は多少エリックに対して威張っているけれど、可愛い少女でしかない。
そして、このビビアンも僕ではなく、エリザベスの義弟の方ばかり見ている。まあ、男勝りのビビアンも僕の好みではないからいいんだけど……僕はこの物語のヒーローで、容姿端麗な王子様なのにとモヤモヤとするけれど、侍従に悟られないようにプリンススマイルを張り付ける。
やがて、子供達が順番に僕の所に挨拶に来る。エリザベスと義弟のヒビキ ネイビーの番が来たが、エリザベスもヒビキも極めて普通の必要最低限の挨拶をし 二人そろってこの年齢にしては完璧といえる礼を見せて下がった。
5年前に、と侍従は言ったが、それにしてはヒビキのマナーはで完璧で 銀の髪を一つに結んだ容姿も美しく、単なるモブとは思えない。姉とお揃いの衣装もまるで一対の人形の様で、本人は全く気が付いていないがビビアン以外の令嬢の目も引き付けている。
それなのに、エリザベスとヒビキはお互い以外、眼中にない様でお菓子を食べて笑いあっている。
エリザベスは僕に執着するんじゃないのか?
とりあえず お茶会はこの挨拶以外にエリザベスやビビアンから接触してくることは無く もちろん僕から絡んでいくこともなく 無事にお開きになった。
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第二王子という立場に甘えている僕は 王妃である母上からみると物足りない様で、母上は僕を補ってくれるしっかり者の王子妃候補を探しているようだ。
この分では 年が明けて僕が入学したら早々にキャサリン・グリーン公爵令嬢と引き合わされることになるのだろう。そして 二年後にはエリザベス達が、三年後にはリリが入学してくるはずだ。
物語が本格的に動き出すのはヒロインのリリが入学して来てからになるだろうけれど それまでに
今感じている 違和感が払拭されることを祈ろう。
お読みいただきありがとうございました ブクマ 評価も感謝です。たとえ未来を知っているつもりでも ちょっとしたことで変わっちゃうのかもしれません バタフライエフェクト?




