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4-17 学園祭後夜祭での……

 さあ、後夜祭ぱーてぃが始まった。


 姉上は『どうしてもアレを着なくっちゃ!』と 卒業パーティ用に仕立てた銀のドレス――紺に銀糸での刺繍がふんだんに入っている――をお直しして着て参加している。もちろん僕もそれに合わせた紺のスーツを着ている。


「紺と銀」

「まるっきり ビイの色ね!」


家名通りにサフランイエローのドレスのエウとユウが意味ありげに笑う。


「そうよ、大好きなビイの色」


姉上が無邪気に笑う


「今年はアルが居ないから、ご馳走は食べられないね」


フィルが少し寂しそうだ。アルはこの学園の生徒ではないから後夜祭には出席できない。

まあ、今年の後夜祭はそれどころじゃないはずだ。もちろん、何事もなく済むのならばそれに越したことはないんだけどね。



 今年はフレーミイ王子の隣には、黄色のドレスを着たピンクウサギが半ば隠れるようにして立っている。ユウとフィルがフレーミイ王子に挨拶をしたら、姉上と僕の番です。


僕と姉上が進みでると王子が、それまでの笑顔を消した。


「エリザベス・ネイビー。リリへの嫌がらせの数々、私の耳にも入っている。今、リリに謝罪する機会を与えよう」


挨拶の為にスカートの裾を摘まんだ姉上の顔がポカンとする。「鳩が豆鉄砲を食ったよう」というのはこれかな?

一瞬動きを止めた姉上が、碧い目を見開き微笑んだ。それは見ほれる程に美しかったけれど これ以上はダメだ。

 

 僕は姉上を嗤わせたりはしない。絶対に!

 僕は半歩前にでながら姉上に向かって「まかせて」と笑顔を向けた。姉上とフレーミイ王子の間に身体を滑り込ませる。僕が左手の親指をぐっとそらせたことに姉上は気が付いてくれただろうか?


「恐れながら殿下。 私達姉弟はクラスメイトですから常に行動を共にしております。しかし、私達はそちらのリリという生徒とは一切面識がございません。

事実を今一度お調べいただけますようお願いしたします。」


僕は母上直伝の”慈悲の微笑み”をフレーミイ王子に向け、王子の気がそれた隙に姉上を促し、出来る限り 優雅に一礼する。


「それでは 失礼致します」


姉上は、まだ何かを言いたげだったけど僕が「おねがい」と眉を下げると、諦めて僕のエスコートに従った。


僕達が王子に挨拶を済ませた後で僕達(特に姉上)に話しかけようとしていたのだろう、振り返ると僕達の後ろには大勢の生徒が集まっていた。


その中から、先に王子に挨拶を済ませていたビビアが令嬢スマイルで僕達の所に歩み寄る。公爵令嬢と僕達の話に野次馬達が耳をそばだてる


「ヒビキ殿、少しよろしいかしら?」

「なんでしょうか ビビアン様」

「あの王子の横にいた女生徒は 園遊会の時に噴水に落ちてアルフレッド王子の護衛に保護されていた方かしら?」


扇で口元を隠しているのは何の意味があるのか?と聞きたくなるくらい ビビア嬢の口元はつり上がり 声も良く響く


「ええ、そのようですね。お名前は、リリ嬢、とおっしゃるそうですよ。では 急ぎますので……」


ビビア嬢にお辞儀をする僕達の後ろでフィルとエウユウやその女友達の声がする


「ああ、あの子は噴水に落ちた子かあ。馬子にも衣裳だね」

「「フィル レディに失礼ですよ」」


エウユウが咎めても、女生徒たちの口は止まらない。


「あら、ホントだわ いつも王子になれなれしいだわ」

「あの子 噴水に自分から落ちたんですって?」

「そして 黒服の方に連れ去られましたのよ」

「わたくしも見ましたわ!お姫様抱っこでしたわよね?」

「きゃー お姫様抱っこ?」

「だったような?」

「きゃー!!!」




お読みいただきありがとうございます。


いよいよ!!!です

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