4-16 三年生の学園祭もアルがいる……
学園祭まであと数日、アルの茶話会から4か月近くがたっているから、流石にアルの茶話会の後遺症(?)も少し下火になったような気がする。
「俺らの方が慣れただけじゃね?」ってリックは言っているけどさ。
この一年、夢見の家系に気になるような事故や事件はおきていない。僕たち家族も健やかに暮らしている。
ああ、そうだ一つ大きな変化があった。クレアとエディが婚約した! めでたい!!うれしい
クレアは一人っ子で 王都の外れに家があるから結婚したら二人でそこに住むのかな?
クレアは”もういい年齢”だと、姉上が少し気にしていたけれど、エディならお似合いだ
と思う。エディが父親になるかもしれないというのはちょっと想像できないけれど……
そんなことを考えながら、ティールームのソファに埋もれていたら、通りかかった父上が、僕の横に座った。
「ビイ、エリザベスの断罪のきっかけがこの学園祭だから この学園祭を乗り切りさえすれば、あとはまあ、もちろんフレーミイ王子の卒業式も要注意だけど『運命の支配者』の未来から逃れられた思ってもいいんじゃないかと思うんだ」
僕の肩に自分の肩をぶつけるようにしながら囁く
「でもね、一応、ちょっと考えている事があるんだ。エディ達の事もあるしね」
「エディ?」
「そう、エディとクレア」
父上が、いたずらっ子の様な笑顔で僕に告げる。
***
学園の二日前に、アルから『今年の学園祭に行くから泊めてくれない?』と便りが来た。流石ルバート人アル、と思ったけれど、辞退申し上げた。
その代わりに、当日は王城に居るアルを姉上と迎えに行くと約束した。
三回目の学園祭は アルが来たことも有って、僕達姉弟、双子、リックにフィル、といういつもランチを一緒に取っていたメンバーで過ごす。
「アル、ルバートの学校はどう」
「成績優秀だから、こうやってご褒美にお忍びの旅行をさせてもらえたんだよ」
「え?アルって実は成績優秀だったの?」
「うん、だって、数理はビイがザベスに説明するのをいつも聞いていたから、ばっちりでしょ? それに、残念だけど、母国ではどうしても王族への忖度があるからね」
アルの顔が少し曇る
「アル、そんな顏したら護衛がカン違いして飛んだこないか?」
リックがちょっと期待にみちた目で聞く
「大丈夫、すごく僕の事を理解している者達だからね」
残念ながら、護衛の活躍の場は今ではないみたいだね
「ねえ、みんなボクが居なくて寂しかった?ほら 居なくなるとその人の大切さがわかるって言うでしょ?」
「はい アルがいなくなって アルの大切さがわかりました」
「特に防波堤としての」
「防波堤?」
双子の言葉にアルが不思議そうな顔をしたから、皆で苦笑しながら、代わる代わる最近の僕達への周りの扱いを説明する。
「ああ、やっぱり今も護衛活躍しているんだな」
リックが周りを見回す。黒服の姿は見えないけれど、今日の僕達の周りはいつになく空いているのは、そういうこと何だろう。流石 護衛さん。
僕は 見えない護衛さんに親指を立てた。
それから、アルに強請られて、ダンス会場に連れて行かれる。姉上や下級生と踊った後は、心配していた通り、アルと踊ることになった。
「やった!ビイと踊りたくてはるばるルバートから来たようなもんだよ」
「何だよ それ?」
ちょっと 嫌そうな顔をしてしまったけれど、アルの笑顔は崩れない。
「それにさ、ボクが居た方が預けた書類に信ぴょう性がでるでしょ?ボクはいつだってビイの事が大好き ビイの味方だからさ」
「うん? それでわざわざ?ありがとう?」
アルも僕と離れて、もしかして寂しかったのかな?返事に困っているとアルがグイと身を寄せて来た。近いですアル!
「ルバートで待ってるよ」
「え?」
アルが大きくターンして、上着の裾を綺麗にたなびかせてダンスが終わった。
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