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4- 7 リックに謝りました

「まあいいや、俺にとって、学園とかあんまり関係なくて、俺が目指す理想の騎士になれるなら、どこに居ても関係ないって思うんだ」

「理想の騎士って?」

「独り言に口を挟むなよ!ビイは菓子でも食べてろ!」

「…はい」


とてもお菓子を食べる気にはなれない、せめてお茶を飲もう


「俺は 弱きを助ける騎士になりたいんだ だから俺よりも弱いヤツになった時点でみんな俺が守る、そんな騎士、かな?」


リックが身体を起こして、正面から僕を見る


「だから 俺は弱いお前を助けてやる」


リックが偉そうに笑って言う。手が届いたら背中を思い切り叩かれているだろう。


「姉上のことも助けてくれる?」

「ザベス?」


リックが眉を寄せた。僕よりも誰よりも姉上を助けて欲しい、傷つけないで欲しい


「ザベスかあ アイツは強そうだからなあ?」

「ダメ?」


リックの冗談が今の僕には受け止められないから 顔がこわばるのが自分でもわかる


「おい、そんな顔するなよ、冗談だよ。ザベスがらみの夢見か?」


リックが心配げに僕の顔を覗き込む


「任せろ、俺がまとめて守ってやるよ。お前たち皆、俺より弱いんだからさ」


リックが自分の胸を叩く。このリックなら絶対に大丈夫だ。 一緒に居たい。

先程さっきだってリックは僕の胸を突いたりしなかったのに、なんで僕はリックを信じられなかったんだろう。僕の視界が後悔で滲む。


「なんで そんな顏するんだ?」


僕は何も言えずにただ 首を横に振る。


「ごめんなさい リック!」


僕は自分の膝に額が付くほど、頭を深く下げる。リックを信じきれなくて、リックを疑いました。ごめんなさい。


「ビイ、俺、謝られるような事された気がしないんだけど?

お前は俺を学園に引き留めたくて、弱いくせに勝つつもりで、勝負を挑んだんだろう?それが夢見がらみで、俺に申し訳ないって思っているってところかな?」


僕は俯いた顔があげられない。リックが想っているよりも、僕はずっとずるくて悪いヤツです。


「夢見の事を無理に聞き出すことはしない。だけど、許す!だから俺が国一番の騎士になるのを見てろよ!」


もう駄目、僕の目からは、盛大に涙があふれる。反省と、許された嬉しさがい交ぜになった涙。もう 絶対にリックを疑ったりはしない。僕は袖で涙と鼻水を拭って、ポケットのハンカチを探す。それを見ていたリックの目からも涙があふれている?


「リックが、泣く、なんで?」


僕は泣きながらリックに突っ込んで、また袖で涙と鼻水を拭った。


「ビイが泣くと感染うつるんだよ。ビイがまた何か一人で考えちゃって辛かったのかなって思うと……」


リックは本当に優しくて 真直ぐな性格だから、僕がひどい事を考えていたなんて考えもしないんだ。ノックの音が聞こえた、と思ったら アリスさんが僕達の間に居た。


「坊ちゃま方、服の袖でお顔をふくのはおやめ下さい」


逆らう暇もなく、まず僕の顔を次にリックの顔を拭いた。


「夕食のお支度が出来ております。 さあ 坊ちゃま方」


そう告げて、先に立って歩き出す。



**


客室を準備してあると言われたけど、リックのベッドに二人で眠ることにした。だって、まだリックを説得していないからね。


「ビイ 狭くないか?やっぱり客室を使うか?」

「リックこそ狭くない?」

「うーん 俺は年に一度くらい野営したりしてる位だから狭いとか、固いとか全然平気。でもビイはそんな事したこと無いだろ?」


リックが身体を少し端の方に動かす。


「侯爵令息が野営なんてするんだ?」

「おう アーサー達も参加するぞ」

「ふーん凄いね……僕はさ、野営はしたこと無いけど、小さいころ、北の男爵家に居た時には兄姉きょうだい三人で一つのベッドで寝てたんだ。」

「へー 楽しそうだな」

「うん、楽しかった。今の家の方がベッドはふかふかで温かくて快適だけど兄と姉に挟まれて眠るのも、すごく幸せだったんだ」


アイスブルーで感じていた幸せを誰かに言葉にして伝えるのは初めてだな


「まあな ふかふかベッドが一番って決まってるわけじゃないよな。 野営もさ、星がすっごく綺麗に見えるんだ。雨が降ると辛いけどさ」

「雨!雨でも野営するの?」

「そりゃそうだよ 遊びじゃないんだから」


反射神経で生きているリックです

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