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4-2 王立学園 三年生(まであと二日)

入学式と進級式まで あと二日だ。


3年のAクラスは ほとんどメンバーに変更はない。

姉上は「数理」が苦手らしくて、ちょっとだけ心配だったけれどちゃんと同じAクラスだ。

姉上の「数理」の教科書の片隅には少しずつ表情を変えた顔が書いてあって、

パラパラめくると怒った顔だったのが笑った顏になる。

良く出来ていて面白いけど、そんなことしてるから分からなくなるんだよって 気もする。

父上に言ったら大笑いして褒めそうだから、父上には言わないでおくつもりだ。


まあ 分からないところを僕に聞いて来る姉上のちょっとバツが悪そうな態度も面白いし、可愛らしいから今年も分らないままでいてくれてもいいかな?

ダンスと剣術のクラスのメンバーもほとんど変更なし。


ただ、2年前80人が入学した僕達の学年は 3年生になったら70人になっていた。

うちのクレアの様に家庭の都合で学園を辞める者もいれば 最初から2年で辞めるという予定の者もいるらしい。


王立学園で2年学んでいるという実績は貴族社会でも仕事を探す平民社会でもそれなりのステータスになり、漠然としてはいるが”信用できる人””貴族のマナーが最低限分かっている人”として一目置かれて扱われる。クレアも王立学園で2年間Aクラス、という実績を買われてうちに雇用されることになったのだとクレアが言っていた。


僕はこの二年で身長が随分伸びたから制服を新しく作り直した。

その新しい制服を着て、姿見を見る。

銀の髪を後ろで一つにくくった、ネイビーの瞳の少年、アイスブルーでの夢見に出て来た”おとこのこ”とそっくりな顔が僕の方を見ている。


そっくり、だけれど 夢見の”おとこのこ”と僕は全く違う。

父上も母上も健康で今朝だって一緒に散歩をして朝食を一緒に食べた。僕は姉上やエディやクレアをはじめとした使用人たちとも仲良しだ。

姉上の部屋のドアをノックすれば、直ぐに姉上は出迎えてくれるし、クレアが許可すれば姉上の部屋で一緒に過ごす事だって有る。僕は夢見の男の子と違う、幸せな毎日を送っている。

もちろん これからだって


トントントントン


「どうぞ?エディ?」

「失礼いたします ヒビキ様旦那様が執務室でお呼びです」

「ノックの仕方が同じだったから エディかと思ったよ」

「同じですか?」

「はい でもエディだったら返事を待たないで入って来るかも?」

「よく言っておきます」 


ルディに言われたら エディは変わるのかな?変わったら寂しいかもしれないな?

そんな事を考えているのが判るのか?横を歩いているルディがふっと笑う。


 いつものように 応接セットの机の上には あの大きな紙が畳んだまま置かれていて、テーブルの横のワゴンにはお茶のセットが用意されている。


「今日も僕が淹れたんだよ ルディの分もあるから二人とも座って」


ルディがお茶をテーブルに移動させて、父上と僕の前に座った。


「冷めないうちにどうぞ」


父上に促されて 僕もルディもお茶を頂く、うん、やっぱりちょっと濃すぎる。

ルディが僕のカップをワゴンに戻した。あとでティールームでクレアかリンの淹れたお茶を飲もう!


「さてと、作戦会議だね。ビイ ルディ」


父上が紙を広げる。以前見た時よりも、書き込みが増えているような気がする。


「今年はフレーミイ王子が卒業する年、リリも王子と一年学園で共に過ごして二年生になる。

 『運命の支配者』が作る未来の中での大きな出来事が、次の学園祭のエリザベスの糾弾劇だ」

 

父上が体の向きを変えて、僕と向かい合う。


「今までに ザベスとフレーミイ王子が邂逅かいこうしたことは?」

「学園祭の後夜祭で2回。卒業式で1回。常識の範囲内での挨拶だけです」


「ザベスの方から 王子に近づいたことは?」

「ありません」


「王子の方から近づいて来たことは?」

「ありません」


「ピンクウサギ、リリとの接触は?」

「ほぼ 無いと思います。。

 あの髪色は目立つので 見かけた時は徹底的に避けてきましたし、姉上はリリという名前さえ認識していないかもしれません。」





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