3-31 二年生の夏季休暇と休暇終了後の学園の話
文化祭の後に数日の夏季休暇がある。
今年の夏季休暇は北の領地の視察、と言う名目での念願の家族旅行だ。
ルディは僕達と入れ替わりに王都でお留守番だけど 母上も姉上もクレアもエディも一緒に馬車に乗っている。
北へ向かう街道は多分、十年前に通った道なんだろうけど、ほとんどルディの膝の上で寝ていたから 初めて見る道だ。僕は10年前にこの道を通って王都に来たのだ。
やがて集落に入る、あれ?
アイスブルー領は通り道じゃないからアイスブルーのはずは無いけれど、なんだか見覚えがあるような?父上を見ると笑って、”外を見て”というように顔を窓の外に向ける。
ここは、この集落はやっぱりアイスブルーなんだ。
久しぶりのアイスブルーに僕は 窓にかじりついた。
収穫祭をした広場は思い出の中の広場よりも小さくて、アイスブルー男爵邸宅も、あっという間に通り過ぎてしまうくらい小さかった。ルディに会った道もずいぶん道幅が狭かった……でも やっぱり懐かしくて、僕は夢中で窓の外を見る。
小さな集落を通り過ぎるのには そんなに時間はかからなかった。
僕はゆっくり窓から離れて 背もたれに背中を戻す。
僕が窓から離れるのを待っていたように、姉上が僕の顔を覗き込む。
「ビイ、元のおうちに帰りたくなったりしない?」
「え? 僕の帰る家は ネイビー伯爵家だけですよ」
それを聞いた母上が、黙って手を伸ばして僕の頭を撫で始めた。
もう僕は母上と同じくらい大きいし、子ども扱いは止めて欲しいなあっと少し思いながら、僕はそのまま頭を撫でられた。
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休み明けの学校は、領地に帰ったとか、お芝居を見たとか、休み中の話題で持ちきりだった。
でも、学園祭でのフレーミイ王子とピンクウサギ事は忘れられていなかった。
孤児院出身の男爵令嬢と王族の恋!と もてはやし憧れる生徒もいたし、
男爵令嬢の分際で生意気だと非難する生徒
男爵令嬢云々よりもまずはマナーの問題と嘆く生徒
王子が公衆の面前で婚約者候補を嗜めたことを王族らしくないという声や
王族以前に男性としてどうなのかという生徒
それから その場で立場が弱かったグリーン公爵令嬢を守ったビビア達を賞賛する声もあった。
騎士の立場の向上 騎士を憧れられる存在にしようと努めてきたビビアだが、この事件で武の一族が(中でもビビアが)注目され 一目置かれるようになった。
当のビビアは当惑しているらしく教室で少し眉を寄せたビビアがリックと話し込んでいるのを見かけるのは 何か相談でもしているのだろうか。
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今日の中庭は心地よい風が吹いている。ランチボックスを広げながら アルがリックの方を見た
「ビビア嬢どう?元気になった?女王が元気ないと武の皆も元気でないでしょ?」
「え?アル気づいてた?」
「どうせ平等を唱えてきた自分が権力を笠に着たんじゃないか?とか悩んでるんでしょ?」
「知ってたのか?」
「知らない 言ってみただけだけ」
アルは串に刺さった肉を横からかぶりつく、多分 あれウサギだ。
「王族のボクが言うのもなんだけど、使えるモノは使えばいいんじゃないの?
女王は女王らしく真っすぐに進めばいいじゃん。間違えたら言ってくれる友達が居るでしょ?リックとかさ?」
thanks!




