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3-25  ピンクブロンド(リリ・ヤナギ)の情報 そしてピンクのウサギの話

領地で問題(仮)が起きて領地へ行っているはずの父上だけど 昨日王都に帰ってきた。


今朝から登城して城の仕事を片付けてまた数日後には領地へ戻る予定だ。

朝夕に父上の顔が見られるのは嬉しいし心強い。


夜、父上の執務室を訪ねる


トントントン


「どうぞ」


部屋では 二人分のお茶が用意されていて父上が一人で待っていた。


「来る頃だろうと思っていたよ 僕が淹れたんだよ」


父上がソファを指し示す


「父上が?」

「そう 僕が淹れたんだ。あっちのお茶は薄すぎてね……」


父上がわざとらしく不満げな顔をするのが少し可笑しい。


「今日 ピンクブロンドの女生徒を見つけました」

「今日が入学式だろう 早いね……」


父上が考えるように顎の下に手をやる


「姉上はまだ見ていないと思います」

「こちらでも 調べてはいるんだ。リリ・ヤナギ(男爵令嬢) ライムの孤児院出身(2歳で預けられる。詳細不明) 7年後 ヤナギ男爵家の養女となる」


父上がいつもの紙をだして広げ、読み上げた。

僕は父上が淹れたお茶を一口飲む 僕にはちょっと苦いな。


「ライムは王都から東の町。ヤナギ男爵が通りかかった時にたまたま孤児院の庭で洗濯物を干していたリリを見かけた。 亡くなった娘に生き写しだとその場で連れ帰り養女にした。

今年で男爵家に入ってから5年たつからね、それなりの御令嬢に育っていると思うよ」


それなりの御令嬢?リックの言うところの一番短い、平民と同じ丈のスカートをはいた彼女はあまり貴族らしいようには見えなかった


「男爵令嬢で良かった。姉上に向こうから話しかける事はないでしょうから、こちらが避けていればいいですね」



しばらくは目立つ行動を控えるように言われているけれどリリの事はやっぱり気にしておきたい。

僕が行動を起こすよりも こういうことはフィルに頼んだほうが 確実だし、安全だな。



*****


姉上が居ない時にフィルと話をしたいけれど、姉上とはクラスも昼食も一緒だからなかなかフィルと二人きりになる機会がないまま数日が過ぎてしまった。



「ねえフィル、進級式の日にさ カフェから見たピンクブロンドの子、覚えてる?」


剣術の授業の後の更衣室でやっとフィルと二人になった。


「急にどうしたの? ビイ まさか ああいう子がタイプなの?」

「え? あの子の事もう何か知っているの?」


「リリ ヤナギ男爵令嬢。

王都から東のライムって町の孤児院出身。8歳の時にヤナギ男爵の養女になって今年1年Cクラスに入学」


父上と同じ情報を持っているとは


「フィル 凄いね」

「うん 一年Cクラスには商人関係の知り合いがいるからね

 でさ ここまではまあいいんだよ。で ビイはなんで リリが気になるの?」


「え?」

「それを教えてくれたら もうちょっとリリの情報 教えてあげる」


うーん どんな理由なら納得してくれるのかな?


「えーと、故郷の話だからあまり他の人には言わないで欲しいんだけど」

「ああ 了解」


アーサーとの事があるから僕が故郷の話をしたがらない、と言っても納得してもらいやすい


「故郷に居た時に、ピンクのウサギが居て、あの髪が、そのピンクのウサギを思い出すんだ」


我ながら苦しい


「ああ アイスブルーはウサギの繁殖地だもんね そっか 故郷を思い出すんだね」


余計なコトは言わないで僕は曖昧に頷く


「ビイがザベス以外の女の子に興味を持つなんて初めてだよね?可愛がってたのそのウサギ」


え?なんで僕が女の子に興味持ってたってハナシになるんだ?なんだかとっても嫌な気分になる。


「なんだ その顔?」


フィルが(も)変な顔をして僕のおでこをつつく


「可愛がってたんだけどさ そのピンクのウサギ、僕が食べちゃったんだ」

「はあ?」


「今日は居ないなあって思って 親に聞いたら 昨日食べたでしょ?って」

「そっかー そうだよね愛玩用の繁殖じゃないもんね そっか 子供心に傷ついたんだね」


「ああ」


”ちょっと興味はあるけれど 近づきたくない”という話はこれで納得してもらえるだろうか?

今後も情報を貰えるだろうか?


「あ、もう教室に急がなくちゃ こんな話している時じゃないよ!」


フィルに言われて僕たちは慌てて更衣室を出て 教室へ急ぐ。


「まあさ ぼくとしては あまりお勧めしないタイプなんだけどね」

「フィル それで 他に何知ってるの?」


そうそう もう少し何か教えてくれるはずだよね


「うーんと、ぼくがお勧めしないっていうのはさ あの子すごく裏表がある。というか 接する人によっては別人のようになるんだよね」

「どういう意味?」

「実は ぼくリリに声かけたんだけどさ 無表情で無視された」

「フィルが?」


入学式からまだ 数日なのにリリに声をかけたと言うフィルにも驚くけれど 積極的にかかわっていくフィルを無視する一年生というも凄い


「そう このぼく

が! でさ 更にショックなのはリックが通りかかったらころって表情が変わって 目をウルウルさせてリックを見てたんだよ。

普通なら ああ リックのファンなんだ 可愛いなって思えるんだけど、なんか 不気味だったんだよね。なんだろうな あの不気味さ……」


フィルが珍しくマジメな顔で考え込んだ。


thanks 人たらしとしてのプライドをへし折られたフィル君でした

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