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3-17 アルと過ごす学園祭

僕の隣で同じように 窓から学園祭を楽しむ人々を見下ろしているアルが僕の方をみた。


「いいんですよ。家族とはいつでも一緒に居られますから」


「ふーん 家族仲が良いんだな」


「使用人とも仲良しですよ。リックに内緒でエディに剣術を教わってるくらいですからね」


「エディ?」


アルが誰だっけ?と言う顔で僕を見る。


「アルが来た時に僕の部屋に居た使用人です。ここの卒業生で、剣も強いんですよ」


「ふーん、護衛も兼ねてる感じかな?……良かったなあ、皆仲良しで」


アルの言い方が 妙にしみじみしていて、アルの家族仲はどうなんだろうかと少し心配になる。


「アルのご家族はどうなんですか?」


不敬は承知だ。

アルは留学を許されるほどに愛されているのか、それとも留学と言う名で放り出されたのか?


「心配してくれるの?ボクだって家族仲が悪い訳じゃないからね」


アルが僕の意図するところを察したのか苦笑いをする


「そうですよね。いくら家族といっても王族が気軽に他国に息子を訪ねては来れませんね」


「でしょ?」


開け放たれているドアの向こうから こちらを伺う気配がする。


「あの人はいつもの護衛ですか?」


僕がドアの方を見るとアルも見る


「国からは三人連れて来ているから交代だよ 彼らにも休みは必要だからねえ」


「アルとは…仲…いいんですか?」


「ああ 子供のころからの付き合いだからな」


僕とエディくらい 仲が良いのかな


「国を離れて、家族と離れて寂しいって思う事は無いですか?」


「ボクが希望したことだからな」


そう言えば、この国への留学も僕がお世話をすることになったのもアルの希望だっけな。


「王族なんてさ 自由にしていられるのは今だけだからさ」


「そうでしょうねえ」


王族なんて『子供』のうちだけでしょうね。 比較的自由にしていられるのは……。


「まあ それでも兄上たちよりは楽かな?長期の留学なんて羨ましいって言われたよ。それから、

 お前が俺たちの代わりに沢山見て来てくれって」


「いい兄君ですね」


「うん 二人とも素晴らしい兄君だ。変わっていると言われるボクを受け入れてくれているしね。

大人になったら 兄たちの役に立てるようになりたいと思っている」


アルが変わっているって思っていたのは、この国と文化が違うからだと思っていたけれど、アルだからなのかな?




「何か食べに行きますか?」


「うん いいね」


僕達は学食へ行って軽食を食べ、模擬店で買った串焼きを立ち食いした。

それから 瓶に入ったジュースを瓶に口をつけて飲みながら歩いたり……家やいつもの学園では叱られそうなことだけどそれが楽しいし、少し懐かしい。


講堂の方から、音楽が聞こえてくる。

講堂では昼間の数時間ダンスパーティが催されているのだ。

音楽を奏でているのは音楽を趣味としている学生の集まりで、発表会も兼ねている。


「学祭のダンスパーティ、音楽を演奏する学生も踊る方も失敗しないように、選曲が絶妙らしいね」


何処から聞いたのかアルが面白そうに言いながら講堂に足を向ける 


「まさか、アル、踊るんですか?」


「さあ どうしようかなあ? ビイは?……ダンス苦手だったね」


講堂に近づくと窓も ドアも開け放たれていた。


「どうりで音楽がよく聞こえてくると思った。まあ 音楽はまずまずだね?」


階段を登ろうとしたアルが 一段目に足をかける前に方向を変えた


「窓から 覗いてみようか?」




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