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3-11 ちょっと齟齬(そご)が有るような気もするけど

間もなく2の月が終わる。

気候も良くなったからと 剣術やダンスの授業が始まった。


剣術は、男子だけで、女子は護身術を教わる。

剣術クラスは上級と初心者に分かれるけれど 剣も持ったことも無い僕は初心者クラスだ。

武の一族の生徒たちは当然 上級クラスなんだけど フィルも上級クラスに行ってしまった。

まあ 普段かかわることのない生徒と関われるからそれも面白いけれど エディには怖い微笑みで

「来年は上級クラスに入れるように 特訓しましょう!」と言われている。

リックには内緒にして 上達したら驚くかな?


ダンスは男女合同で やっぱり実力別に別れる。

僕は 辛うじて上級クラスだけど、たぶん 下から数えた方が良さそうな実力だから頑張らないといけない。ユウ エウ、フィル リック、それからアーサーも 同じクラスだ。


アーサーと言えば、あの後すぐに カーマイン公爵家の馬車で両親と一緒に謝りに来た。

学生の事だからと父上が固辞したのに、強引にやって来たのもリックの時と同じで笑ってしまう。

武の家のしきたりみたいなものでもあるのかな?


ちょうど庭のリンゴがよく実っていたから、僕はアーサーを庭の果樹園に案内した。

アーサーはリンゴの木を初めて見た というので木から直接果実を取って、近くのベンチで並んで、一つずつ持って一緒に齧ったら アーサーが泣き出した。


「あれ?どうしたの?そんなに感動した?」


僕には何が起こったのか分からない


「オレが謝る前に許されて良いのだろうか? すまなかった」


アーサーがリンゴを片手に持ったまま 膝に両手を置いて、膝に頭が付きそうなほど 深く頭を下げた。


そういえば 謝ってもらってなかったっけな 謝り方まで リックに似ている。

でも”謝る前に許されて”って ちょっと誤解があるような気もするけれど?

もう、僕は今はアーサーに対して怒っていないから いいかな?

なんて言葉をかけたらいいのかな?


「なんで ビイ殿にあんなに腹がたったのか、あの後、考えてみたんだ」


おおお? ビイ殿、ですか?驚いたけれどそのまま話を聞く


「オレには五つ下に弟がいるんだけどさ まあ あまり丈夫じゃなくてさ。

そろそろ将来を考えるべきなんだろうけど 親も決めかねててさ。 どうしてやるのがアイツに一番いいんだろう?って 思っていたら『何かのはずみで 男爵家から伯爵家に入った運がいいヤツが居る』って聞いて 羨ましくなっちゃったんだろうなあ」


「羨ましくても 手を出しちゃ駄目でしょ?」


「まあ ちょっとだけ脅してビビった顔でも見たらスッキリするような気がしたんだよな」


モヤモヤしていても 手をだしたらダメなんだけどね

ちょっとだけ脅す くらいの気持ちだって、それもダメだからね!

ビビアの言うように『力で解決』が騎士の魅力をそいでいるような気がするよ。

ホントにそれじゃあ ただの乱暴者って言われてもしょうがないよ。


「ねえ アーサー殿、ビビア嬢が言ってたことをよく考えてみてね」


色々と言いたいと思ったけれど、僕の言葉よりも響くのはビビアの言葉だろう。


アーサーは『どうかしていた』と大いに反省して『約束通りビイ殿の従者になる』とも言ったけれど、それは遠慮して、ビイ アーサーと呼ぶ友達付き合いをすることにした。


付き合ってみると、アーサーは頭がいいし、容姿もいいし社交的だから男女問わずに友達が多く、武の一族の生徒への影響力も大きい。


そのせいだろうか 剣の授業では 武の一族の生徒たちが先生以上に熱心に僕の面倒を見てくれた。




ブクマ 評価ありがとうございます!


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