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3-8 この流れには 覚えが有ります

リックを見ると 片手で額を押さえて下を向いてしまっている。


この展開、リックの時と一緒だよなあ 上から言われて不承不承謝りに来るってのさ。

そして、やっぱり、と言おうか、アーサーは「謝罪するかしないかは、勝負で決めたい」と言いだした。


僕は剣が出来ない旨を話しても「拳でいいから」と、引き下がらない。

だから それはダメって話、まさに今、ビビアが話したでしょ? 聞いてました?僕は心の中で呟く。


リックが口を挟もうとするけれど アーサーは上手い事あしらって話を続けてしまう。





「オレは弱い者いじめはしない。オレが強いと判れば、今後ヒビキ殿に手出しはしない。むしろ 弱きを守る騎士の務めを果たし、ヒビキ殿をお守りしよう。

もしもオレが負けるようなコトがあれば 昨日の失礼を謝るし、卒業までヒビキ殿に従う者となる。

勝っても 負けてもヒビキ殿に利がある勝負です。何故、勝負しないのですか?」


小集団は今や僕達を丸く囲って 期待に満ちた目を向けている。

やっぱり「力が正義」「勝つのが正義」から 直ぐに考えを変えるなんてことは出来っこない。

武の一族にとっては、この勝敗が『運で伯爵令息になった』僕が ホンモノなのかニセモノなのかを決める事になるのだろう。



「もうこうなったらダメだな。 ビイ、怪我をさせるな、俺が止めたら直ぐにやめろよ」


リックが早口の小声で 僕の方を見ないで言った。

僕が小さく頷くと アーサーと 周りの生徒はそれを勝負する事を僕が了解したものと受け取ったらしく歓声が上がる。


リックは渋い顔のままで 首を大きく縦に振った。


「では 俺たち全員が立ち会う。怪我をしそうだと俺かビビア嬢が判断したら途中でもやめること。

 いいな? 勝敗がすぐにつかない場合は俺たちの挙手で決める。」


アーサーはやる気満々で 僕は不承不承だが頷いて了解する。

そもそも 僕はケンカはもとより 勝負事というのはあまり好きじゃないんだよな。


あらためて、 生徒たちが僕達を丸く取り囲む。 その円から一歩前にビビアが出る

剣の試合の様に 僕とアーサー様は向き合い その間にリックが立つ。


リックが手をあげる


「レディ ゴオ」


はい 右手を受けてっと 背中側でひねります。


「ストップ」


「まだ 途中だった!」


再び向かってきます

 

今度は両手でかかってきたので 一度手首を掴ませてから、払いながら 片手をとり、

やっぱり ひねる 片膝をついた相手をひねって抑えつける。


あああ もう嫌だなあ こんな味方も居ないような場でケンカのような真似。

僕 あなたに何かしましたか?

もう このままこの方向で力入れたら折れるのかな?

いっそ 折っちゃえば?

そしたら ここに居る『勝つのが正義』って人 僕の事、認めてくれるんでしょ?



「ストップ」

「ビイ?!」


遠くで声が聞こえて


「おしまい!!! 大丈夫よ ね わたくしがいるわ ね?」


背中から 優しく抱きかかえられる。

力が抜ぬけて 引かれるままにアーサーから離れて、姉上に寄りかかりそうになるのをなんとか踏みとどまる。 姉上を誰かが支えてくれたのが分かったので そのまま床に座り込んだ



やっちゃった、

ケガさせちゃったかもしれない……


「勝者!ヒビキ・ネイビー」


遠くにビビアの声が聞こえ、歓声が上がるのが聞こえた。



つづけて 周りに聞かせるかのように張り上げるリックの声


「なあビビア、どうだ?ヒビキを養子に引き抜かないか?公爵家の力をもってすれば伯爵家など黙らせられるだろう?」


「ん? ふむ、なるほどそれはいいな。

 だが、我は妹か 弟がほしいと以前から思っていたのだが?」


リックに合わせるかのように響くビビアの声


「ああ それなら そうだなあ ミケーラ イロハ それから エリナ お前たち 妹がいたな?

この機会にビビア嬢に願い出てはどうだ?」


「ほう 妹とな うん何人でもよいぞ 子供に贅沢をさせる位の余裕、公爵家にはある、我が立派な女性騎士に育て上げよう」


響くビビアの声に モゴモゴと答える声がする。


「いえ 妹はまだ7歳で幼いので家族と離れるのは無理かと…」


「わが家の妹は 武の一族としては少し身体が小さく…」


「わが家も 残念ですが父が可愛がっておりますので」


そんな声を笑い飛ばすような ビビアの声が響く



thanks!


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[一言] 貴族に如何に腐敗物が多いかってお話?
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