3-7 武の一族のお茶会(集会?)
僕は ティールームでお気に入りの大きなソファに埋もれている。
ついこの間までは家に先生が来て、姉上とエディとクレアの4人で勉強をして、父上と母上に執務やマナーを教わる。という 屋敷から出る事のない生活だった。
それが 入学が決まったらサフラン家のお茶会があって同い年の子供と会って、リックと友達になって、それから ユウ エウ フィルとも友達になった。
そして『運命の支配者』の話があって、母上の潜入捜査を知って……それだけでも 自分の中でいっぱいいっぱい、だったのにな。
それなのに、今朝はアーサーに絡まれて、明日は武の一族の同級生のお茶会に参加、かあ……
学校が始まってまだ二日なのに なんだか疲れたなあ。
お行儀悪いけれど、ポテンとソファに横になる。
誰かが「お茶はいかがですか」って言ってくれたらお願いしよう。
開けたままにしてある ドアの向こうを誰か通らないかなあっと思って見ていたら
「ビイ様 心がお疲れの時は身体を動かしましょう。護身術かダンスでも?」
声をかけてきたのはエディだった……エディはダンスも上手なんだよな
「あーうん じゃあ護身術の方で…」
***
その翌日、授業が終わって、廊下で待っていてくれたリックと共に、姉上と僕が足を踏み入れたのは、学校の集会室。広めのシンプルな部屋だけれど ビビアン主催のお茶会はここが会場だと言う。
壁際に軽食や飲み物のテーブルが並び、中央が広く開いている。
そしてそこに 17-8人ほどの生徒が 五列縦隊でピシっと並んでいる。
いや よく見ると数人は その集団に倣ってはいるが戸惑ってもいるようだ。
「ありゃ 誰が仕切ったのかな? まあ いいや 俺らはこっちで…」
リックにつれられて、小集団から離れた壁際の方へ行く。でもなんとなく視線を感じて落ち着かない。
「皆さん 御機嫌様。 急に呼び立てて すまないね」
言いながら 入ってきたビビアンがリックに軽く頷き、集団の前に立つ。
新入生代表の挨拶の時や教室にいる時の令嬢風とは違うキリリとした雰囲気に僕は戸惑うけれど、小集団は戸惑う様子もなくピシリと姿勢を正した。
「今日の集まりは めでたく王立学園に入学した武の一族の者の顔合わせである。
短い時間ではあるが楽しんで欲しい。
入学式の挨拶でも述べたように学園内では平等、であるからワタシのことも ビビアン もしくはビビアと呼んでもらいたい。」
ビビアが一同を見回して一度微笑み そして 厳しい表情になる
「さて、最近 騎士への評価が低下していることは 皆も感じていることと思う。
特に 平民の住む地区では あれでは騎士ではなく単なる乱暴者だと囁かれていることを耳にしている者もいるだろう」
小集団が再び小さくどよめいた。
「国を守り 弱きを助けるのが騎士の役割だとワタシは考えている。
力が正義 勝つのが正義 という考えは学園内では捨ててもらいたい。
学生生活の中で、今、騎士の地位 名誉向上の為に必要なものを一緒に考えて欲しい」
ビビア嬢が頭を下げ、小集団が大きくどよめいた。
「昨日、我が一族の者が、他家の者に手を出しているのを見かけた。力に任せての正義を振り回す者は、今後このビビアンを相手にするものと思え。 まあ、昨日についてはこの限りではない。
アーサー ヒビキ殿をお呼びしてある、昨日の事を謝罪するように」
僕の所からは分からないけれど 恐らく ビビア嬢はアーサーを見ているのだろう。
しばらくして 小集団の間に道が開け、アーサーが僕たちの方に歩いて来る。
これじゃあ 見せしめ(スケープゴート)だよ
謝る気持ちがあったって 謝れないし 謝る気持ちがない謝罪なんて意味ないしなあ
隣のリックも同じ気持ちなのだろう。
ため息が漏れてくる、この流れはビビア嬢の考えであって、リックは知らないんだろうな
ブクマ、評価ありがとうございます。感謝!!!




