3-2 入学式のサプライズ
「あれ?知らなかった?僕の父親の実家、商家なんだよね だから 色んな情報入って来るんだ」
「父君のご実家?」
僕は頭の中の貴族名鑑をさがすけれど、
ネイビー家の血縁ではないので もしかしたら見ていないのかな?
「そうそう、僕の父はね 商家の次男で オリーブ子爵家に出入りしているうちに母親と大恋愛!母は跡継ぎ娘だったから婿にはいったってコト」
「「きゃー 詳しく聞きたいわ」」
エウ ユウがフィルに詰め寄る。
二人とフィルは親戚だけど 詳しくは知らないらしい。
フィルが二人の勢いにタジっとなったところで講堂の扉が開いた。
「さあ 行くわよ」
姉上が僕達にニコリと微笑む。
「あ 僕は最後に入ってもいいかな? 入学式なんて最初で最後でしょ? みんなが入って行く様子を見てから入りたいんだ。」
皆さんはお先にどうぞっと 僕は左手を前方に指示したけれど
「あら?そう? なら わたくしも付き合うわよ」
「「私達も」」
「僕も」
「俺もお前らと入るところまでは一緒に居たいからな」
全員 最後に入場することになってしまった。
僕達は少し横に避けて 新入生が入って行くのを後ろから見送るような形になった。
「思ったよりも大勢いるんだな」
「「女子の方が少ないかと思ったけれどそうでもないのね」」
「うーん 女子のくるぶしが眩しい」
「ばか!」
「女子の足をそんなふうに見てはいけません!」
フィルが女子から怒られている。
そんな言葉を聞きながら 僕は『ピンクブロンド』を探していた。
**
殆どの生徒が入ったころに講堂への数段の階段を登り、エントランスホールを通る。
大講堂へ足を踏み入れて既視感を覚える。
豪華なご馳走はないけれど 今日も花が飾られたこの場所は 夢見でエリザベスが王子に糾弾された場所だ。
つい 天井を見上げてしまうけれどそこには豪華な明かりがいくつも下がっているだけだ。
クラス別に並べられている椅子に座り ほどなくして入学式が始まる。
新入生代表には 背の高い、赤い髪が印象的な女生徒ビビアン・クレナイ公爵令嬢。
んん?クレナイ公爵令嬢って王家のお茶会の時に僕に話しかけようとしていたって姉上とリックも言っていた御令嬢?
多分 僕よりも背が高いんだけど?見落としたりするかなあ?
後でこっそり姉上に聞いてみようか?貴族名鑑を見た方がいいのかな?
なんて考えている間に学園長の挨拶が始まり、それがやっと終わったと思ったら次は前任理事の挨拶だって、前任理事は僕らの入学試験のころに交代した人らしい。
入試に不正があったらいけないからだね。
金の髪のご婦人が壇上に……あれ?あれは?母上!
僕は思わず隣の姉上の方を見ると 姉上も首だけ僕の方に向けている。
ちょっと待ってください??
驚きのあまり、前任理事代表=母上の話は何一つ入ってこなかった。
帰宅したら どういうコトなのかお聞きしなければ……
*
入学式が終わり クラス毎、担任に案内されて教室で移動する。
Aクラスは20人 そのうちの5人が知り合いというのは心強い。
今更ながらお茶会を主催してくれたサフラン侯爵夫人に感謝する。
僕は一番後ろのドアよりの席に、姉上は僕の横に並んで座る。
「前の席で先生のお話を聞いた方が良いのではなくて?」
「今日は教室全体を見たいなあと思うので」
「しょうがないわね」
僕達の反対、窓側には後ろから3列 縦にフィル ユウ エウと並んでいる
なんで縦なんだろうな?皆 外を見たいのかな?
担任から 注意事項や お知らせの紙や 教科書を配られて今日は終了だ
このクラスに今日は 欠席者は無くピンクブロンドの生徒は一人もいなかった。
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