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閑話 ビクトリア・イエロー侯爵令嬢の場合 下

王立学園に入学し、Aクラスのクラス表を見た時に わたくしは同じクラスに「ネイビー伯爵家」の御子息が居る事を知りましたわ。


シュウマン・ネイビー、濃紺の瞳に ネイビー という家名。エリザベス・ネイビーの関係者に違いないですわね。もっとも、フレイム王子も誕生していないのですから エリザベスも誕生していないはずですけれど…

彼は エリザベスとどういう関係になるのでしょうか?もしかしたら 年の離れた兄、ということも有り得ますわね。


あら?でもそうしましたら 彼は母親を亡くしてしまうのでしょうか?

エリザベスが王子に憧れるのは亡き母と同じ色だから、そして王家の方々は代々 金髪碧眼。

つまりエリザベスの母親も 恐らく金髪碧眼、なのでしょうね。

もしも シュウマン様のお母さまがわたくしと同じ 金の髪と青い眼の持ち主だったら?

でも、そんな事をシュウマン様に確認することはできませんわね。


わたくしは軽く頭を振って、ほかの二名の悪役令嬢の家名を思い出します。

クレナイ公爵家 と グリーン侯爵家。

こちらは 同級生にはいらっしゃらないようですから 注意するのは ネイビー家の彼だけ、ですわね。


**



学校は寒い時期に始まりますが 直ぐに季節は温かい季節に移ります。

この季節の変わり目が わたくしにとっては毎年たいへん辛い季節なのですが、今年は特にひどく 二の月に入って早々 数日間寝込んでしまいました。


そして、久しぶりに登校した時、クラスに、わたくしの居場所はありませんでした。


ポツンと一人でいるわたくしに気が付き、声をかけてくれたのはシュウマン ネイビー様でした。

ノートを貸してくれ、一人でいるわたくしを昼食の仲間に入れてくれました。


黒髪に紺の瞳 ともすれば冷たい印象のシュウマン様ですが 実は人当たりが良く ひとたび口を開けば人を笑わせるような冗談をいう、そんな優しい彼には既に多くの友人がいましたの。


気軽に声をかけてくれる彼のおかげで わたくしは教室に居場所が出来、少しずつお友達と呼べる方もできました。わたくしはいつしか彼に感謝という気持ちだけでない気持ちを抱くようになりましたの。


**



入学から3年がすぎ わたくしは専門課程に進みました。


でも やはり 進級したころの季節の変化には身体がついて行かないようですわ。


もう寝付いてから三日になります。

枕元にはシュウマン様が毎日届けて下さる お見舞いの白い花が飾ってあります。


「ゆっくり休んで!君にノートを貸す栄誉を!」 そんなメッセージが添えられています。



目をつぶって ゆっくり思い出すのは緑のノートの文言。

もうこの国の言葉として覚えてしまいましたわ


『エリザベス・ネイビー伯爵令嬢 紺の瞳 亡き母と同じ色の王子に執着 陰謀家』


もしも わたくしがシュウマンと結婚して ビクトリア ネイビーになったら?

そして もし 女の子が生まれて その子が紺の瞳だったら?

その女の子が神殿で エリザベスという名前をもらったら?


わたくしは 我が子エリザベスを残して 早世してしまうのかしら?

我が子エリザベスは 王子とリリとの仲を引き裂くような陰謀を企む悪役令嬢になってしまうのかしら?

王家の人間に逆らったエリザベスはどうなるの?


それを案じて 先祖である転生者は文章を残したのではないかしら?

それならば やはり シュウマンとの恋は諦めるべき恋ですのね


何度となく自問自答し いつでも出るのは同じ答え。



それでも わたくしはシュウマン様の事が好きなのです。

これが強制力うんめいと言うものなのでしょうか?



お父様もお母さまも、お兄様たちも物静かなシュウマン様を気に入っていますわ

けれどそれは わたくしの未来を知らないからです。

若くして娘が死ぬ運命を望む親などいませんもの。


幸い 知識の家系の娘を求める縁談は幾つかありますから、エリザベス・ネイビーのお母さまには他の方に ……でもそれは シュウマン様の奥様は他の方がなるということになりますのね。


ため息をついて 寝返りを打つと 枕元から眠りを誘うような香りが降ってきました


ジャスミン… 派手ではないけれど 眠りを誘う花を選ぶのが優しい彼らしい ふふっと 小さく笑って わたくしは再び目を閉じます。




若き日ののトリアさんに、応援の★★★を!!


更新、遅れました。。。台風の影響で大変なコトに…電気が有るだけでも感謝…とはいえ…ふう…

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