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4-21 馬も人も一休み

姉上は、シートに座ったまま、腕を組んで僕達の方をじっと見つめている。「不思議に思っている事」をまた増やしているのかもしれない。


エディが こんなに食べるの?って思うくらい沢山の食料と飲み物を包んだピクニックシートを抱えて立ち上がり、僕も立ちあがる。


「ザベス様は 今日の出来事についてお知りになりたい事が沢山あって、それはクレアには説明が難しい」


エディが馬車の中の全員に向かって言い、クレアが頷く


「そして、ビイ様は、ここで、ザベス様と、二人きりで、その説明をしたい。と」


エディが少し屈んで、僕の顔を見る。相変わらず、エディは僕の心の中を読むのがうまい。


「わたくしは、二人きりでなくてもいいわよ。」


姉上は、そうでしょうね。

僕はすこーしだけ、ガッカリして、ポスンと姉上の隣にお尻を戻す。

その様子をみて エディがフンと鼻で笑う。ホントにエディは失礼だなあ!僕の気持ちを読んだ上で笑うんだから……


「クレアかエディが教えてくれてもいいのよ?」


姉上が二人をじっと見ると、クレアがエディの服を引っ張り、黙って首を振る。


「ビイ様、俺もクレアもお二人を信用してますからね!」


エディは小さく溜息をついて僕にそう言い、クレアを促して馬車を降りる


「ドアは閉めないでくださいませね!」


クレアは最後にそう言って馬車を離れた。


「随分 沢山持って行ったね?」

「護衛は何人いるのかしら?」


姉上と僕が同時に言葉を発して、二人とも黙る。お互いに目で先を促すして、僕が先に口を開いた。


「その質問は、姉上の疑問その5かな? その質問の答えは、一人」


「そう、では その他の質問もビイが答えてくれるのかしら?」


姉上が僕を上目遣いに、少し睨むようにして見つめる。

久しぶりの姉上と二人きりの空間に 僕はドキドキしてくる。姉上に、どう答えようか?


「姉上、今、ここには姉上と僕だけが居ます」


「そうね?」


「これから話す事には、わが家の秘密事項が含まれますが、僕と姉上の二人だけの秘密にできる?」


姉上がなんでもないことの様に微笑む


「ええ、わたくしとヒビキ、ふたりだけの秘密にしましょう」


その言葉は小さいころ、あの秘密の場所で姉上に言われた言葉そのままだ。そして、姉上が自分の人差し指を「しー」っと姉上の形の良い唇に当てる。


「はい!それなら、いいですね。」


あの時の自分の言葉を思い出しながら言った僕は、姉上の人差し指を取って、僕の唇に当てた。


「姉上と僕、ふたりだけの秘密」


姉上の指を僕の唇から離して、姉上のその手を僕の両手で包む。

姉上だけが知らない、誰からも知らされていない姉上の未来。「運命の支配者』が作った世界。

クレアも父上も、多分、母上も知っていて、姉上に秘密で回避しようとしてきた未来、否、現在いま、それを僕は姉上に知らせようとしている。



「姉上は、僕がネイビー伯爵家の養子に選ばれた理由を理解している?」


「もちろんよ」


余りに簡単な質問に姉上が、肩透かしを食らったような顔で応える


「言ってみて?」


「ビイに夢見の力と才能があると判断されたから、でしょ?」


「正解!では 夢見って何か知ってる?」


「予知夢って言われているわね、天災や災厄を予知する夢って、それから ビイの輪遊びの様に何か発見や発明につながる夢もあるのよね?」


「うわあ 姉上 覚えていてくれたんだ!」


僕は両手を頬に当てて、嬉しくて出てしまった涙を薬指の先で急いで拭って誤魔化す。


「当たり前でしょ?」


姉上が呆れた顔をしてから 真顔になって僕を見る。


「今日の糾弾劇を夢見したのはビイなの?」


流石、姉上、まさか ここで当てられるとは思わなかった……僕は目を瞠ったけれど、直ぐに姉上に向かって親指を立てた。


「当たり です」



thanks


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