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車校の恋愛物語  作者: SHO
3/10

デートの時間

一度家に帰ったオレは、制服から私服に着替える。


 今日の試験は午前中に終わったのでお腹はすいている、久しぶりにデートで外食をすることになったから。オレは野球部が忙しくてバイトをする時間がなく、親からもらうお小遣いでやりくりしているが、デートだから男の俺が奢るしかない。



 やはり美香はデートだけあって、また趣味がショッピングということもあり、ものの見方、考え方が大人だなと思う。、若干17歳のオレとは大違いだ。


 だけどふざけて冗談を言ったり、はしゃいだりしている姿は子供そのもの。


 そのギャップがまた美香の魅力となり、人気の源なのかもしれない。


 誰に対しても飾らない、自然体の美香なりがだからこそ魅力的な女性に見えてきたかもしれないと思う。


 そんな美香は、オレにとっては何でも話せる友達のようでもあるが、頼りになる存在だ。





 昼食の間中、オレは美香から質問攻めのメールがあった。


 オレがどんな服なのか、どんな映画を見たいのか、カラオケは好きか、一緒にパフェ食べようとかどんなひとがタイプなのか、どんな食べ物が好きなのかとかいろいろと。



 そう。そんなにじっくりと話したことはないけれど、他の男と話している様子とかを見ていると、大体の性格は解る。


 よく男の前でだけ可愛く振る舞ってみたり、親切さ、気の利くところをアピールしている女子はいるけれど、そういうのは見てて解る。


 それが内側から溢れ出ているものなのか、作り物なのか。


 男女の恋愛とかそういうのはあまり詳しくはないが、ひとの性格を見極めることぐらいできる。



 やはり野球で相手の心情を察してプレイする場面が多いからか、自然と身についてきた。


 それと、自分で言うのもなんだが、もしかしたら色んな女と付き合ってきたから、感受性が豊かになってきたのかもしれない。



 そんなオレから見て、彼女は見た目だけでなく心も美しいんだということを、恥ずかしげもなく語ってしまった。


じゃあライバルも多そうだって?

そうなんだよなぁ~



 そう。クラスの男子の憧れの的。


 ただ、「いいよなぁ~」って言っているだけのヤツもいれば、本気モードのヤツもいそうだし。

俺はどうかって??


 ううっ。耳の痛いことを遠慮なく仰る。


 あの雨の日、帰り道での相合い傘。


 試験中の下校時、一緒に帰った時もそう。



 結局「ああ」「おう」ぐらいしか話せなかったんだ。


オレだってもっといろんな話をしたかったさ。だけどオレ、なんか緊張しちゃって上手く言葉がでてこなかったんだよなー




 なんだかんだで映画デートの時間だ。


 それでもオレ達の話は映画館への道程、上映時間までの間中尽きることなく続く。



 もう間もなく上映だというときに、俺は何気なく聞いてみた。



「美香は俺のどこが好きなの?」



 すると美香は真っ直ぐ前方を向いたまま、表情も変えずにひと言発した。



「あたし.....翔の....」



「え」



 オレが声にならない声を漏らしたところで映画が始まった。


 俺はサラリとした返答に少し驚いたが、無表情にスクリーンを見つめる美香から、オレも視線を大型スクリーンへと移した。




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