「サイコパス 劇場版」 感想。テーマとしての強み <ネタバレ有>
「サイコパス 劇場版」の感想と思ったことを書いてみました。
「サイコパス 劇場版」を観て来ました。いろいろ考えるところあったのですが、正直な感想としては「すげえ面白かった、でもなんか新規向けの内容かな」という感じ。
内容は押井守監督作品「ケルベロス 地獄の番犬」からの攻殻機動隊のような内容。ようは悪に堕ちたかもしれない元同僚を主人公がその潔白を証明しに行く、という物。舞台が海外と言うこともあってTV版ではなかった銃器や戦車などのガジェットがうれしい。しかし、なんか作品の核に触れるテーマに関してはおざなりと言うか、あまり触れていない感じ。
物語としてはものすごく面白いのですが、サイコパスの弱点でもあった「これ劣化○○だよね」「これはこの作品でやらなくても良くないか」という感じが露骨に出てしまったような一作。作品としての色が薄い。
内容が「攻殻機動隊」でも出来るし、「パトレイバー」でも出来る内容。しかも、そこには「劇場版パトレイバー2」のように「映画としては最高の出来である」という訳でもない。圧倒的なアクションの描写やキャラクターの魅力で押し切っている感じ。正直、「サイコパス」という作品の魅力やテーマはあまりなかった。
伊藤計劃さんは「映画はテーマを見るものではない」と言っていたが、それはテーマを切り取った話であり、映画の物語を語る上でテーマがあることが作品の質を上げているなら、俺はテーマに着目することは間違っていないと思うのです。そう考えると、「サイコパス 劇場版」はテーマがあやふやでテーマによる作品の加速はない。それにTV版で問うていたテーマへの踏み込みもなし。そこが残念なところではあった。
テーマを語ることが類似作品との区別になり、その作品の色を深めるということは戦争映画なんかが証明しているわけで、テーマが薄く、ありきたりなビジョンしかない「サイコパス 劇場版」に特有の色があるわけがないのです。やはり、今回は次作に向けて地盤を作ったのかな、という感じでした。
あと、お前が言うなって感じですが作画が残念でした。格闘場での茜ちゃんのおっぱいとシャワー時のおっぱいのボリュームが明らかにおかしいし、キャンプでのコウガミさんの顔も少し崩れていたし、まぁそれはBD版で直してくれるでしょう(あわよくば、BDで茜ちゃん巨乳化ですよ、紳士諸君!!)
ストーリの運びや展開、場面ではかなり良いシーンがあった、そんな作品だった。多分、続編あり。
読んで頂きありがとうございました。