表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/13

春(3)

チルノと入れ替わりでやってきたのは、永遠亭のお姫様・蓬莱山輝夜(ほうらいさん‐かぐや)とその部下(むしろペットに近い)の鈴仙・優曇華院・イナバ(れいせん‐うどんげいん‐いなば)と因幡てゐ(いなば‐てい)。今日は輝夜の付き添いも兼ねて博麗神社に参拝しに来たのだ。


参道で一人佇む輝夜を尻目に、二羽の兎はそれぞれ願掛けをした。



~~~~



一方、縁側では医師で薬師の八意永琳(やごころ‐えいりん)による診療が行われていた。

苦しがる魔理沙を心配そうに霊夢とアリスが見つめている。


永琳「ふむ。毒が回った形跡は無さそうね。」


霊「だったら、なんでこんなに苦しんでいるのよ。」


永「私にも判らないわ。これはもう少し調べる必要があるわねえ…魔理沙、口を開けて。」


何処からともなく取り出した懐中電灯で喉の奥の状態を確かめる。


永「治療法が判ったわ。霊夢、ちょっと離れてくれる?」


霊「(何をするのかしら……?)」


言われた通りに霊夢がその場を離れた。アリスと萃香も固唾を飲んで見守っている。


永「魔理沙。ちょっと痛いけど、我慢しなさいよ?」


魔「(頷く)」


永琳は高く腕を振り上げて。


永「そぉい!」


魔「グボァ!」


霊&萃&ア「Σ(°□°;)」


なんと、思い切り魔理沙の腹を殴ったのだ。

魔理沙は殴られた際に大きく息を吐き出したため、喉に詰まっていたキノコが取れた。キノコはそのまま屋根の向こうに飛んでいった。


永「はい、診察終了。どうやら、キノコを食べた時にそのまま飲み込んでしまったみたいね。」


ア「魔理沙、大丈夫?」


魔「ゲホゲホ…。あ~、死ぬかと思ったぜ。」


霊「全く、何やってんのよ…。」


魔「まぁ、これにて一件落着ってことで良いじゃないか。ハハハハハ!」


ア「良いわけないじゃないの…;」


魔「面目ない。」


永「まあ、以後気を付けなさいよ?」


魔「肝に銘じておくぜ…。」



~~~~



魔理沙が吐き出したキノコは本殿を越え、石段付近に居た輝夜の目の前に落ちた。


輝夜「あら、何かしら?美味しそうね♪」


こともあろうか、輝夜は安全性を確かめもせずにキノコを食べた。


輝「(…か、辛い~!!)」


余りの辛さに輝夜は声にならない悲鳴を上げ、のたうちまわりはじめた。願掛け中だった二羽は輝夜の異変にすぐ気づいた。


鈴仙「姫様、どうされました!?」


輝「~~~~っ!」


するとそこへ、魔理沙の診療を終えた永琳が戻ってきた。


てゐ「師匠、姫が大変なことに!」


永「……ああ、さっきのキノコには辛味成分が含まれていたのね。はい、水ですよ。」


永琳が何処からともなく差し出した水を一気飲みすると、ようやく輝夜は落ち着いた。


輝「ありがとう永琳…さっきは死ぬかと思ったわ。」


永「先ほど診察した魔理沙も同じことを言っていましたよ。姫様、もう拾い食いはやめて下さいね。」


輝「ええ、分かったわ。」


永「それじゃあ帰りましょうか。ウドンゲ、てゐ。姫様をよろしく頼むわね。」


そう言うと永琳は先に行ってしまった。


輝「そしたら行きましょう。二人とも、またよろしく頼むわね。」


鈴&て「はい。(うへえ~;)」


輝夜が駕籠に乗り込んだのを確認して、鈴仙とてゐは、また大汗かきながら石段を下っていった。



~~~~



ところ変わって、再び縁側。


霊「魔理沙、とにかくもう無茶はしないでよね。さっきは心配したんだから。」


魔「ああ、十分に分かっているぜ。ところで霊夢、また夕方ごろここに来ても良いか?」


霊「別に構わないわよ。」


魔「サンキュー。んじゃアリス、帰るか。」


ア「ええ。」


魔理沙が箒に跨がり、アリスもそれに続く。


魔「霊夢に萃香、世話になったな…それじゃあ夕方、また会おうぜ!」


箒が浮上し、一旦後ろへ下がったのち。


まるで弾け飛んだ輪ゴムのように箒は急発進して、あっという間に見えなくなった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ