prologue: 惑星間平和共存協定
人類は、太古の昔から星々を見上げ、そこに何があるのかを探求してきた。
そして――西暦2100年。
日本の研究チームが、ついにある重大な発見を成し遂げる。
それは、地球外の惑星に「知的生命体」が存在するという、科学史上最大の事実だった。
彼らはのちに「惑星人」と呼ばれる。
彗星、金星、火星、木星、土星――数々の惑星でその存在が確認された。
さらに衝撃的だったのは、一部の惑星人が、物語の中の出来事と思われていた「魔法」の力を行使できることだった。
水を操る者。
雷を呼ぶ者。
風を止め、炎を生み出す者――。
地球人は、その力に魅せられた。
最初こそ平和的な接触を試みたものの、一部の勢力は力による支配を選び、
やがて「第一次惑星戦争」へと発展してしまう。
科学技術と魔法が衝突し、激しい戦いが繰り広げられたが、決着はつかなかった。
争いを終わらせるため、地球と惑星の代表者たちは「惑星間平和共存協定」を締結。
それにより、以下のような重要な条項が取り決められた:
・地球人と惑星人は、互いの星を自由に行き来できる
・地球は科学技術を、惑星は魔法の知識を共有する
・攻撃行為は厳禁。違反すれば即座に対抗措置が取られる
この協定のもと、惑星間での交流や貿易が活発になり、世界はかつてない繁栄を迎えた。
だが――どこにでも、秩序を乱す者は現れる。
魔法による犯罪。
それは地球人にとって未知の脅威だった。
通常の警察機構では対応できず、魔法に対抗するための新たな組織の設立が求められることになる。
こうして誕生したのが――「オルビス・コード」。
地球人と惑星人が手を携え、魔法犯罪を取り締まる銀河警察組織である。
そして、協定締結から100年目の記念すべき年。
新たな入隊者たちが、その門を叩こうとしていた。
――後に、「災厄の年」と呼ばれることになるとも知らずに。