表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/12

喧騒の中の廊下&渦巻く控え室

前回の月夜の農村の死闘から、第二試合に移り変わろうとしている、キラーズサクラメント。第二試合はどのような勝負になろうとしているのか。

第一試合の余韻はまだ喉元にあった。飲み物が飲みたくなったので、閻魔様にお茶入れる道具はありませんか?と聞いたところ、外に出たらいいのあるから一緒にどうた。と言われたので、今長い廊下を歩いている。いや喉元にある余韻が原因で長いように思っていた。感想が響き渡るなか閻魔様が声を上げた。

「さぁ、ついだぞ!!これが」

「これこそが、」

「「自販機じゃ!!」」

発言が重なった。どちらも自慢するような声である。目の前には爽やかな青年と太陽の冠を身につけた女神様のような方がいた。

「おぉ、天照大神!!久しぶり。」

「なんだ。閻魔か久しぶりじゃな。」

「天照大神さま、閻魔てあの閻魔さまですか?あの舌を引っこ抜く!!」

「いやいや、わし、引っこ抜く指示を出すだけよ。やってるのは鬼たちだし。」

「そうなんだ!!教えてくれてありがとうございます!!」

この声を聞いて、思い出した。最初にあのミミーの呼びかけに大声で対応していた男だ。確か名前は・・・

「大西政寛だったか?」

「そうだ。俺が大西政寛だ。あんたは名前なんていうの?」

「山田です。」

「山田・・・同郷かぁ!!よろしくな!!」

すこぶる元気なその顔を見ると少し安心してしまうものだった。なんと言えばいいのだろうか少年の笑顔をたっぷりと見ているような気分だ。私は閻魔様におすすめされたお茶を買い控え室に戻った。長く感じた廊下は今度は短く感じた。しかし喧騒だけは変わらず耳に鳴り響いていた。第二試合がそろそろ始まろうとしていた。


ザワザワザワザワ

フィッシュの控え室は神々の響めきと感嘆、不信、などの小声がたっぷりと位置にあった。聞こえるのはキラーズに関するものばかりで正直聞いて、手に余るものばかりである。フィッシュは治療を受けて、左肩を神の力で、ある程度元に戻していた。

グッグッグッ

「やはり、ある程度は違和感がありますね。ヤン・シンハイ・・モンスターキラーと呼ばれるだけはありますね。私の肩にここまでダメージが残るとは、嬉しいような悲しいような。」

肩を上げ下げしながら、フィッシュは自身の体の傷とちょっと前まで死闘を繰り広げた対戦相手を思い浮かべていた。そして彼の最後の言葉と姿も。

『よぉ、フィッシュ、あんたの勝ちだ。谢谢,我很满意。祝贺你』

そんな言葉を残して、彼は燃え消えてしまった。自分は中国語はわからないしかし、あれは感謝の言葉であったことはなんとなくわかっていた。

「彼は死んだのでしょうか。」 

寂しく感じてポツリと独り言をする。

「いいや、死んでないですよ。」

鹿を連れた美しい女神が目の前で独り言の問いを答えていた。

「アルテミス様。聞かれてましたか、少し恥ずかしいですね。それで死んでいないとは?あの時に、彼は目の前で身体中から火を噴き出して消えたのですよ?」

アルテミスはその疑問に優しく微笑みながら一つの問いを投げかけた。

「フィッシュ、貴方はどのようにしてその肉体を得ましたか?」

「どうて、貴方に貫かれた時ですよ。あの白い魂の形になっている時に。」

「あれを正確に説明すると長くなるので簡潔に話しますが、あれは我々神々のイメージと貴方の対する大衆のイメージを混ぜ込んで実体化させたのです。つまりあの体は魂そのもの、この死後の世界で死ねば、それは死ではありません。抹消や消滅に近いですね。それとこんな考えをする者もおります。死後の世界の死後の世界に行ったのだと。すいません結局長いですね。」

「つまり、我が宿敵は消えたと。そうですか。消えてしまったのか・・・ところでアルテミス様ひとついいですか?」

フィッシュは戦いの時と一変して哀愁が漂わせながら、静かに質問をしようしている。

「はい、なんでしょう?」

「中国語、わかりますか?」

それは今は無き宿敵の最後の賛辞を聞きたいことによる質問だった。


第二試合参加キラーズ 

ベーラムの控え室

「あんた、準備はできてるかい?」

青黒い肌に三つの目と四本の腕を持つ女神だ。

「ご安心を準備はできております。このベーラム。貴方様に次の対戦相手を捧げましょう。カーリー様」

「ふふふ、そうか、期待しているぞ。ベーラム」

忠誠か信仰かその控え室からはとても濃密な黒い霧がどっぷりと溜まっていた。


第二試合参加キラーズ ハイルブロンの怪物の控え室

「ブロちゃん。頼んだよ〜我々外なる神に選ばれたエースなんだから。頑張ってね。」

黒い男の神なのだろうか、かなりチャラい感じに声をかけている。

「・・・・・はい。わかりました。」

その黒い男の目線には淡白な返答をする女性が一人いた。

「ブロちゃん、話題のサバサバ系て奴だぁ。キャーーーかっこいい。僕を抱いてぇーー」

「・・・・・・・・」

ベーラムの控室と違い、こちらの控室では吹雪のような凍える空気が広がっていた。


「さぁ、皆さん第二試合がそろそろ始まります!!それでは、まず今回のステージについての説明をさせていただきます。このステージは二人のキラーズのリクエストにお応えして作成しました。一人は1550年〜1853年のデカン高原。一人は1993年〜2008年のドイツ・ハイルブロンをリクエストしました。その結果このような形になりました!!」

パッ

スポットライトが稲妻のように光り輝き出し、その死闘のステージの全貌を明らかにした。

「これがキラーズ・サクラメント第二試合ステージ 時の高原の砦となります。このステージは荒涼とした丘陵に佇む石造りの街。中心にはルネサンス様式の市庁舎がそびえ、壁に刻まれた天文時計が不気味に時を刻む周囲にはデカン高原特有の岩場と要塞跡が広がり、迷路のような路地、崩れた橋、地下通路が潜みます。外れにはネッカー川を思わせる水辺が戦場を囲んでおります!!さて、ステージの説明をさせたいただきました。これより第二試合キラーズの入場です!!」

オォォォ!!

この一声で説明に退屈していた観客は盛り上がった。

「まずは東!!時は18世紀から19世紀初頭場所はインド、すべてはカーリー様のために集まる無法者ども!!その中のリーダー!!931件の事件に関わり、自身の手で125人を絞殺し、150人以上の絞殺を目撃した男、“タギー”ことベーラム・ジェメダー!!」

クルタとチュリダールを着込んだ、褐色肌の男がいた。男の名はベーラム・ジェメダー、彼は濃紺の色のターバンを強く頭に巻いた。

「そして西!!時は2007年!!二人の警察官が何者かにより、銃撃される。現場から出たDNAが複数の場所で発見!!これより、露見した犯人象“顔ない女”ハイルブロンの怪物!!」

黒のライダースーツに黒金の銃身が輝いている、そして一段と目立つのはその顔を包む仮面だ。黒よりも濃い黒のような色である。どちらのキラーズのその気迫に観客の盛り上がりが一気に静まった。


「あれは・・・深淵だ。」

観客の中に一人の男が彼女の仮面を見て震えた。

「あれは、確かニーチェ・・じゃないなか。」

「ほんとだ。ニーチェだ。」

「深淵?」

「„Wer mit Ungeheuern kämpft, mag zusehn, dass er nicht dabei zum Ungeheuer wird. Und wenn du lange in einen Abgrund blickst, blickt der Abgrund auch in dich hinein.“だよ。そしてあの女はまさに怪物だ。」

ニーチェはこの戦いの末路に震えていた。今ここで第二試合 時の高原の砦の戦いの火蓋が落ちルナであった。

第二試合である。時の高原の砦の試合が始まろうとしていた。ニーチェが見た、ハイルブロンの怪物から見える、深淵とはなにか?勝負の行方はどうなるか、次回を楽しみにしてください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ