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婚約者が私をかけての決闘を令嬢と始めてしまった、受けて立たないで2

 アリーシャが入学して半年。

 苦手なりに淑女教育を頑張っているらしい。

 やっと成績も平均をとれるようになったと喜んでいたそんな頃。


 同学年のガーネット伯爵令嬢が決闘を申し込もうとしているという噂。

 よりにもよってアリーシャに。

 いわく「何であんなに平凡な子と!あんなにぼんやりしていたら辺境を守れない!」などと。


 違うんだ。まず平凡じゃない。

 あとぼんやりとして見えるあれは保護色だ。

 狩りをするのに彼女のいつもの威圧をかけたら恐怖で場が大混乱になるから、意図して弱く見せかけているだけだ。

 年々そういったことは上手くなっているが、アリーシャの生来の気質は完全に捕食者だよ。

 狩る側。前髪をあげたらその鋭い目付きは隠せないしかっこいいんだよ…本当。


 友人達と動向を気にしていたが、ついに動いてしまったらしい。

 止めなくては!

 淑女科の庭園にガーネット伯爵令嬢が乗り込もうとしているとの情報に、慌てて婚約者との約束があると淑女科への出入りの許可をもらい庭園に向かう。


 辿り着いたときに、アリーシャとガーネット伯爵令嬢が対峙していた。


「間に合ったか?!」


 息を切らしそう言うと


「間に合いましたよ、ランス。私たちの決闘の内容をちょうど今から決めるところですもの」


 あ、これよくない笑顔だ。ガーネット伯爵令嬢を生かさないと色々まずい。

 このままだと狩られる、一瞬で。


「それでガーネット伯爵令嬢。決闘の内容は受ける側が決める習わしですがよろしいですね?ただその前に私のどこがランスにふさわしくないとお考えで?」


 小首をかしげているけれど目が……捕食者のそれになっていて、頭を抱える。


「あ、貴方なんてただ領地が隣なだけでしょう?鮮やかなブルーの瞳で見目麗しいランスロット様に比べて貴女は…いえ」


 やめろ。生きたいなら無駄口を叩くんじゃない。

 あと私のアーリャはかっこいい。

 どんどん目付きが鋭くなってきているし、じわじわ威圧が出始めている。…友人の手前、かなり頑張って抑えているが。


「淑女科での成績もせいぜい平均程度だと聞いています!それに貴女の領地は馬を育てるしか能がないじゃないですか!」


 馬を育てるしか能がない?クォーツ伯爵家といえば軍馬で有名な領地だろう。

 我が辺境伯領はもちろん王室御用達の軍馬で、クォーツ伯爵家は馬を溺愛している。

 そんな言い方をしたら彼らの誇りを傷付ける。逆鱗に触れるぞ。


「そんな貴女より私のほうが同じ騎士として彼を支えていくことができます!我が家は代々騎士の家系ですから辺境伯をお支えするのに不足はありません!」


 同じ騎士なんてとてもじゃないけど言えないレベルでアリーシャ強いんですけどね…。

 騎士として支えるなんてそれが生きがいのアリーシャの前でそんなことを言ったら…逆鱗に何回触れているんだ。


「ランス。ガーネット伯爵令嬢との婚約をお考え」

「全くそんなことはない!アーリャ以外との婚約などあり得ない!」


 食い気味に答える。

 頼むから決闘はやめてくれないかな?!

 あと本当にアーリャ以外なんて考えられない。

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