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 ランスも私との婚約の継続を希望しているのであれば、徹底的にやりましょう。


「では、決闘の三番勝負は弓、剣術、武器は自由で相手が武器から手を離すか戦闘不能と判断されるまででいきます。…多少の怪我はこの際、大丈夫でしょう?」


 あらあら。ガーネット伯爵令嬢も私の友人も、彼の騎士科の友人までもが固まっていますね。

 ランスだけが心配そうに見つめてくれます。


「…クォーツ伯爵令嬢はこの婚約を望んでいないの?」


 ガーネット伯爵令嬢が睨みをきかせます。


「いいえ?両家としてもですし、私たち当人同士も望んでいる婚約です。場所を騎士科の鍛錬場に移しましょう。皆様はこのままお茶会を続けて?騒がしくして申し訳ございません。」


 そっと友人たちに頭を下げる。

 本当に!台無しなんですけれど。


「いいえ!アリーの決闘に立ち会わせて?応援したいわ」

「私も。アリーを一人にはさせられないわ」


 まぁ!皆様もついてきてくれるなんて嬉しいわ。


「私も…もちろん立ち会うから、アーリャ。悪いが皆も付き合ってくれないか?」


 ランスもご友人に声をかけてくださっています。


 こうして私たちは騎士科の鍛錬場に連れたって行くことになりました。

 弓は三本の合計を競うことにする。

 的中の数が同じであればより中心へ近い方の勝ちとするなどと細部を詰めていきます。


 鍛錬場についたところで動きやすい服への着替えをすすめられましたが、断りました。

 ドレスは淑女の武器だと言いますからね!

 ……まぁ、学院へ通うものなので簡素なつくりではありますがドレスはドレスです。


 弓は鍛錬場にあるものの中から一つお借りしました。

 ガーネット伯爵令嬢は自前の弓のようですが、鍛錬場の弓も中々いい物です。

 先行はガーネット伯爵令嬢です。

 さて、腕前を拝見しましょう。


 弓を引く姿勢は中々いいですね。

 引絞ったところでぴたりと動きが止まります。


 ……長いですね。


 さして風は強くないにしても時間をかけるのですね。

 ここが辺境であれば魔獣にもう何回攻撃されていることやら。


 ちらりとランスたち騎士科の人たちを見ても特に何も言いません。

 焦れったいわと思ったところでやっと一射目。

 的の端の方に的中したようです。


「まぁ」「いきなり当たったわ」

 と友人たちも目を見開いています。

 その声に反応してガーネット伯爵令嬢がこちらを振り返ります。


「弓は得意な方なのです。」

 不敵に微笑んでいますので、少し困ります。


「ねぇ、ランス」

「うん、アーリャ黙って見ていようね。口を挟んでは集中を欠いてしまうこともあるから、ここでは」


 婚約者にそう言われては黙るほかありません。

 大人しくじっとガーネット伯爵令嬢の番が終わるのを待ちます。

 二射目はまた反対のやや端寄り、三射目でやや中央付近でしょうか。


 待ちくたびれたけれど、ついに私の番ですね!


「先程からすっかり大人しくなられましたね!さあ、クォーツ伯爵令嬢の番ですよ」


 婚約者に黙っているよう言われただけなので、気にしません。


「そんなドレスで届きます?なんなら届いたら貴女の勝ちとしてもいいんですよ?」


「いえ、このままで結構です。ルールもそのままでお願いします。それより早く場所を代わってくださいますか?」


 そう答えると睨みつけながら場所を代わってくれます。

 この方はいちいち人を睨む癖でもあるのかしら、困った方ね…。

 早くしないと何か嫌な気配がするのね。


「アーリャ!程々でな?程々で頼む!」


 婚約者から謎のリクエストがきました。

 わかりましたの意味を込めてにっこり微笑んでから構える。


 そして射る。

 二の矢も続けざまに放つ。


 二本の矢は中心を射抜き、同じ穴を通り抜けていく。

 うん、的も壊れていないわ!程々の力加減で上手にできている。


「えぇっ?!」

「はぁ?!」


 ……ガーネット伯爵令嬢とランスのご友人の声ですね、これは。

 黙っているのが騎士科の作法ではないのかしら?

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