第54話・プリシラの変化
ボンドネル夫妻が僕を訪ねて来た日の翌日から、ボンドネル夫婦にはブラストの街を正常に運営して行く為の手伝いをして貰っている。
まあボンドネル夫妻の地元なのだから、街の運営を手伝うのは当然だと思うかも知れないが、今回、僕がこのブラストの街を治めて、街の機能を正常させているのは、偏にアルバ王国の国王から発せられた『王命』だからだ、即ち、このブラストの街は、例え一時期だけの事だとしても、例え飛び地だと言う事でも、どの様な形となろうとも、アルバ王国の国王が『この地はアルバ王国の領土である!』と宣言したと言う事なのだ、
従って、例え前職がブラストの街有力な商家の家長で、しかもブラストの街を管理運営していた理事会の議長で、ついでに言えば、例え貿易都市国家フロトの前理事長で、フロトの政治的政ごとに携わっていた人物だとしても、僕がアルバ王国国王の名代としてブラストの街を統括管理している以上、フロト関係者の主導で、ブラストの街を治める事は絶対に認める訳には行かないのだった。
まあその辺に関しては、ボンドネル自身も弁えている様で、僕が聞いた事以上の口出しは決してしようとはしなかった。
その代わりと言ってはなんだが、プリシラの心的治療に関して『月』の00号からも協力を得て、僕の固有スキルである『thousand swords』で召喚している機械人形達の待機場所と言うか?格納庫代わりに使っている亜空間に、ムツハとヒチハの二人に命じて全力でプリシラ専用の治療病棟を構築させて、その空間にだけ時間加速作用の効果を付与させる事で、一日に数時間ほど亜空間内で継続的に心的治療を効果的に施す事が可能となり、時間が掛かる心的治療を継続して受ける事が出来る体制を確立していた。
ボンドネルからの適切な助言と、その妻エリザベーテの奥様情報網が功を奏して、思って居た程にはブラストの街の住人達からの反発も無く、あの男が引き起こした事件が発生する以前の状態、いや、それよりも更に良い状態でブラストの街が活気を取り戻した頃、アルバ王国の首都トロから、アルバ王国国王自身が、その玉体を3万の軍勢に警護させながら、ブラストの街に遠征して来た。
それは、あの男とあの男の悪事に加担した者達に対して、その罪を明確に宣言した上で、その罪に対する処罰を国王自らが貿易都市国家フロト全土に告げる為なのと、その場に呼び付けている元貿易都市国家フロトの理事及び理事長と、フロトの地方都市を統括管理していた商人達に、これからはアルバ王国の属国としてではあるが、貿易都市国家フロトの最高理事会に属している面々に、フロトの自治権が有ると思って勘違いして居る者達に対して、
今後、お前達がフロトの政治に関する政ごとに関わる事は無いんだぞ! これからのフロトはアルバ王国の一部として、アルバ王国の王族が政ごとを決定するぞ!と宣言しに来たのだった。
この時点で、ジンがプリシラ達をあの旧坑道跡地から救出して、約1か月の月日が経過しようとしていた。
プリシラの、亜空間を利用した『時間加速治療』が始まって4日目、時間加速治療の累積治療時間では、約1年が経過した頃、プリシラに変化が少し現れた。
これまで、ムツハの指示通りにプリシラが休んでいるベッドの横の椅子に座り、プリシラに対して色々と話し掛けていたジン、その時もジンのスケジュールの都合で一旦プリシラ専用の治療病棟から退室する必要があり
「やあプリシラ、今日の調子はどうかな?
おっ! プリシラの顔色を見る限りだと、今日は昨日と比べて調子は良さそうだね♪(=゜ω゜)ノ
僕は相変わらずスケジュールに追われて忙しいよ、まあこの後もスケジュールの関係上、プリシラの顔を見に来れない日が続くけど、来週には、また顔を見せにくるからね♪」と話し掛けた際、プリシラの表情に変化が有った気がした。
それ以降、少しづつだが、僕がプリシラに話し掛けると、プリシラの表情に変化が現れる様になり、現実世界では10日目、時間加速治療の累積治療時間では、約2年が経過し、3年目を迎えようとした頃には、プリシラの病室に僕が訪れると、はっきりと表情に『笑顔』が現れる程には、プリシラの病状も回復して来ており、介護士役の介護専門に調整したアンドロイドに付き添われてではあるが、プリシラ専用の治療病棟を亜空間内に作る際に併設して作っていた。
僕の秘密基地まで、自分の脚で歩いて顔を出しに来れる様にもなった。
そして、この頃のプリシラには、身体の方にも変化が出始めており、身長もこの亜空間で治療を開始した時よりも7㎝ほど伸び、体型も女性らしい体型へと変化しつつあった。
まあそれもそうだろう。
ボンドネルからプリシラの年齢を聞くまで、僕達はプリシラを『10歳前後の少女』だと思っていたけれども、保護した当時は12歳で、プリシラが亜空間で過ごした累積経過時間は3年目を迎えようとしていた。
15歳ともなれば、平均的な獣人族の子供達は、一気に身体の成長が加速的し始める頃でもあった。
それはもう劇的な変化で、物凄い勢いで、美少女から美しい大人の女性へと変身しつつあった。:(;゛゜''ω゜''):
そして、現実世界では20日目、時間加速治療の累積治療時間では、約7年が経過した頃には、プリシラの肉体年齢は19歳となり、完全にとまでは言えないが、日常会話には問題が無い程には回復して来た。
そして、この頃からプリシラの『ジンのお嫁さんになる!』宣言が、プリシラの口から出て来る様にもなった。
僕が亜空間に作った秘密基地で、現実世界から持ち込んでいた書類関係の仕事を処理していると、病棟の方からプリシラが一人で訪れて来た。
この頃になると、亜空間内に作った『プリシラ専用の治療病棟』を含む、広大な敷地の中を、プリシラは特に問題も無く、一人で散策出来るまでには回復して来てはいたが、未だに『僕以外の人族』とコミュニケーションを取ろうとすると、特に男性に対してなのだが、当時の辛い記憶がフラッシュバックしてしまい、パニック状態に陥り、酷い場合にはプリシラ自身の心の中で感情が制御出来なく成ってしまい、失神して数日間寝込む事になってしまう事もあった。
そして、プリシラが失神して数日間寝込む事になった原因でもあるボンドネルは、またも施設を破壊して暴れ出そうとした為、ムツハが持つ『ヒチハ特製、2万ボルトまで対応電磁パラライザー』で制圧され、罰としてムツハのアレな生体実験の実験対象者として連行されてた。
その際に、
「儂には、ブラストの街に関わる大切な案件を処理しているジン様のサポートをする仕事が有るので、残念ながらムツハ殿の実験に参加している時間が無いんだ~!」と抵抗して見せていたが、
「大丈夫ですボンドネルさん、ココはジン様の亜空間の中です。
ボンドネルさんが私の為に『人体実験』の被験者と成って頂く為の時間は、沢山有りますから♪」と返されてしまい、ボンドネルは涙目で笑顔のムツハにドナドナされてた。
そんな事もあり、男性恐怖症に成ってしまっているプリシラの治療の為に、ムツハからの『プリシラさんを甘やかしてあげてください。』との依頼を聞き入れていたら、僕に対してだけ物凄く甘えて来るプリシラが爆誕してしまった。
特に、育ち過ぎる程に育った身体で、僕に対してスキンシップを求めて来るプリシラは、現実世界では30日ほどしか経過してないが、亜空間内での治療を開始して約10年の月日を経たプリシラの肉体年齢は、22歳を超えており、油が乗り切った大人の女性へと完全に変貌を遂げていたので、
プリシラからしてみれば『軽いスキンシップ』だとしても、僕にとっては我慢する事が困難になるほどの『魅惑的誘惑』だった。
そのプリシラの『魅惑的誘惑』を耐えきった僕を、偉いと称えて欲しかった。
まあその分、ヒルドを筆頭にして、うちの女性陣に対して色々とねぇ~
その効果か?どうか?は分からないが、うちの女性陣達からプリシラに対する『悪意が籠った感情』を一切感じる事は無く、逆に、プリシラが他人とのコミュニケーションが上手く取れる様に成って来た時点で、彼女達の方から積極的にプリシラに接触してコミュニケーションを図って居た様な気もする。




