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 第44話・シオンの姉達が手伝いに来てくれたので

 


 この『月の00号(ママ)』が準備してくれたコマンダースーツ、無茶苦茶調子が良い!


 正直な話し、前世の世界の僕はこのタイプのバトルスーツには装着し慣れていた。


 と言うのも、前世の僕の仕事では、バトルスーツを装備して戦う事が多かったし、同時に多くのバトルロイド達と行動を共にして、色々な任務を熟していた。


 そんな事を思い出しながら真っ暗な坑道の中を進んでいたが、実際にヘルムのシールドに映し出されている光景は昼間の様にハッキリと見えるし、先行して僕に坑道内の状況を逐一知らせてくれている『soldier / (ソルジャー)(テン)』に指示を出すにしても、ヘルムに仕込んである装置で僕の思考を読み取って指示を出してくれるので、実際には『soldier / (ソルジャー)(テン)』にして欲しい行動を頭で考えると、その僕の思考をヘルムが読み取り、『soldier / (ソルジャー)(テン)』にさせたい行動を、音声とヘルムのシールドに映し出されているディスプレイで確認してくれるので、後は音声でGOサインを出せば良いだけなのだ、後は『soldier / (ソルジャー)(テン)』が僕の思った通りに動いてくれる。



 坑道内の各所で、泥酔状態に陥って無抵抗な山賊達の捕縛はセバスに任せて、僕は四肢を切断されて自由を奪われ、坑道の奥に拘束されている人達の救出に向かった。




 山賊達に攫われ拘束されていた10名は、酷く衰弱しており、中には瀕死の状態の人も数名いたが、要救護者1人に対して5体の『soldier/Ⅹ』で対応させ、先ずは全員を担架に乗せて坑道前の広場に運び出したのだが、そこには僕の知らない10人のメイドさん達達が待ち構えていた。


「貴方が、シオンとセバスの主人でジンって言う人間かしら?」と、突然高飛車な態度で話し掛けられたから、取り敢えず面倒くさいので無視する事にして、『soldier/Ⅹ』達に指示を出してその場で全員にセバス特性の医療用ナノマシンが入った水を飲んで貰い、全員のバイタル管理と、切断された傷口が壊死し始めていたり感染症を引き起こしている人もいたので、その治療を始める段取りに取り掛かった。


「ちょっと無視しないで! 私はママに言われて貴方を手伝いに来たシオンの姉なのよ!」


「そうですか? 例え『月』の00号(ママ)から派遣されて来たシオンの姉だとしても、初対面の相手に対して高飛車で高圧的な態度に出て来る相手は無視する事にしていますし、この状況下では貴女に対応している時間よりも、瀕死の人の対応を取るのが先ですから」


「ごめんなさい! 初対面の人と話をする際には『最初の対応が大切だ』と、私が見守っているマスターの父親が口癖の様に言っていたから、マスターの父親の口調を真似てみたの・・・ 私、この世界の人と話すのが今回が初めてなの・・・ ママにもシオンにも、君の手助けをお願いされて来たの、だから私達の事を無視しないで!」と、急に弱気に成って懇願して来たかと思ったら、目の前のシオンの姉だと言っていたメイドさんは思いっきり涙目に成っていた。


 まあ僕自身、この場で『soldier/Ⅹ』に救助した人達の治療や、傷口の処置をさせるのは難しいだろう?とは思って居たので、正直な話し、彼女達の応援の申し出はとても嬉しかったので、


「分かりました。取り敢えずけが人への対応をお願いしても大丈夫ですか?」


「任せてくれるの?」


「はい、お願いします。」


「了解したわっ♪ さあ妹達、この人達の治療を開始しますわよ!」と残りの9人のメイドさん達に色々と指示をだした後、シオンの姉だと言っていたメイドさんは、幼い少女の治療に専念し始めた。



 彼女達が動き始めたのを見て、正直な所ホッと一安心している。


 だって、普通に考えて、手甲をしたままで医療行為をするのはチョット難しい上に、『soldier/Ⅹ』にはそれほど医療知識は備わっていないから、全て僕が指示を出さないとダメなのだが、当の僕にもそれほど医療知識が備わっている訳でも無かったからだ、だから少女の治療を始めたシオンの姉だと言うメイドさんの所に行き、


「お願いしますね」と言うと、


「お姉さんに任せておきなさい♪」と力強く頷きながら笑う顔は、本当に頼りになる『姉』の顔をしていた。



 山賊達に束縛されていた人達の治療をしながら、色々と事情を聴いていたのだが、もんでもない事実が判明した。


 この山賊達は、僕達が行こうとしていた街に所属している冒険者達で、この山賊達のリーダーが街を統括している領主の次男で、この山賊行為は、ワイバーンやリザードマン達から襲撃を受けた事を良い事に、街の領主が『ワイバーンやリザードマン達から襲撃を受けた』様に偽装して、街を通過するキャラバンを自分の次男と冒険者達を使って、略奪を指示したものだったのだ、そんな事とは知らずにポプラとラムネを街の冒険者ギルドに応援を頼みに行かせてしまった事に、物凄い焦りを感じていると、



「ジン様、ポプラ様とラムネ様は、早ければ今頃は街に到着している頃かと思われます。私が、今から街まで行ってお二人の安全を確保して参ります。」とセバスが言うと、セバスの前に何やら乗り物らしき物が現れた。


「セバス、コレは?」


「おや?ジン様、ジン様はエアバイクはご存じ有りませんでしたか?」


「いや、僕が知っているエアバイクはもう少し小さい物だったと記憶してたから・・・」


「これは、高機動強襲型ですから、サイズ的にはこの大きさに成ってしまいます。 この高機動強襲型ですと街までは5分と掛からずに到着します。」


「じゃあ僕も街に・・・」


「誠に残念ですが、この機体にジン様が乗られますと、ジン様のお身体は加速時のGに耐え切れずに、それはもう無残なお姿に成ってしまいます。」


「えっ! じゃあセバスは大丈夫なの?」


「ジン様、ジン様に私の心配をして頂いて誠に嬉しいのですが、私のボディが特別製なのをお忘れでは無いですか? ご心配無く、小一時間ほどでポプラ様とラムネ様をお連れします。」と言いながら、セバスは高機動強襲型のエアバイクに乗り込み、エアバイクを上空に浮かせたと思うと、次の瞬間には物凄い爆音を立てて飛んで行き、更に遠くで爆音が響いた事から、音速を突破して飛んで行ったので有ろう事は容易に想像する事が出来た。



 そして僕は、シオンの姉に救助した人達の事を頼んでその場を後にすると、坑道前の広場に太い杭を突き刺して、その杭に手首と足首を縛った山賊達を拘束している所まで行くと、高ランクであろう冒険者が縛られた手足を開放しようと藻掻いている所に出くわしたが、今回、山賊達を拘束する目的でセバスに頼んでナノマシンで作って貰った拘束具は、以前の世界では()()()()()()()または()()()()()と呼ばれていた物で、前世の世界で僕が治安維持活動に従事していた際には良くお世話に成っていた物だ、しかも今回セバスに頼んで作って貰った結束バンドの強度は、『soldier/Ⅹ』でも引き千切れなければ、2000℃のバーナーでも焼き切れない優れモノなので、例えAランク冒険者だとしても引き千切るのは無理だろう。


 この山賊達を大人しくさせるには、もう一度笑気ガスを嗅がせて静かにさせるのが一番なのだろうが、僕の心情的には、山賊達を大人しくさせるのに笑気ガスを使うのは、この山賊達が今味わっている苦痛を、笑気ガスを使って和らげてやる事に成るので嫌だった。


 あの山賊達に囚われて居た人達は、どんなに痛かろうが、苦しかろうが、山賊達からの治療は一切も無く、更にそれ以上の苦しめや慮辱を受けた痕の有った人も居たからだった。


 


 そして、その思いは翌日大爆発するのだった。


 何故かって? 


 セバスが、間一髪で連れて帰って来てくれたポプラとラムネから、街での出来事を聞いたからだった。







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