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 第40話・ジンの冒険の始まりの日

 この40話目で、やっとジンの本当の意味での冒険が始まります。


 ここまでたどり着くのに結構な時間を掛けてしまいました。

各登場人物が、何故か?私が最初に設定していた動きとは違う動きをし始めたり、初期設定の性格とは違う言動したりと、色々と考えていた内容から大きく逸脱した為、大幅に修正して行った結果、本編に突入するのに結構な時間が掛かってしまいました。

 まあ、私がこの物語の内容を纏めるのが下手だからなんでしょうが・・・(汗


 今後も、ジンの冒険がたどり着く先を見守って頂ければ幸いです。


 by.八葉 門希



 


 出発当日の朝、



「ジン様、お客様の準備が整った様で、もう少ししましたらキャラバン隊が出発する合図が出る様です。 

 私達の馬車はこのキャラバン隊の隊長の馬車の後、二番手を行く事に成っています。」


「ありがとうセバス、でも本当に良かったの? 僕としてはセバスが色々と雑務を(こな)してくれるから助かるけど」


「元々、私達は()の手助けをする為に作られた存在でございます。

 それが、ただ亜空間で呼ばれるのを待っているだけだと言うのは・・・ 私は、ジン様を直接サポートする為に作られた存在でございます。

 ですから、何なりとお申し付けください。」


「ありがとうセバス、じゃあ僕達の馬車の御者役、お願いね!」


「ㇵッ! ジン様、この旅の間は安心してこのセバスに万事お任せください。」




 この会話からでも分かる様に、メトのギルド本部地下に在る疑似闘技場で、自分勝手な思惑でジンを良い様に扱き使い利益を上げようとしていたメルクに対して、キツイお灸を据えたあの日以来、セバスが僕の執事として傍に付いてくれる事となった。


 セバスから、今後はお傍で働かせて欲しいと頼まれた時は、正直に言って嬉しかった。


 だって、今の僕の周りの環境はハッキリと言って女性ばかりが集まってて、男性は僕一人だったので、少々肩身の狭い思いをしていたのだが、今回のセバスの加入は僕にとっては大歓迎な事で、先ずは『月』に居る00号(ママ)に『今回、セバスと名付けた機械人形を、僕専用の執事として傍に置きたい』と相談した所、


「何を言っているのですか? 私はそのつもりで今回の機械人形を作った・・・ いえ、もうセバスと言う名前をジン殿が()()()()ましたね・・・ 私は、今回ジン殿の冒険をサポートさせる為にセバスを誕生させました。

 今後、ジン殿が出会う冒険に、是非セバスも一緒にお連れ下さい。」と言われ、今後の僕が出会う冒険に、セバスが一緒に同道する事を許可して貰った。




 今後、セバスが僕達の旅に同行する事を女性陣に報告した所、


「私は、この旅が終わったら、基本的にはアルバ王国の首都であるトロのギルド本部の仕事をしながら、皆の帰りを待つ事に成ると思いますが、私の代わりにこのクラウンの実質的な業務を受け持ってくれる存在が居ると言う事は、私にとっても都合が良い上に、色々と便りにもなりそうなので大賛成です。

 セバスさん、これから私の代わりに旦那様の面倒をみてやって下さいね、宜しくお願いしますね」


「ポプラ様、有難きお言葉、感謝いたします。」


「セバスさん、私に対して堅苦しい言葉遣いは無用でお願いしますね、本当に肩が凝ってしまいますら」とポプラが笑って言うと、


「ではポプラ嬢、このぐらいの肩の力を抜いた感じではどうだろうか?」


「そうですね、そのぐらいで私には丁度良いです。」と可愛く頷いた。



 そんな訳で、人族の女性陣達の実質的リーダーであるポプラが、セバスを認めてくれたし、他の女性陣からもセバスを執事として僕の傍らに就く事に関しては、反対するような声は上がらなかったが、その後、ラムネがセバスに対して、戦闘訓練をせがむ姿が良く見かけられる事には成ったが・・・(汗



 そしてヒルドだが、


「何じゃ? 旦那様の従者がもう一人増えたのか? 旦那様の事、頼んだぞ!」


「ハッ、奥様! このセバス、奥様の命、()かと承りましてございます。」


「うん、頼んだぞ!」


 このやり取りだけで終わってしまった。




 そして、同郷の仲間であるシオンはと言うと、


「セバスが来てくれて助かりました。

 私だけではお嬢様達のお相手を含めて、旦那様のお世話や雑務を熟すのは少々大変でしたから」との事だったが、僕から見てもシオンが大変そうには一切見えなかった。


 逆に余裕で、淡々と熟していた様にも見えたが・・・ 


 まあセバスが来て以来、5歳児の幼女姿に成ったヒルドが、上機嫌でシオンの膝に抱かれている事が増えたから良しとしよう。




 その後のセバスの活躍は本当に助かった。


 今回のキャラバン隊を狙った山賊達が出て来た時なんて・・・ 




「ジン様、前方約600の距離に人の集団の反応が有り、山賊や野盗達の可能性が有りますが、如何いたしましょう?」と、セバスが御者台から後ろを振り返り報告して来た。


「取り敢えず、一度キャラバン隊の進行を止めて、現場の確認かな?」


「分かりました。」


 セバスは、僕達が乗っている馬車に赤い旗を(かか)げ、キャラバン隊の各荷馬車に対し停止の指示を出すと、自分も馬車をゆっくりと余裕を持って停車させ、馬の手綱をシオンへと渡すと、先頭を進行していたこのキャラバン隊の隊長の馬車に歩み寄り、この先で山賊若しくは野盗達からの襲撃の可能性が有る事を伝え、この先は僕達の馬車が先頭を進み、安全の有無の確認と万が一にも山賊若しくは野盗達からの襲撃が有った場合は、僕達が対応する事を伝えてから馬車に戻って来た。

 



「ジン様、キャラバン隊の隊長には、私の索敵スキルでこの先に不審な集団が待機している事と、この先は私達の馬車が先行して、前方に潜んでいる賊の思惑に対応する事を伝えて来ました。」


「ありがとうセバス、では僕達の馬車を先頭に出そうか?」


「承知致しました。ジン様」と言ってシオンから手綱を受け取ると、キャラバン隊からは少し距離を取って馬車を進め始めた。


 暫く進むと、案の定、街道の道は数本の丸太を使って封鎖されていたので、その手前で馬車を停車させると、如何にも『私は山賊です。』と言う様な風体の男達が、手には剣や斧や鉈を持ってニヤニヤと笑いながら、約20人ほどだろうか?森の中からゾロゾロと姿を顕した。



 そして、その集団の先頭を歩いていた男が、僕達の馬車の前に来ると、


「おい、お前達! ここを通りたかったら、それ相応の通行料を払って貰わないと、俺達が困るんだよな~♪」と大きな声を張り上げて言う。


「通行料ですか?」


「ああそうだ通行料だ」


「貴方は、一体幾らの通行料を私達にお求めですか?」とシオンに手綱を手渡したセバスが、馬車から降りて僕達に話し掛けて来た山賊らしき男の前に立って聞く、


「最近、この街道もワイバーンの襲来やら、リザードマン達の出現で、俺達の稼ぎも少なくてよ! こうして他所の同業者とも仲良く仕事を分け合って仕事をしないといけなく成ってしまってよ~ そうだな・・・   通行料は、お前達の命と荷物全部だ~! 女は少しだけココを通るのが遅くなるが、間違いなくあの世に送ってやるから心配するなよ!」と言って、抜身の剣でセバスに切り掛かったが、セバスは抜いた事も分からない速さで仕込み杖を抜刀すると、その男の肩口が腕を切り落としていた。



 セバスが、余りにも素早く山賊の男の腕を肩口から切り落としたものだから、切られた男の方も一瞬何が起こったのかが理解出来なかった様で、地面にポトリと落ちた自分の腕と、肩口から吹き出る自身の血を見て、自分が目の前の老人に何をされたのか理解したのだろう男は、大きな絶叫を挙げながら地面を転がり回り始めた。



 それを合図とするかの様に、山賊達が一斉に動き始めたが、僕達が乗る馬車の周囲に無数の魔法陣が浮かぶと、次の瞬間にはその場に居た山賊達と、木の上から僕達を狙っていた弓使いが、肩口から腕を切り飛ばされた男と同様に、呻き声を挙げながら地面の上を転げ回っていた。


 一瞬、ラタニーが魔法で援護したのか?と思い、ラタニーの方を見たが、ラタニーは目を丸くして自分の顔の前で『私じゃ無いニャ!』と言う風に手を横に振っていたし、気付いたらさっきまでセバスが来ていたハズのコートと燕尾服の上着が消えている。


 まあ山賊達の返り血で上着やコートが汚れるのが嫌で、空間魔法で収納でもしたのだろうと思ったが、よく考えてみると、姿形は人間の老紳士に見えるが、セバスは『月』が作った特別製のアンドロイドだ、そのアンドロイドが魔法を使えるのだろうか?と思っていると、今度は空間収納魔法で燕尾服を取り出すと身に纏い、更にはコートと帽子まで取り出して身に着けると、つかつかと歩いて並べられた丸太の前まで歩いたかと思うと、軽くつま先でチョンチョンと突いたかと思うと、その丸太が一瞬で消えてしまった。


 

 そのままセバスは馬車の御者台に戻ると、シオンから馬の手綱を受け取って、再び何事も無かった様に馬車を進め始めたのだった。



 そんなセバスの姿を、ヒルドとシオン以外の僕達は驚きの眼差しで見ていたが、ああ、あのペコでさえ、大きな口をあんぐりと開けてセバスの後ろ姿を凝視していたよ! そして時々だがペコって人間臭い仕草を時々するんだよな~! と思いながら僕は横に座っているヒルドの膝に抱かれていたペコを見てた。





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