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 第36話・ラムネさんは肉食系戦闘狂兎

 

 メトに滞在して4日目


 ヒルド以外の女性陣達は、昨夜行ったスパの効果に大満足だった様で、今朝の朝食時は目が居たくなるほどに華やかだったが、


「ジン、今日の予定は何かあるのかな?」と、食後のお茶を楽しんでいた僕にラムネが話し掛けて来たので、


「う~ん・・・ 今日はコレと言って予定は無いですね」


「それは良かった。 メトのギルド本部の地下訓練場にも、トロのギルド本部の地下にある疑似闘技場が有ってな、実は今日1日『Bランク冒険者のウォーリアバニー』の名で貸切っているのだが、どうだ今日は一緒に対人格闘の訓練をしないか? 今回受けた依頼もリザードマンが出て来ると言う話しだったが、ジンはリザードマンとの戦闘経験はどのくらい有るんだい?」


「いえ、まだ一度も無いですし、トロの地下ダンジョンも地下30階層に到着したばかりだったので・・・」


「えっ!? ジンは、まだ地下30階層に入ったばかりだったのか? ソロでトロの地下ダンジョンを攻略しているDランク冒険者だと言う事は知っていたが、てっきり『Cランク昇格間近のDなんだろうな』的に思って居たし、バーサーカー状態に入ったバーニャの暴走を止めたという実力からしても、首都トロ周辺での討伐依頼も受ける事も有んじゃ無いかな?と思っていたし、その際には水辺近くでの依頼、特に北部の湿地帯での依頼なんかを受けていると、多少はリザードマンとも出くわす事も有ったんじゃあ無いのかな?的には思ってたんだが・・・」


「ああ、ラムネさんは、先日のトロのギルド本部地下の疑似闘技場で体験した僕の『固有スキル込み』の戦闘能力を体験して、僕の実力を評価してくれているんだと思うけど、実は、この固有スキル『thousand swords』が使える様になったのも、つい最近の事で、バーサーカー状態に陥ったバーニャと戦った後に覚醒したんだ、だからトロの地下ダンジョンしか体験した事は無いし、魔物との戦闘もゴブリンとコボルトと、つい先日に地下30階層でオークと戦ったぐらいかな? それに、トロ以外で冒険者として活動するのも今回が初めてなら、指名依頼を受けるのも今回が初めてですし」


「えっ!? トロの地下ダンジョン以外での活動は初めてだったのかい? それに、固有スキルが覚醒したばかりなのに、あの『光の戦士』を模擬戦で簡単にポリゴン姿にしたのか? 信じられん・・・ まあそれが君の個人スキルの能力でだとしても、凄まじい能力だと思うけど、それが覚醒したばかりのスキルの力だったとは思ってもいなかったよ」


「ええ、ですので戦闘訓練のお誘いは、正直嬉しいです。 まあラムネさんの目的は『thousand swords』で呼び出した兵士達との戦闘だと言う事は分かってますが、その前に僕に対人戦のレクチャーをして頂けるなら、喜んで戦闘訓練に参加させて頂きますよ♪」


「旦那様、もし宜しければ私もその戦闘訓練に参加してみたいのですが?」


「シオンも参加したいの?」


「はい、ダメでしょうか?」


「いや、冒険者に登録していないシオンが模擬戦闘場を使えるのかな?って思っただけで・・・ まあジェス兄さんに頼んだら大丈夫かな? 取り敢えず後でメイヤーさんにでも聞いてみるとして、他の皆はどうする?」


「私はメトのギルド本部で、海洋都市ダブの情報をもう少し集めて、その後は旦那様の訓練でも見学させて頂きます。」とポプラは僕達に付き合ってメトのギルド本部に来る様だ、


「今日は、ちょっと用事があるニャ~ アルバ王国の宮廷魔導士として、メトの魔法学園に行って来ないとダメなんだニャ~」とラタニーは言っているが、他人より知識欲の強いラタニーの事だ、アルバ王国の宮廷魔導士としてでは無く、ラタニー個人としても、今日はメトの魔法学園を探検して来たいのだろう。


「・・・(一緒に、訓練、する!)」とバーニャが、意気込んだ視線で僕を見ている。


 バーニャも暴走したあの日以来、自分もラムネの様に鬼神化スキルをコントロール出来る様になって、次のステップに上りたいと思って試行錯誤している様なので、僕と一緒にラムネの戦闘訓練を受ける事で、何かを掴む事が出来ないか?とでも考えたのだろう。


 まあ疑似闘技場なら、いざと成れば僕の『thousand swords』で兵士を召喚して、強引にでもバーニャの鬼神化を解除する事が出来るだろうから、それだけでもバーニャが安心して鬼神化の練習が出来るだろうし、今回はラムネも居る。


 そして、後はヒルドなのだが・・・ 


 今朝のヒルドは、5歳児の幼女姿で膝の上にペコを乗せてニッコニコで朝食を頬張って食べており、朝一番でメイヤーさんに連れて来られたペコを受け取った途端、大人バージョンから5歳児の幼女姿になったと思ったら、思いっきりペコに頬擦りして抱きしめてる程に喜んでいたし、頬擦りされているペコも満更でも無い様子だし、昨夜のヒルドは、久しぶりに二人っきりだった事も有り、かなり積極的に責めて来るので、僕も色々と満足する事が出来たけど、ヒルドを満足させる為に僕も頑張った。


 それもかなり頑張った。(大事な事なので二回言いました!)


 そんな訳で、多分だけど、()()()()()で疲れたであろうヒルドは、今日一日ベッドでペコを抱きしめながらゴロゴロして過ごすのではないか?と思う。


 そうそう! 昨夜ヒルドがポプラに『妾がそのスパのマッサージとやらを受けて満足して、妾の気が緩んだ際に、もし妾本来の姿に戻ったらどうするつもりじゃ?』と言っていたが、ヒルドが満足してぐったりとベッドの上で幸せそうな顔をしていた時でも、そんな様子は無かったので、この宿に宿泊している間にヒルドにもスパを進めてみようと思うかな♪




「ほら!ほら!ほら~! 甘い、甘いぞ~! ジン! お前の敵は、お前の動きが鈍れば鈍る程に、お前の隙を狙って攻撃して来るんだぞ~! そうだ! 苦しくても動け、動けなくなっても足を止めるな! 足が止まったら、ほら! お前の敵は、お前を仕留める為にこんな(ふう)に、お前の脚なんか簡単に切り飛ばすぞ! 脚を切り飛ばされたお前なんか、ほれ! こんな簡単に止めを刺されるんだぞ!」と、教官役のラムネに首を飛ばされた僕は、ポリゴン姿になって場外に転送されてしまった。


「やはりランクが2ランクも違うと、子供がゴブリンを相手に戦っていると言うよりも、赤子がゴブリンに襲われているって感じだよな~」


「ええ、冒険者のランク差は、個人差も有りますが、1ランク違うと・・・ そうですね、例えばですがDランクにステップアップしたばかりの冒険者と、Cランクにステップアップしたばかりの冒険者が、同時ににリザードマンの討伐を開始したとします。 Cランク冒険者は勿論一人でリザードマンを討伐する事が出来ますが、旦那様は、Dランク冒険者がリザードマンを討伐するのに、一体何人のDランク冒険者でリザードマンと戦う必要が有ると思いますか?」


「最低でも4人、無傷でリザードマンを討伐しようと思ったら6~7人かな?」


「そうですね、単純に戦果を挙げようと思えば、4人でも大丈夫ですが、やはり無傷でリザードマンを討伐しようとしたら6人編成のパーティーが望ましいですね、では、Bランクに昇格したばかりの冒険者が一人で討伐するノーマルタイプのミノタリウスを、Dランク冒険者達が討伐しようとするなら、6人編成のパーティーを組んだDランク冒険者が何組必要だと思いますか?」


「そうだな~ 攻撃と防御とヒーリングのローテーションを考えて4組かな?」


「旦那様が言う様に、ノーマルタイプのミノタリウスを討伐するのに4組のDランク冒険者達が必要となるなら、Dランク冒険者がBランク冒険者と同等に戦おうと思ったら、単純に考えても24人のDランク冒険者達の集団で無いと勝てないと言う事に成りますよね? それにラムネさんはAランクにステップアップ直前の冒険者ですから・・・ 」


「あれ? もしかして今のラムネさんって、ランクアップ直前の壁にぶち当たっている状態とかかな?」


「ええ、今の彼女は、Aランク冒険者にランクアップする必須条件でも有る『地下50階層の階層主の単独討伐』には成功していません、これまでにギルド総長様の立ち合いの下で地下59階層の奥に鎮座しているメタルゴーレムに3度挑戦していますが、3度とも、最後はギルド総長様がメタルゴーレムを討伐されてステップアップチャレンジは成功していません・・・ 

 もしかしてですが、ギルド総長様がラムネさんを旦那様に逢わせたのも、ランクアップの壁にぶち当たって悩んでいるラムネさんが、少しでも壁を超える何か?を得る為では無かったのだろうか?と、我武者羅に戦闘訓練を熟しているラムネさんを見ていると思ってしまいます。」


「そうだったんだ・・・ じゃあジェス兄さんの期待にちょっとでも応えないとね♪」と言いながら、僕は疑似闘技場内に個人スキル『thousand swords』で5体の兵士を呼び出して、ラムネに向けてサムズアップしながら笑顔で笑ってみせると、ラムネは僕以上の笑顔で嗤って、両手に特別製の刃渡り37Cmもある思い剣鉈を構えると、僕に向かって頷いて、本気バトルの開始の合図を送って来た。








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