第35話・宿のスパと、久しぶりに大人バージョンなヒルド
ちょっとだけ何時もの時間よりも早めに投稿します。:(;゛゜''ω゜''):
この、貿易都市国家フロトの首都であるメトに滞在して三日目、僕達は『商売と旅の神』であるメルクから頼まれていた『ワイバーンやリザードマン達への説得』をする為に、とある商人が組んだキャラバン隊の護衛任務を受ける事にして、その出発準備をしていた。
まあ出発準備だと言っても、実際は市場や商店街を歩き回って、色々と買い食いを楽しんでいるだけの気もするが、実は今回、ヒルドの親父さんで黒竜王でもある『三つ首竜』さんが、あっ!三つ首竜って呼び方は、僕が勝手にそう呼んでいるだけで、ヒルド父さんの本当の名前は僕も知りません。
「だったら儂が『黒竜王の威』を発して、貿易都市国家フロトの各街道で商人達のキャラバン隊を襲うのは程々にしろとでも言っておくかのう?」と言っていたけど、その効果が有ったのか?ここ最近ではキャラバン隊がワイバーン達に襲われる事は減って来ていたのだが、今回、メトの冒険者ギルド本部で僕達が護衛任務の説明を受けた際に、キャラバン隊が使用するルートはフロトの西北に在る海洋都市『ダブ』と言う街から、フロトの首都であるメトまでの往復ルートで、特にメトに向かって帰る帰路でワイバーンやリザードマン達に襲撃される事が多いのだと説明を受けていた僕達は、ヒルド父さんの『黒竜王の威』が届いてなかったのか?と不思議に思い、この護衛任務の依頼を受ける事にしたのだった。
そういう事で、4日後にメトの北西へ延びる街道に続く城壁の北門から、今回の依頼主が率いるキャラバン隊が海洋都市『ダブ』へと向けて出発する事が決まり、僕達はそれに合わせて城壁の北門で日の出前に合流する事に成っている。
そんな訳で僕達は必要な物資を調達する為と、海洋都市『ダブ』の情報を少しでも集めておこうと出掛けて来たのだが・・・
「旦那様、この服はどうじゃ?」と、ポプラに勧められた服に着替えて更衣室から出て来ると、僕の目の前でクルリと回って魅せるヒルド、
「ヒルド様、こちらの服もお似合いだと思いますよ♪」とポプラが更衣室から出て来たばかりのヒルドに、別の衣装を持って来て進めている。
ヒルドに別の服を合わせてみているポプラの姿は『ヒルドを着せ替え人形にして楽しんでないかな?』と、突っ込みを入れたくなるほど楽しそうに見えた。
「ジン君、この服なんてどうかニャ? もう少し露出が多い方が良いかニャ~?」と今度はラタニーが、極端に肌の露出が多い寝間着を着て更衣室から出て来て、小悪魔的セクシーポーズを取って僕に魅せる。
正直に言って、僕はその恰好は好きですが、出来ればその恰好は・・・ の時にお願いします。
「・・・・(どう?)」と、何時もとは雰囲気の違う可愛い系の服を着て、恥ずかしそうに更衣室から顔を出して魅せに来るバーニャには、
『うんうん、可愛いよ♪』と頷いて褒めると、嬉しそうにはにかんでて可愛い。
今、僕は何故か4人の女性陣達のファッションショーを、メトの高級ブティックのラウンジスペースで見ていたりする。
まあメトの高級ブッティクで、僕が着せ替え人形役をさせられるよりは・・・ 良いかな?
そして、この場に居ないシオンとラムネは、何故か二人の波長が合った様で、一緒にメトの武器屋を覗きに行ってしまった。
アフタータイム近くに成って、ようやく全員が滞在している宿に戻って来れたが、完全に護衛任務に必要な物資の買い出しでは無く、観光と買い物しかしていない気がするが、そこはトロのギルド本部の元受付嬢のポプラ、フロトの西北に在る海洋都市『ダブ』と言う都市から、メトに行商に来ていた露店商人達から必要な情報は仕入れて来てはいたけれども、その分だけ余計な品も買わされていた気もする。
その日の夕食時に、僕が、
「海洋都市ダブに関する情報収集をもう少しする為に、この後は宿のラウンジにでも行ってみる?」と聞いて見たのだが、
「ジン君、ラウンジで情報収集も良いけど、私は、この宿のスパに行ってみたいニャ~♪」とラタニーが何処から情報を仕入れて来たか?は知らないが、スパに行ってみたいと言い出すと、
「あっ、ラタニーさん! 私も今日注文したお洋服が、私達が依頼を受けてダブに出掛けている間に出来上がったら、私達が宿泊している宿まで届けて置いて欲しいと、ブティックの店員さんにお願いしたのですが、店員さんが『お客様達がお泊りになっている宿って、スパが最高で有名な宿で、宿泊客ならスパの入浴料が無料になる宿ですよね? 良いな~♪羨ましいな~♪』って言われて、その店員さんからこの宿のスパの話を色々と聞きまして、この部屋に備え付けられているお風呂には不満は無いのですが、やはり私も女性ですから物凄く興味有るんですけど・・・ ダメですか旦那様?」とポプラが食い気味にその話しに乗って来た。
「・・・(ポプラの意見に、激しく同意!)」と、バーニャも激しく首を縦に振っている。
「私も、以前に一度だけココの宿のスパを利用した事は有ったれけど、ここのスパって、私と母さんの二人で利用した時も、入浴料が一人銀貨1枚(約1万円分)だったし、簡単なマッサージを受けるのにも最低で銀貨が2枚必要だったし・・・ まあ簡単なマッサージだけでもあれだけ気持ちよくて、全身を丁寧にケアしてくれたから、銀貨を2枚払っても納得だったが、何でも貴族や金を持っている商人や富豪の奥方様達は、最低でも大銀貨か?金貨(約50万~100万円分?)が必要になるコースを頼むご婦人達も居ると聞いたけど、私達はどのコースを受けれるのか楽しみだよなシオン?」と、当然の様にシオンに話を振っているウォーリアバニーのラムネさん、貴女、貴女は今回、このメトに来るまでの間のクラウンゲストだったハズなんですが? 貴女、完全に家の女性陣達の中に溶け込んでますけど?・・・ ってな視線でラムネさんを見つめていると、その視線に気づいたラムネさんが、鍛えられた胸筋に支えられた胸を持ち上げてアピールして来る。
あのウサギ茶屋で、初めて有った時の清楚な感じのラムネさんは何処に行ったのでしょうか? 今、僕の目の前に居るラムネさんは、まさしく肉食系女子のウォーリアバニーさんだった。:(;゛゜''ω゜''):
「私は、私がそのスパを受ける事で旦那様が喜ぶのでしたら、今後の参考の為にも、是非、受けてみたいです。」と控えめに言うシオンだったが、うんシオンさん、是非にもスパを受けて来て下さい!
暫くは腕を組んで考える振りをしていたが、
「女性陣のみんなで、そのスパとやらに行って、『最高のサービス』とやらを受けておいでよ!」と空間収納魔法で金貨を5枚取り出して、テーブルに置いて見せた瞬間、この宿で僕達が宿泊しているデラックススイートに設えてある食堂から、彼女達5人の黄色い歓声が挙がる。
その後、喜び勇んでスパに突撃して行った彼女達だったけれど、結果的には金貨をもって行く必要は無かった様で、スパのスタッフに『このスパでの代金は、後日改めてこの宿をチェックアウトする際にご請求させて頂きます。』って言われたらしい。
その後、彼女達5人が部屋に帰って来たのは、月が真上に上がった真夜中近くになってからだったが、皆さんはお気付きだろうか? 彼女達の面子にヒルドが含まれて居ない事に・・・ ヒルドは、ポプラから
「ヒルド様も私達と一緒にスパでマッサージを受けて来ませんか?」とは誘われてはいたが、
「妾は、旦那様と一緒にこの部屋のジャグシーとやらにゆっくりと入りたいから、お主たち5人で行って来るが良い、妾も偶には旦那様と二人きりでまったりと過ごしたいのも有るが、万が一、妾がそのスパのマッサージとやらを受けて満足して、妾の気が緩んだ際に、もし妾本来の姿に戻ったらどうするつもりじゃ? 一瞬で旦那様諸共、この宿ぐらいは簡単に押し潰してしまう事になろうよ! それは皆も困るであろう?」と言って断っていたが、僕は見逃してはいない、大人バージョンのヒルドの口元が、妖艶に笑っていた事を、まあそれを察した彼女達も、それ以上ヒルドをスパに誘う様な事は言わなかったので、彼女達がスパに出掛けた後は、久しぶりにヒルドと二人でまったりと過ごした。
因みに、本気でジェス兄さんがペコに対して『knight勲章』を授与するつもりの様で、朝からメイヤーさんに強制連行されており、今夜は『僕の妹達と一緒に王宮でお泊りして来る』との事で、今日は朝から不在中な事も有り、ヒルドも5歳児の幼女姿では無く、今日一日は大人バージョンの『上品なお嬢様姿のヒルド』の姿のままである。
そして僕は、久しぶりに大人バージョンの姿をしているヒルドと、二人っきりで甘々な夜を楽しませてもらった。




