第25話・楽しんでアパートをリノベする
アパートのリフォームは、主にラタニーの主導で行われた。
と言っても、基本的にはジンが持つ膨大な魔力と、リフォームの為に準備した素材を使って、ラタニーがジンに『創造魔法』を指導しながら作ったのだが、コレが中々に手間が掛かる作業だった。
1日目・
空間魔法系の『収納魔法』を使って、アパートの屋根部分から順番に収納して行き、アパートの外壁以外は全て撤去した。
2日目・
アパートの玄関側と両側の壁に、煉瓦を組み付けて壁を強化した後、耐熱煉瓦と石を使って暖炉と煙突を作って、各部屋を仕切る壁と天井と屋根を作る。
3日目・
お風呂場、トイレ、キッチンの水回り関係を終わらせる。
4日目・
お風呂場、ダイニングキッチン、リビングルームが完成。
因みに、シオンの部屋はシオンがサッサと作ってしまいました。超科学技術を使った様です・・・(汗
5日目・
2階に上る階段と2階の床を完成させる。
6日目・
2階の各個人が使う部屋を自由に作る。
ジンの部屋は1階のリビングの真上と言う事も有り、他の4人と比べて少し広く(約14畳分)は成ったが、ウサギ茶屋での個室を参考にしたと言い分して、部屋の入口には上がり框を作り部屋の床を20cm程高くして、その隙間に創造魔法で作ったパイプを巡らせて、部屋に有る暖炉に接続した。
勿論、冬場での寒さ対策に床暖房をと考えてだったんだが、まさか冬場になったら第二のリビングとして皆が集まるとは思っても無かった・・・(泣
7日目・
必要な家具の搬入と、アパートが完成したのを記念に、小さな宴を開いた。
まあ家具類の搬入は、各人が収納魔法を使える事も有り、そんなに時間が掛かると言う程でも無かったし、宴を開いた時にも別段にそんな素振りも見せなかった彼女達、そんな彼女達が・・・
「旦那様、そろそろ宴もお開きにして、新しくしたお風呂に入られては如何でしょうか?」とシオンからの進めも有り、幼女化して皆に構われていたヒルドを連れて風呂に入っていたら、ポプラを先頭に、バーニャ・ラタニー・シオンの4人が、
「えっ!? 何で皆んなが一緒に入って来るの〜!?」
「えっ?婚約者が一緒に入るのは普通では?」とポプラが顔を真っ赤にしながら言う。
「・・・(公衆浴場なら普通では?)」と、やはり赤い顔したバーニャが、ラタニー直伝の意思伝達魔法で僕に訴えて来る。
「私はジンの裸に興味があるニャ〜♫」とラタニー、この人は羞恥心よりも探究心?に付き動かされてはいる様だったが、やはり顔が真っ赤だった。
「旦那様のお背中をお流しするのは、メイドの仕事ですから♫」とシオン、嬉しそうにニコニコとして風呂場に入って来たが、多分、シオンが他の3人を唆したのでは?・・・
「いや、それは・・・」と色々と言い訳をしてみたが、この混浴文化が根付いているアルバ王国では、ジンの言い訳が通用する訳も無く、結果的には彼女達に押し切られてしまい、6人と1匹が新しい風呂に一緒に入る事と成ってしまったが、道理で彼女たちが『広い風呂場と、広い浴場』に拘った訳だと、今になって理解した。
ヒルドの背中を洗いながら、シオンに『旦那様の背中を洗うのは、婚約者の仕事では?』と唆されたポプラが、ぎこちなく僕の背中を洗ってくれたが『次は頭を洗うね!』と言い、頭を洗い始めたら背中に何やら柔らかい感触が当たって・・・
僕が色々と反応してしまい恥ずかしがっているのが分かると、その光景をバーニャとラタニーが横からニマニマと悪い顔を見て見てたが、バーニャは自分の胸とポプラの胸を見比べて、何やら落ち込んでもいた。
そんなこんなで、湯船に大人しく浸かっていると、
「ヒルド様、お顔が真っ赤ですよ、湯にのぼせて湯当たりしているご様子なので、お風呂から上がって、冷たく冷やしたプリンでも召し上がりませんか?」
「プリン!? シオン、ヒルドはプリン食べたい♫ 風呂出る!」
「では参りましょうヒルド様♫」と、シオンがサッサとヒルドを風呂場から連れ出してしまったもんだから、後はご想像にお任せします。
ただ一言、その日はヒルドはシオンと一緒に寝たそうです。
翌朝、顔全体に柔らかく重量感が有る者が乗っかっている感触がして、ベッドの中で僕が目を覚ますと、僕の上半身にラタニーが乗っかったまま寝ていた。
ラタニーを起こさない様に静かにベッドから抜け出して、ダイニングキッチンへと降りていくと、バーニャがシオンに支度して貰った朝食を食べ終わり、コクコクとオレンジジュースを飲んでいたので『ポプラは?』と、昨夜の気恥ずかしさから少々ぶっきら棒な聞き方をバーニャにすると、
「はい、ポプラ様でしたら『今朝は早番』だと言われまして、もうギルド本部の方に出勤されました。」と、代わりにシオンが答えてくれた。
「そうなんだ、ヒルドはまだ寝てるの?」
「いえ、ヒルド様は『ペコと一緒に散歩♪』と言われて、もう外にお出掛けされてます。 ラタニー様はまだベッドに?」
「ああ、物凄い恰好で寝てたよ・・・」
「では、ラタニー様を起こして来ますので、旦那様はその間に顔を洗って来て下さいまし」と言ってシオンが二階に上って行くと、僕の部屋からピシャリといい音と、『フニャ~~~!』とラタニーの叫ぶ声が聞こえ、僕が顔を洗っていると、『おはよう・・・』と言いながらラタニーが洗面所に入って来て、『私、朝は苦手なんだニャ~』と言いながらパジャマ代わりに来ていたポロを脱ぐと、そのまま浴室に入って行った。
そのラタニーのお尻には、しっかりとシオンの手形が赤く残っているのを、僕は見逃さなかった。




