第14話・某貿易都市理事会の理事と理事長を、有無も言わせずに呼びつけた
この日、アルバ王国の王宮内にある会議室には、某貿易都市国家から6人の理事達と理事長の7人が呼び付けられて、釈明を求められていたが、この件の関係者と言うか?被害者の一人は、自宅であるアパートのリノベーションを楽しんでいた。
「もう例の会議は始まっているのかな~?」とジン、
「多分、時間的には始まっている頃かニャ~?」と猫族と人族のハーフで、Cランク冒険者で魔法使いのラタニー、
「・・・ 」とウンウンと無言で頷き、同意の意思を示す銀髪の鬼人族とエルフのハーフで、Dランク冒険者で剣士のバーニャ、
「でも、良く某貿易都市国家の理事会の理事と理事長が全員揃ってトロまで来ましたよね?」と、元冒険者ギルドの受付嬢で、ジンの元担当者だったドワーフと人族のハーフのポプラと言う名の女性、この彼女の母親がちょっと特殊な種族で、アマゾネスと言う戦闘民族系種族の母を持つ、
「まあフルサイズのヒルドが、某貿易都市国家の首都上空で、『貿易都市国家の理事と理事長に告げる! 今回の件の出来事を釈明しにトロまで出向いて来い! 返答は後日改めて来る使者に伝えよ! 因みに、否の場合は無条件で、私が某貿易都市国家の全てを劫火の炎で焼き尽くす事となるだろう。 既に神にも了承済である! 繰り返す・・・ 』なんて繰り返し宣言されたらね~ 僕なら大人しく従うか?地中深くに穴でも掘って、怖くて一生地上には出て来ないね、まあ今回の会談はヒルドの功績だね!」と、最近では自身の事を『僕』と言い始めたジンがヒルドの頭を撫でながら言うと、
「妾の功績が一番? 一番?」と、最近は5歳児ぐらいの幼女の姿を好んで人化しているヒルド、ちょっと気になったのでヒルドに『最近は良くと言うか? ほぼ幼女の姿に成っている気がするけど、どんな心境の変化があったの?』と聞いてみたら、
「この姿の事? この姿だと旦那様が頭を沢山撫でてくれるし、『抱っこ!』って言ったら抱っこしてくれるし、妾の好きな物を作って食べさせてくれるし、旦那様と一緒にお風呂に入れるし、ベッドでも抱き付いて寝れるし、大人の姿で旦那様を甘えさせるのも好きだけど、最近の妾は『旦那様に甘える事が出来る方が好き!』と思っておる。ダメかの?」と、膝の上に座ったヒルドが上目遣いに僕を見上げて来る。
そんな仕草で訴えられては、ヒルドにダメだととても言えるハズも無く、又、5歳児バージョンの幼児姿で甘えて来るヒルドの姿に癒されている部分も大いにあるので、結果的にヒルドの好きにさせる事にした。
そして今日、何故?魔法使いのラタニー、剣士のバーニャ、 元冒険者ギルドの受付嬢のポプラの3人が僕のアパートに来ているのかと言うと、今回の一件での関係者と言うか?ある意味では加害者だと言えるのか?まあ彼女達が僕に対しての加害者側だと言い張っているだけだとも言えるのだが・・・
アパート内が滅茶苦茶に破壊された翌日以降に、彼女達は別々にではあったが僕のアパートを訪れたのが切っ掛けだつた。
その日は、僕の心配をして村から来ていた親父も母さんも、妹達を連れて王宮に行っていたと言うよりも、
「こんなに滅茶苦茶に荒らされたアパートじゃあ、私達家族が寝泊まりするのは到底無理よね~ 王都で宿を取るにしても、私が知っている何処の宿でも一泊、最低でも金貨10枚は必要になるし~ お金が勿体ないから、美味しいご飯が出て来て♪ お風呂が広くて♪ フカフカなベッドを用意してくれる! お母さんの実家に当分の間は泊まらせて頂きましょうね~ 」と妹達に笑顔で言いながら指をパチン♪と鳴らすと、5分もしないうちにアパートの前には、王宮から母親達を迎えに来た豪華な馬車が停車していたが、僕は『アパートを片付けるから』とココに残ったのだった。
アパート内の各所に散らばる。無惨にも破壊された壁や床の残骸の山を、覚えたばかりの空間魔法の『収納能力』を使い、木材やレンガや陶器やガラス等に選別しながら空間収納していると、ヒキ男爵が襲撃して来た際に壊されずに残っていた呼び鈴が、カラカラと鳴って来客を知らせるので、散乱した廃材を避けながら玄関先に出てみると、昨日、ヒキ男爵に奴隷の首輪を嵌められて強引に連れて来られていたCランク冒険者のラタニーが玄関先に立っていた。
「確か、Cランク冒険者のラタニーさんだったよね、一体どうしたの?」
「はい殿下、本日まかり越しましたのは、昨日の無作法に対しましてのお詫!"#$%&' 痛ッテぇ~!・・・」と言い掛けて、ラタニーは舌を噛んで最後まで喋れなかった。
「アハハ、無理して丁寧に喋ろうとしなくても良いし、僕自身『殿下』と呼ばれて敬われる様な存在でもないし、普通に友達と話すように喋って貰って大丈夫だよ!」
「殿下、今のお言葉は本当でしょうか? 私が普通に喋り出したら『不敬罪だ~!』ととか言って、強引に首輪を嵌めたり、色々と難癖を付けては私にアレやコレやとエッチな要求はしませんか?」
「君は、僕を何だと思っているのか?ちょつと聞いて見たくなったな~ ・・・ 」
「えっ! お貴族様の・・・ しかも王族関係者のご子息様は、幼い頃からお屋敷のメイドさん達とアレやコレやとエッチな遊びをしているのでは? それで謝罪に来た私にも、当然の様にエッチな謝罪を要求してて来るのかな?と・・・ 」
「僕も似たような話は、ギルドの居酒屋で他の冒険者達から聞いた事はあるが、僕は此れまでにメイドさん達に囲まれたお屋敷で生活した事も無いし、無論、ラタニーさんが普通に喋り出したからと言って『不敬罪だ!』とエッチな要求をするつもりもないよ!」
「えっ!そうかニャ? ジン君はそんな事はしないのかニャ? 私のオッパイやお尻を見ても襲う気はしないのかニャ?」と言いながら、ラタニーはフードを脱ぐと、昨日とは違い大きな胸や可愛いお尻が強調された格好をして来ており、
「本当に殿下はそんな事はしないのかニャ~?」と、ウリウリと大きな胸を下から持ち上げて見せる。
「いや、本当にしないから・・・」と例のトラウマが再発してしまいそうになり掛けた時、
「あらッ? 殿下、お顔が真っ赤ななってるニャ~! 可愛いニャ~! ・・・ 殿下、ちょっとおふざけが過ぎた様です。 申し訳ございません。」と、僕の表情と態度で何かを察したのか?ラタニーは態度を改めて謝罪して来た。
「これまで、何度か貴族のご子息相手に魔法の家庭教師を務めた事があり、そんな出来事も多数経験しました。
しかし、殿下は至って普通のお年頃の男の子と同じ様な反応を示されましたので、失礼しました。
実は、本日お伺い致しましたのは、先日の件で宮廷魔導士殿に『守秘義務の魔法』を施されまして、その際にギルド総長様がお立合いに成っておられまして、施術終了後に『殿下に何かお詫びがしたい』とギルド総長様にご相談致しました所、『これまでジンには魔法に対する素養があるにも関わらず、一切魔法が使える様子も無かったのだが、今回の怪我が原因なのか?どうか?は判明してないのだが、ジンが魔法を発動させる事が出来る様に成ったと聞き及んでいる。
なので色々とジンの秘密を知っている君が、ジンの魔法の先生をする事でジンに対する詫びとするのはどうだろうか?その方が我々としても色々と都合の良い処もあるし、どうだろう?もしジンに対して何か詫びがしたいと君が思うなら、ジンの魔法の家庭教師の件を考えてみては貰えないだろうか?』と提案されまして、
その提案を受ける前に『もう一度殿下とお話をさせて頂き、殿下の人となりが知りたい。』とギルド総長様にお願いして、本日お伺いさせて頂いた次第です。」と、先ほど見せた軽い雰囲気とは打って変わって、真剣な眼差しで僕の目を覗き込んで来るラタニーだった。
この物語を読んで頂きありがとうございます。
今回の投稿で14話目、投稿し始めて2週間目となりました。




