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 第12話・来客を告げる呼鈴が鳴ったので


 ヒルドは、私と付き合う様に成ってからは『料理』と云う物というか?『食事』を摂る事自体に興味を示した様子で、それまではヒルド達の様な竜種の上位竜達は、食事で活動する為のエネルギーを摂取する必要が無かったらしい・・・


 では、ヒルド達上位竜達がどうやって生存していく為のエネルギーを摂取しているのか?と言うと、生物が呼吸するがのごとく、竜種は大気中に無限に存在しているマナを体内に吸収し、そのマナを体内で循環させる事で活動する為のエネルギーを得ていると教えてもらった。


 後で神様に聞いた事ではあるが、神様が仲裁した時にはもう上位種の竜種達の個体数は激減していたらしいが、争いが終わった後も竜種達には簡単に平和が訪れた訳ではなかった。


 それまで竜種同士達で争い、勝った者が弱者の血肉を喰らい、勝った竜種は負けた相手の特殊能力をも吸収し、己の強さを求めて自らの体を進化させた結果、平均的体長が100m前後の巨体に達していた事もあり、竜種達が争う事が無い平和が訪れた事は良かったが、その事で食糧問題がより一層深刻な問題として竜種全体に重く伸し掛かった上に、神様自身が荒廃した惑星の再生を優先してしまい、竜種達を放置した結果、更に竜種の個体数の激減を招く結果となってしまう。



これも後に神自身が語っていた事だが、


「当時は本当に、儂、忙しかったんじゃ! 竜種達がこの惑星上で好き勝手に暴れて自然を破壊し尽くしたせいで、この惑星を再生させるのに大いに手間取ってのう。 で、福神達のお陰でこの惑星の再生に目処がついた頃、とある福神が儂に聞いて来たんじゃ、


 『主神よ! 竜種達は、この惑星をココまで荒廃させた『罰』として、このまま滅亡させるつもりですか?』とな・・・


 まあ儂もその言葉を聞いて、思わず『what!?』って聞き返したら、


 『今、竜種達は食糧難で絶滅の危機に瀕してます。 』って言うんだもん・・・


 まあ竜種達の様子を見に行って焦った!焦った! あんなに強靭で巨大であった竜種達が、例の福神が別の世界から連れて来た20m足らずの小さな竜種達に達に無抵抗に蹂躙されてて、絶滅寸前なのよ! で、竜種達に『何故、無抵抗なのか?』って聞いたのよ! そしたらビックリ!


 『私達竜種は、主神様の大切なこの惑星で好き勝手に暴れ回った末に、この惑星を死の星にする寸前だったと福神様から聞かされ、 そして今、私達が滅びかけているのは自分達が撒いた種だ!とも福神様に言われました。 そして私達は神様に厳命された『争うなッ!』と言う御指示を守って、異界から来た竜種達の襲来にも耐えていましたが、弱い者達からアノ異界から来た小さき竜種達に集団で狩られて、私達も随分と数が減り・・・ それでも主神様に厳命された『争うな!』を厳守してます故に、無抵抗なのです。』と、竜種達のリーダーらしき竜から聞いた時には驚いた!驚いた!


 まあ竜種達に対しては色々と思う事は有ったけれど、絶滅させようとまで考えては無かったし、苦しめようとも思って無かったが、アノ福神が竜種に対してあの様な事を言うとも思っては無かった。


 まあ、アノ福神が色々と一番苦労しておったし、儂の悪い影響がアノ福神に出ていたのか?と、随分と反省したもんじゃ、で!儂は竜種のリーダーらしき竜に、


 『今日で、竜種は此までの行いを十分すぎる程に反省したと認め、襲いくる者に対してはその強靭な爪や牙を持って力を示し! オヌシ達がこの惑星で一番の強者で有る事を証明しろ! その後は、この惑星の守護者として亜神へと昇神し儂の手伝いをしろ!』って言ったら、僅か7体の竜だけで、しかも数日でこの惑星上の全ての生物の頂点に君臨したもんだから驚いた! だって、魔族も居たんだよ! アノ魔族達って、とある世界から『私達では手がつけられなくて・・・』って押し付けられてたんだよ! そんな魔族達の軍勢をアノ白竜一人で、僅か3日で屈服させたのにはビックリしたよ・・・ だってアレ以来、アノ魔族達、白竜の姿を見ると一瞬で『借りて来た猫』みたいに大人しくなるんだよ!信じられる?」と言う話しを聞いたのだった。



 そして神様は、


 「あの亜神へと昇神した上位竜達は、食べる事で活動するのに必要なエネルギーを摂取する必要が無くなったと云う事も有るが、絶滅仕掛けた時の辛い記憶が深く遺伝子にでも刻み込まれておるのかものう。だから『食』に興味が無いのかのう?」と言っていたが、




 今、私の目の前では、5歳児バージョンのヒルドが、自分の顔よりも大きい5枚目のパンケーキにたっぷりと蜂蜜を掛け回して、満面の笑みで口に頬張っている。


 その対面の椅子には、何故か?パンケーキを頬張るヒルドの姿を見て、ニコニコと微笑みながらホットウヰスキーを飲む神様の姿が!・・・?


 


 とりあえず、神様には酒の肴の代わりにカリカリに焼いたベーコンを出して、私は小さなフライパンで焼いたベーコンと目玉焼きを、皿には移さずにフライパンのまま手に持ってテーブルに着いた。



 

 「で、神様、朝からどうしたの?」


 「いや、今の儂は神様じゃ無いでのう。ただの孫の姿を見るのが楽しみな爺いじゃ! まあ、そう言う事にしとけ・・・ 第一、今の儂には神威も何も感じる事が出来んじゃろう?」


 「まあ確かにただのお爺ちゃんには見えるけど・・・?」


 よく訳が分からないまま、ベーコンエッグとパンケーキを食べていると、来客を告げる玄関の鐘が鳴っている音に気付いたので玄関先まで対応に出て見ると、



 「貴様が、Dランク冒険者のジンと申す者か? 儂はバラスト子爵様の代理で来た。 お前、違法な魔物の魔石を隠し持っているだろう?大人しくその魔石を子爵様に差し出せ!」と、ガラの悪そうな冒険者達を10人ぐらい引き連れて突然押し掛けて来た。身形の良い小太りな禿げた中年オヤジがのたまう。


 私が突然の出来事について行けずにいると、



 「ええい!誰か早くコイツを拘束しろ! 後の者はコイツの家の中を隈無く屋探しして、魔石を探し出せ!」と指示を出した。


 

 勿論、断固拒否するとして突っ撥ねたが、


「拒否する事自体が、魔石を隠し持っている証拠じゃ!」と訳の分からない理屈で強引に押し入られて、家中を屋探しし始めた。


しかも、密かに私の背後に回った隠密スキルの有る冒険者に、問答無用で奴隷の首輪を嵌められてしまい、自由を奪われてしまった私は、一切の抵抗が出来なかった。


 


 まあダイニングキッチンで、私の首輪に奴隷の首輪が嵌められているのを見たヒルドが、怒り狂って暴れようとしたけど、神様に押さえ付けられて暴れられない様子で、神様の胸を号泣しながらポカポカと叩いていたが、家に乱入して来た冒険者達には『5歳児ぐらいの幼児が祖父の胸の中でグズって泣いている。』程度にしか認識されていなかったから良かったものの、もしヒルドが神様の胸元から逃げ出したらと思うと、とても気が気ではなかった。



 

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