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 第11話・普通の爺さんに擬態して、リビングで寛ぎながら自然に酒を要求して来ました

 

「今夜は、いったい何の用事で来たのかな? お爺ちゃん!」


「いや〜 最近、婆さんが儂のメシを作ってくれなくなってのう・・・ 儂のメシはまだかのう?」


「お爺ちゃん、晩御飯はさっき食べたよね? その前にお婆さんどころか奥さんすら居ないよね? もう真夜中なんだから大人しくし天界へ帰って寝ましょうね〜 」


「で!酒は未だ出て来んのか?」


「お爺ちゃん、年寄りの冷や酒は体に良くないから出さないよ!」


「いやいや婆さんがのう〜 」


「で、いつまでこのコントは続くの?」


「なんじゃ! もう終わりか? つまらんのう・・・ 儂、家族がおらんから、ちょっと家族ゴッコして見たかったんじゃがのう」


「・・・? 居るじゃん福神さん達?」


「儂、結婚した事無いし、嫁どころか彼女すら居ないし、親兄妹すらおらんし!?」


「福神の神様達は?」


「ああ、福神達は、アレは分裂した儂じゃ、お主達が言っている意味での本当の肉親じぁ無いのう」


「どうかした?今日はなんか・・・?」


「いや、久しぶりに『仁』とゆっくり話せるのが楽しくてのう。 まあ神と云う存在の儂が、ヌシ達の様な普通に家族と会話をして、普通に生活している姿が羨ましく見えると云う話しも可笑しい事かもしれんがのう・・・ 」


「しょうがないな〜 爺ちゃん、ワインは一杯だけですからね〜 」


「いや儂は、アノ棚の奥に蔵ってあるウヰスキーが良いのう〜 ジンは酒を呑まんから、せっかくの旨いウヰスキーも棚の肥やしになっちょるから可哀想じゃ、ホレホレ!神様へ旨い酒を奉納すると思えば安い安い♫」


 うぅ〜ん、どうも神様の意図が良く分からないが、少しだけ相手をしてもバチは当たらない? いやいや、無視してて逆にバチでも当てられたら溜まったものでは無いので、とりあえずは大人しくウヰスキーを出しとく事にした。



 リビングに移動して安楽椅子に腰を下ろすと、ウヰスキーをチビチビと舐める様に呑み始めた神様を横目にヒルドを抱いたままソファーに腰を落ち着ける。


 このアパートは、父親のダンが王都で冒険者をしていた頃に購入したアパートで、ダンがCランク冒険者にランクアップした頃、偶然と偶然が重なって、とある盗賊団盗伐したのだが、そのとある盗賊団の頭目の首に掛かっていた懸賞金が以外と高かった事と、その頭目が隠し持っていた宝石類が驚くほどの高値で取り引きされた事で、普通にのんびりと暮らしても1年以上は楽に暮らせるほどのお金が入った事があったらしい。 


 で、それまではCランク冒険者にランクアップしたのを機に、王都の冒険者ギルドから割と近い宿を、月単位で契約していたのだが、王都に点在する大多数の宿が、大抵は一階は宿の受付と食堂若しくは居酒屋を併設した宿が多く、ダンも居酒屋が併設された宿を常宿としていたのだが・・・


 ダンが生まれ故郷の村から王都に出て来て、早くも5年の月日が過ぎていた。


 それまでダンは、決して治安が良いとはお世辞にも言い切れない地区の、安宿を常宿として王都で冒険者活動をしていたが、ランクアップした事を良い機会として宿の質もランクアップさせたのだが、それまで常宿としていた宿は一泊で半銀貨で一枚、だいたい日本円にして5千円ぐらいだろうか? 新しい宿は倍の金額で銀貨一枚取だった。


 で、ダンは思った。『そうだ、この金で家を買おう!』と・・・


 まあ脳筋馬鹿の親父らしい安直な発想だとは思ったが、このアパートのセンスは悪くないとは思っている。



 冒険者ギルド本部の建物から、徒歩で30分弱、高ランク冒険者が多く住んでいる地区だと言う事もあり、治安自体は悪くは無い、しかもアパートの前の道は、王都の主要道路の一つと言う事もあり、道幅も広い石畳で舗装された道路で、雨が降った際の水捌けも良いし、冒険者ギルドから帰って来るまでに色々な商店が並んでいるのも得点が高い、ただ親父的には広い庭付きの一軒家わ所望したらしいのだが、この王都では高位貴族か?大商人ぐらいしか広い庭付きの家には住んで無い、しかもこの王都にはそんな広大な空き地は残って無いのだ、


 そしてダンが購入したのは家は、築50年ほどの石造りのアパートの一角を購入したのだった、。


 アパートとは、家の左右の壁が隣の住宅と共用している形式の住宅で、偶然にも東側の角の区画が売りに出されていた物件を、見学に来ていたダンが物凄く気に入って、粘り強く交渉して手に入れたのだった。


 親父は、


「あのアパートを見学しに行った時はもう夕方で、ちょうど陽も隠れようか?としていた時で、その時にアノ庭から観た夕日が綺麗で、あのアパートが気に入って欲しいと思ったのだが、あのアパート、東角のアパートだったし、割と庭も広かったから以外にも高かった。」とは言って愚痴ってはいたが、これまで売りに出して無かった事を考えると、本当に気に入っていたんだと思う。


 王都に来てから3年弱ほどの月日は経過したが、このアパートに住める事は本当に感謝している。





 アパートのお気に入りのソファーで、5歳児モードのヒルドを抱えながらウトウトとし始めると、


「さて、今夜はジンもそろそろ限界の様じゃから、儂もそろそろ帰るとするかのう?」と神が安楽椅子から立ち上がった。


「帰るの?」


「ヒルドの嬢ちゃんも完全に寝た様子じゃし、お前さんもそろそろ眠いんじゃろう? しかし、嬢ちゃんのその姿、なかなか可愛いのう。」と神、


 確かに、今のヒルドの5歳児バージョンの姿は、腰までの赤く長い髪はクシャクシャとした緩い天パー状態で、身長は私のヘソの付近で、まんま幼児体型に成っているが、普段の姿は天パーは相変わらずだが、身長は私よりも頭ひとつ分高くて、ボンキュッボンなスタイルで見た目もかなり豪華な見た目を好むが、稀に髪型をストレートロングなお姉様バージョンを選ぶ事もあるが、5歳児バージョンは初めて見たかも知れない。


 本来の竜の姿から、人化する際、かなりメンタルに影響されると聞いた事があったが、逆に人化している際の性格は、その姿に影響される様だ、現に今のヒルドは完全に甘えたいモードの様だ、まあ可愛いから良いか? 多分、神様が家に来た理由の半分ぐらいはヒルドの幼児化が気になってだと思う、そんな訳で神様に『泊まって行ったら?』と聞いてみたら、



「儂、神じゃからの、残念じゃが人の様に睡眠の必要性がないし、儂が一定以上の時間その場に留まると、その場所が神域化してしまうからのう。」


「どのぐらいの時間で神域化してしまうの?」とちょっと心配して聞いてみると、


「そうじゃのう。千年ぐらいじゃろうかのう?」


「しゃあ爺ちゃん、気を付けて帰ってね〜」


「手のひら返しが凄いのう?」と言いながらも、安楽椅子に座っていた老人の姿は、ウヰスキーが入ったボトルと一緒に消えていた。



 次に神様が来た時に出す用に、何かウヰスキーに合うツマミでも用意しておくかな?と考えながら、私の太腿を枕代わりにして寝ているヒルドを抱き抱えると、二階の寝室へと続く階段を上りながら、後で『初めてお姫様抱っこ』されたのが、自分が寝ていた時だと知ったら、ヒルドは悔しがるだろうか?と考えていた。



 翌朝、私が寝室のベッドて目覚めると、5歳児バージョンのヒルドは既に起きていて、大きな瞳で私の顔を覗き込んでいた。


「おはようヒルド」


「・・・起きた?」と満面の笑みで聞いてくる。だから、


「ああ起きたよ」と私も笑い返すと、ヒルドが恥ずかしそうにしてシーツを頭から被って顔を隠した。



 その後、5歳児バージョンのヒルドが、


「旦那様!お腹すいた〜」と言うので、


「ヒルドは何が食べたい?」と聞き返したら、


「うぅ〜ん・・・ パンケーキ!」との事だったのだが、そのちょっと考えている時にヒルドがする。


 顎先に指を持って行って軽く小首を傾げる仕草は、普段のヒルドの仕草と一緒なのに、5歳児バージョンでその仕草をされると父性が目覚めそうになる。



「じゃあキッチンに行ってパンケーキを焼いて食べよう♫」と言い、ベッドから立ち上がって一階のダイニングキッチンに移動しようとしたら、ベッドの上に立ち上がったヒルドが、私しに向かって両手を広げて見せて『抱っこ!』と甘えて来るので、『仕方がないな〜♫』と言いつつ両手を広げるとベッドの上から私に飛び付いて来た。



「ヒルドさん、ちょっと締め付ける力が強くて肋骨にひびが入りそう・・・(汗 」


「旦那様がお尻を支えてくれぬからじゃ♫」と少し舌足らずな言葉遣いで指摘を受けたので、優しくヒルドを支えながら階段を降りていると、


「実は父様には余り抱っこして貰った記憶が無いのじゃ、だから旦那様の『抱っこ』は好きじゃ♫ 」とヒルドが嬉しそうな顔をしながら言っていた。









私の拙い話しを読んで頂きありがとうございます。


『毎日投稿する事』を目標にして投稿し始めて10日が過ぎましたが、最初に初期設定していた設定が書き進めるているうちに大きく話しが逸れてしまい、慌てて設定を見直ししたりしています。

その為、読み難い箇所や誤字脱字等も有るか?と思いますが、笑ってご指摘して頂ければ幸いです。

                                               

by, 八葉 門希

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