プロローグ3
「ああ、まあたしかに、似ていますね。けれどあれは違いますよ。あれはラ〇ュタではなくて、界です。」
「界?」
そう、目の前には、まるでラ〇ュタのような浮島が、たくさんあった。
線路は、中心にあるでかい島に向かって、まっすぐ伸びていた。その島には、崖にそびえたつように中国風の宮殿が建てられていた。
空には月が七つ。おそらく僕は界の一部が見えていたのだろう。
「おや、ようやくやってきたようですね。」
真がそう言った途端、右後ろのほうから影が列車に近づいてきたかと思えば、ダァン!
天井を突き破って、何かが入ってきた。
それは可憐な女の子だった。年は10~12歳ごろだろうか。さらさらとした、紅色の髪が腰まで伸びている。服装はこれもまた中国風の着物。島の一番上には洋風の城もあるようだが、「界」はずいぶん中国の色が強いようだ。
少しの沈黙の後、少女は、「真、ご苦労。」と真をねぎらう。
真はそれを「はいはい。」と軽く受け流した。
「それで、お主、名はなんと申す。」
ムムム。若いのに口調が…。と思いつつも答える。
「シキ、伊吹シキです。」
「シキじゃな。よろしく。妾はメイリン。神様じゃぞ。」
は?こいつ何言ってるんだ。一応、聞き返してみるか。
「神…なんですか?」
「うむ。妾は界を管理する三人のうちの一人じゃ。お主の世界でいう…なんじゃったかな?がいむしょう?とかいう機関みたいなところの長でもあるんじゃ。」
「その、ずいぶんお若いんですね。」
そう言った瞬間、メイリンは、目をキラキラさせ、真は爆笑した。どこかおかしいところがあったかな。10~12歳なのだろうに、割と重要そうな機関の長をやっているなんてシンプルに凄いじゃないか。
「も、もう一回行ってくれぬかっ!」
メイリンが食い入るようにそういうので、仕方なくもう一度言う。
「ずいぶんお若いn」
「そうか、そうかそうか。えらいぞお主。うむうむ。」
満足してくれたようだ。こんな喜んでくれるなら、お世辞を言うのもたまにはいいのではないか。
しばらく爆笑し続けていた真が、ようやく笑い終わって(実際には見えないが)口を開いた。
「若いって、この人、wwもう800s」
ぐしゃバキッごき グリグリぐしゃ…そんな音を一瞬に圧縮したかのような、濃厚な音が耳に入った途端、真の服が血で染まった。
それのせいか、真の言葉は最後まで紡がれることは無かった。が、800歳なんだなということは残念ながらわかった。神は見た目によらないんだな…。
おそらく一瞬の間にメイリンが真を潰したのだろう。 こうも冷静に物事を捉えられるようになってしまったことは、この状態に慣れてしまったからだろうか。
「真、なんか言ったか。」
わお、すごい剣幕だ。ヤクザも顔負けな怖い顔である。
「 いや、な、ナンデモナイデス。」
あ、こいつ反省してないな。怒っている人の前でそんな態度はよろしくない。
「駅のトイレ掃除、自分の手で1人で全部やるのじゃ。ズルしたら、全部の駅出やってもらうぞい」
「そんな、殺生な」
まあ、自業自得だ。