表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/27

前編②


——謁見の場にて



重々しい雰囲気の中、勇者は国王と王女に激しく詰め寄っていた。


何故にシスリーを言い分も聞かずに投獄したのか。

彼女はやっていない。

動機が無い。

濡れ衣だ。



国王は答えた。


ならば、王女が虚偽の報告をしたというのか。

生死を彷徨いかけた彼女が。

あり得ぬ。

娘に毒を盛るなど、言語道断。

勇者の連れでなければ、即刻死罪に処していた、と。


王女は答えた。


勇者には命を狙われた私の気持ちが分からないのだ。

深く傷つけられた私の気持ちが。

シスリーを許す気はない、と。


頑なに拒む二人。


説得に失敗したと悟った勇者は、失意の目で2人を見つめた。


そして、シスリーが解放されるまで、魔物討伐は中断すると言い残して、城を出た。


☆★☆


勇者帰宅後、王女は勇者の脅しに動揺する国王に囁いた。


反逆の恐れがある。

次に命を狙われるのは父かもしれない。

相手は魔物をも蹴散らす勇者。

味方の時は心強いが、敵に回すと………。

民からの信頼も今や、王以上ともいえる勇者が次の王になっても何も不思議ではない。


解毒してからまだ日は浅く、まだ体力が万全に回復していない状態。


青白い顔で、怯えた声で胸に顔をうずめて泣きついてくる娘に、王は決心した。


――やられる前にやらなければ。


しかし、意は決したものの、その手段が浮かばない。


国外追放にすれば、民から糾弾されるだろうし、隣国が勇者を放っておくはずがない。


シスリー同様に勇者を牢に入れても、同様。

何より、勇者が黙って捕まる保証などない。


民から非難を浴びず、かつ勇者をこれまで同様に魔物討伐に向かわせる方法などあるのだろうか?


国王が何を考えているのか、見通しているのか。


王女は恐ろしいことを提案した。










 




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ