25話:助手アロール
悠利「今回の解説は僕とアロールです~」
アロール「面倒だけど他に担当者がいないので頑張ります」
悠利「アロール、顔が物凄く嫌そう」
アロール「君の相手をするのは面倒くさいから嫌いだ」
悠利「ひどくない?」
アロール「自分の常識の欠如具合を理解してから口開いてくれる?」
悠利「うぅ……」
悠利「どう見ても可愛いわんこなのに」
アロール「見た目はな」
悠利「でしょ?可愛いよね?」
アロール「でも、見る人が見ればただの犬じゃ無いのは解ると思う」
悠利「そうかなぁ?普通の犬に見えるけどなぁ」
アロール「気配が違うから」
悠利「僕にそんなのを理解しろって言うのが無理だよ」
悠利「背景のお花可愛いね」
アロール「……」
悠利「アロールの服装って性別解りにくいのが多いよね?」
アロール「着替えやすくて動きやすいのを選んでるだけだよ」
悠利「うん、知ってる。被りのシャツって楽ちんだよねー」
アロール「そういうとこは、君は付き合いやすいから好きだよ」
悠利「?」
悠利「アロールって、クールっぽいけど結構ツッコミ口にするよね」
アロール「誰のせいだと思ってるんだ」
悠利「え?僕のせいなの?」
アロール「他にどんな理由があると思ってた?」
悠利「てっきり、アロールは元々ツッコミ役なのかと思ってた……」
アロール「誰がそんな面倒くさいことするか」
悠利「もっふもふも可愛いから、時々もふもふしたくなる」
アロール「もふもふしたいなら、うちの子たち呼ぼうか?」
悠利「あぁ、大型種だからって街の外で生活してるアロールの従魔の子たち?」
アロール「毛並みがふかふかの奴らもいるよ」
悠利「そうだね~。会いたいなー」
アロール「了解」
悠利「ルーちゃん可愛い!」
アロール「君、そればっかりだよね」
悠利「だってルーちゃん可愛いじゃない。ぽよんぽよん跳ねてて可愛い!」
アロール「まぁ、比較的、一般人でも可愛いと思いやすい姿形をしてるよね、スライムは」
悠利「ナージャさんは恰好良いから」
アロール「そう?」
悠利「うん」
悠利「まぁ、可愛い見た目に騙される感じのスペックなんだけど、ルーちゃん」
アロール「色々と情報過多だから、今後も口外禁止で」
悠利「はい。でも、その辺の説明が出来ないのに、誰も不思議に思わないのなんでかな?」
アロール「主が君だからでしょ」
悠利「え?」
アロール「君の従魔だから」
悠利「アロールの予想が当たって、アリーさんにはツッコミを沢山貰ったよねー」
アロール「まぁ、予想通りだよね」
悠利「ルーちゃん可愛いから仕方ないよね」
アロール「そこに帰結するのもどうかと思うけど」
悠利「え?可愛いでしょ?」
アロール「可愛いけどさ!」
ナージャ「……シャー(呆れ)」
悠利「アロールが女の子なの知らない人って多いの?」
アロール「ギルドに顔を出してはいるけど、知り合いじゃ無い限り特に口を利かないからね」
悠利「アロールは女の子っぽい恰好が苦手なだけで、男の子になりたいわけじゃないもんね」
アロール「動きやすい好みの服装がこれなだけだよ」
アロール「空気を読んでギルマスに直接話をしに行ったけど、申し訳なかったなとは思ってる」
悠利「え?」
アロール「でも普通の受付でやったらもっと大騒ぎになっただろうし…」
悠利「そうなの?」
アロール「規格外の重ね塗りを連れた規格外とか、普通に考えて騒動の原因だから」
悠利「言い方!」
悠利「タグを埋め込んだらぽこって出てくるの、面白いよね」
アロール「僕は君の感性がよく解らない」
悠利「そう?だって、一度へっこんでからぽこって出てくるんだよ?面白いじゃない」
アロール「まぁ、君には面白かったってことで良いんじゃないかな」
悠利「何で投げやり???」
悠利「でも、これでルーちゃんもうちの仲間入りだね!可愛くて賢くてお手伝いも沢山やってくれるなんて、凄いよね!」
アロール「君のはただの主バカだけどね」
悠利「アロールだってルーちゃんのこと可愛がってるくせにー」
アロール「可愛がるのと盲目的に全部肯定するのは違うから」
悠利「えー」
悠利「と、いうわけで、今回は僕とアロールでした。お疲れ様ー」
アロール「はいはい、お疲れ様」
悠利「次は誰かなー」
アロール「持ち回りだから、誰になるか知らないよ」
悠利「何で持ち回りなんだろう?」
アロール「疲れるから」
悠利「え?」
アロール「君の相手は疲れるから」
悠利「何で!?」
悠利「とりあえず、出番が被らないように持ち回る予定らしいんだよね」
アロール「つまり僕ノ役目は終わり、と。次の誰かに同情しておくね」
悠利「アロール、辛辣……」
アロール「君の相手を一人でするの、結構疲れるんだよ」
悠利「うぅ……。とりあえず、お開きで」
アロール「はいはい」
(終)