プロローグ
約数百年前、人間と魔族の関係が崩壊した。
争いは何年も続き、魔族の手により多くの人間が殺され、人間の世界が破壊された。
暗黒に染め、捕えた人間以外は皆殺しにしたと魔族は思っていただろう。
しかし、ある『伝説の剣士』の一族と、一族と親しい関係だった剣士たちが生き残り、逃げ延びていたのだ。
魔族に人間の世界が支配されてから丸五年、一族の当主『黒上 剣』が率いる人間の生き残りたちが人間の暮らせる世界を取り戻すために剣を掲げた。
再び争いが始まり約三年゛……
魔族が一部の領地を手放し、『闇の世界』へと撤退した。
黒上一族と剣士たちは取り返した領地を整備し、探索した。
探索を続けること二週間、一人の剣士が地下牢と倉庫を見つけた。
倉庫にはたくさんの食糧があった。
そして、地下牢には黒上たち以外の人間と魔族が捕えられていた。
生き残りの人間たちを牢屋から逃がし、剣は刀を抜きながら魔族に問いた。
『何故、魔族がここに居る』
しかし、魔族は答えなかった。牢屋の隅で剣を見上げ、怯えていた。
『何故、君たち魔族がここに居るんだい?』
剣は刀を鞘に納め、優しい口調で問い続けた。
すると、魔族の一人が口を開いた。
『おれたち……魔王に逆らった……人間と戦いたくなかった……』
魔族は悪者ばかりではない。剣はそう確信した。
魔族を仲間に加え、さらに領地を発展させた。
そして、数年が経ち、新しい命が次々に誕生した。
剣たちは徐々に領地を広げていった。
ある時、剣が言った。
『この地に、子供たちが剣を教われる場所を作ろう』
仲間になった魔族の協力もあり、剣の発言から約一年。
世界を変えることになる修剣学園『黒剣学園』が建った。
それから何年も経ち、元の半分程まで領地を取り戻した。
そして第一代黒剣学園長 黒上 剣は死んだ。
彼は最後の最後まで刀を握り続けた。
現在の人々は彼を『漆黒の武士』と呼び、称えている。
しかし、人間の世界に再び、危機が迫っていたのだった、、、、、、
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