夜明けと眠気
この夜明けを醒ますのは、光か、痛みか、それともカフェインか。街灯が消え始めて、日が昇り始める。死にかけたような気持ちで、コンビニのコーヒーを喉に流し込みながら、見ていた、見ているようで見ていなかった夜明けを、見ていた。死ぬ気で夜を追い越して、眠気が襲うのと同時に、なぜだか目と頭が冴えている、これを葛藤と呼ぶのかもしれない、と、ホットコーヒーを飲んでも冷めたままの心、それでも陽と体の温もりは確かなもの、頭が痛い。車にぶつかって死んだ鳩の死体が、真っ黒なアスファルトの上で焼けているのを見て、夜空を飛んでいるのだと、錯覚する。夜と孤独を飲み込み、そのたびに、命に似た何かを、失っていく心地がして、逃げるように陽の光を見る、けれど、私の世界が焼き尽くされていくのを私の世界の中から見て、逃げるように、紙コップの中の夜を飲み込んだ、それが、孤独を飲む、ということ。私はまだ、私の世界にいる。