~出会い~
初代家の子わんこのりょうちゃんのお話です。
色んな呼び名がありました。
りょうくん、りょうたん、りょうりょう。
僕のペンネームもりょうりょうから貰いました。
「蓼蓼しい」の言葉が、偶然にも名は体を表しておりました。
あまり色々書くとネタバレしそうなので、この辺で失礼いたします。
僕は透明の部屋からお店に来る人を眺めていたんだ。他の子はみんなすぐに新しい家族に出会って嬉しそうに、でも少し緊張しながらここをサヨナラしていったよ。
ミニチュアダックスフンドやトイプードルは抱っこばっかりされて大変だなあ。
シェットランドシープドッグの僕は人気者じゃないから、あまり抱っこされなくて良かったよ。
抱っこは恐いから嫌いだなあ。
ペットショップのみんなは、僕を変な目でみるよ。
ご飯をあまり食べないから?
痩せているから?
みんなよりお兄さんだから?
なかなか家族が迎えに来ないから?
なんでだろ?
そんなとき太ったお兄さんとメガネのお姉さんが、僕の部屋の前に来たよ。
「この子鬱なんです」とお店のお姉さんが笑った。
ウツってなんだろ?
僕はみんながするみたいに「ワン!ワン!」緊張しながら吠えてみたよ。
でも、それも敵わず抱っこされちゃった。
口から泡が出て笑われたよ。
僕も楽しい気持ちになった。
楽しいね。
「帰るか?」ってお兄さんに言われたよ。
「もちろん!」って言ったよ。
でも、その日は僕を置いて帰っちゃった。
次の日に、柴犬と迷っていたメガネのお姉さんが僕を抱っこして「この子に決めます」と言ったんだ。
でも、また二日くらい待たされたよ。
大丈夫。分かっていたよ。僕は二人が迎えに来てくれるのを。
お店からサヨナラするときみんな「ワン!ワン!」言ったよ。
焼きもちかな?喜んでくれてるのかな?
僕も「僕のお兄さんとお姉さんだぞ!」ってワン!ワン!言ったらみんな「おめでとう!」って言ってくれたんだ。
そうか、こんな気持ちになるんだね。
早く帰ろう。お兄さん、お姉さん。
僕のお家へ。
お目汚しだったと思いますが、読んでいただきありがとうございました。
僕は物を書く腕が無いので、2~3話で終わると思いますが、宜しければまた宜しくお願い致します。