第十七話 「絶望の淵から」
※グロ要素が入っています。気持ち悪くなる可能性がありますので注意して、ご覧の方よろしくお願いします。
「はぁはぁはぁ...!!!!!あ、、うおぇ!!」
目覚めた瞬間に吐いた。
この場所はパソコン室の前。
ポルターガイストが起きたことが衝撃的な展開でここに死に戻ったのだ。
そもそもあれは「夢」だった。冷静に考えれば分かる
異人格の俺の力があんなに強かったのもこの夢のおかげだ。
何が起こるかわからないので、身体能力が向上したのだろう。
あとは俺の部屋の前にいたこと。
一年が俺の部屋の前に現れるはずがなかった。
2年フロアに一年はこれないのだから。
「また....拷問される...、、」
さっきの、爪が引き抜かれる感触。
目玉がくり抜かれる、言葉に表せられない痛み。
髪をすべて抜かれる痛み。
あの感覚全てを覚えている。エナの能力「記憶保存」は便利だ。
だが記憶が残ることで気持ち悪さが抜けない。
ただ部屋に帰らないわけにはいかない。
さっきの夢は現実にも影響するのだ。
ここで諦めたら俺は二度と今日を越えられる日はこないだろう。
2回目。
現実、寝る前だ。
部屋の前には誰もいない。
「よし、まだ大丈...!?」
ーー「はい!つかまえたぁ。」
「なんで....!!ここは2年フロアで!」
ーー「夢は現実にも影響するんだよな?それなら関係なしさ!さぁ始めよう!」
「ヤメロォぉ!!無理だ!!」
やめてくれ。
また拷問部屋に連れて行かれた。
またあの地獄を味わうことになった。この感情は言葉で表せられない。
ほんとにそうだ。
「椅子...じゃない!?なんでだ!?」
ーー「椅子もいいと思ったんだけどね....。やっぱりこっちの方がいいかと思って」
そこには、手術室に患者が横になる台のようなものが設置されていた。
拘束器具だ、本来はない。
寝そべったあと手足を動かせなくして何もできなくさせるものだと俺は勘づいた。
ーー「はい、じゃあここで寝そべって」
「いやだ...嫌だ嫌だぁぁ!!」
ーー「駄々をこねるな!!ほら!」
俺は無理やり台に寝かされた。
恐怖でどうしようもなく、手足を縛られた。
目隠しも案の定されてしまった。
腕に注射器が刺さる。その液体は何色だったかわからない。
なぜならもう俺はその注射器の液体で寝かされたからだ。
数時間後。
目が覚めるとまだおそらく手術台の上だった。
横に寝かされている。
「誰もいない....たすかったのか......?」
あー。なんか体がスースーする。
まるで、
ーーーーー体の中が開いているように。
俺は違和感を感じ、自分の腹部を見ると
首から下が削げ落ちていた。
臓器が全て剥き出しになり、俺の体は人体模型のようになっている。
「は、、、はぁ..ぁ!!、、、はぁ...!!!」
ーー「お、目覚めはどうだい?」
「おま、、え、、」
ーー「震えて声もまともに出ないかー。あ、まだ終わ ってないから、続き始めるね」
「....ア、、あ、...あ、...あ、!!!」
鋭い刃のようなもので肺を切り裂かれた。
全ての臓器を取り外し、おもちゃのように遊んでいる
体から血が大量に吹き出し、骨も見えてきた。
「..............」
ーー「はいラスト!!」
そういったこいつは俺の目玉をめがけてさっきの刃物で俺の目と心臓を潰した。
そして先ほどの無言は、体を刻まれたために
ーーーーー記憶が全て消し飛んだためだった。
最後に、周りからは人の悲鳴が聞こえた。
目覚めるとまたパソコン室の前。
現実の死のペナルティがまた1つ増えた。
この国で能力を使って死んだペナルティもまだ知らずに。
次は何を失ってしまったのか。
幸い、死に戻ったため記憶は全てある。
さっきの最後だけ記憶が消し飛んだのだ。
「もう....部屋に帰れねぇよ...、」
俺はパソコン室の前で座ってしまう。
座るというより立ち上がれなくなった。
静寂の夜、だが外でカエルの鳴く声が聞こえる。
ミオンは部屋に帰っている状況なのでここにはもういない。
「誰かぁ...、俺を助けてくれ...よ、、、」
情けない、震えた声が漏れるように吐かれる。
さっきも夢が強制終了してくれればと願ったのに。
そこで俺の中で目的を再確認してしまった。
「なんで俺、、ここにいるんだろ.....ここにいる意味は、、.......なんだ」
脳内に睡蓮町にいた高校生の楽しげな姿と、異人格の俺の陽気な姿をしているところが再生された。
「俺の目的は....、、そうだ。この世界を.....」
ーー「大丈夫であるか!?」
「........?は、、は、は?....また夢かよ..もう限界だ」
ーー「夢じゃないである!」
バリンッ!!と、窓ガラスが砕け散る。
砕け散った破片と共にある人物が現れた。
俺の目の前に突如現れたこいつの名は「ライト」だった。
「なんでお前がここにいんだよ....また俺を騙すのか?」
ーー「.....!?やば..お前何言って..」
「お前みたいな奴を見ると腹が立つんだよ!!都合が良いんだか悪いんだかのこういう状態で現れて!何がしたい!?目的を!使命を!まっとうしろよ!!」
ーー「.......。」
バチンッ!!
左頬に平手打ちをかまされた。
「.....は?」
(待て俺はなんて言っ....?)
ーー「さっきから何言ってんだよ!!使命だ!?お前のために来てやったんだよ!!目的を見失うな?お前がだ!!お前が目的を見失うんじゃねぇぇ!!」
「は....はは、は、はははははははは!!!もう訳わかんねぇよ!!俺は今頭がおかしい怪物だ!!苦しい、殺したい、、すべてを...この世界をほ...」
ーー「正気に戻れ!!!!目的を再確認しろ!!頭がおかしくなるのはわかる!!ただ目的だけは見失うな!!取り返しがつかなくなる!!!」
「............。」
ーー「仲間はここにいる.....。私がいるだろ?」
(....ア..レ、、ナんだったんだ、.....さっきのは)
言葉が出なくなった。
涙で前が見えない。ライトの姿がハッキリ見えない。
ただ、、
ーーーーーライトの目も声も泣いていた。
「ライト....俺は何をやって」
ーー「考えるな、、今は...私が君を守るから」
そう言ったライトは、座って、立ち上がれなくて、さっきまで悪口を叫びまくり、ライトを傷つけた俺を
抱きしめてくれた。
そうだ、ライトは前に俺を助けてくれたんだ。
砂地での戦いの時も助けてくれた。
四天王は夢の内容を見れる、覚えていられるとも言っていた。
ライトはまた...次は、、
ーーーーー「どん底の俺に手を差し伸べてくれた」。
「ライト...、ありが..とう...、、、」
ーー「どういたしましてなのである」
まだ震えた声で感謝の言葉を伝える。
俺はライトに会えてよかった。
この世界に来て、一番最初に俺とまともに話してくれたのがライトでよかった。
まだ抱きしめてくれているライトのわずかな震えと熱だけが、俺を「安心」の心に導いた。
俺は今どんな顔をしてどんな格好なのだろうか。
周りから見たら、俺はただどん底にいる人間。
人間にも見えないかもしれない。
周りは嘲笑っているだけ。
ただ今は次々と倒れる、壊れていくドミノ状態の俺をライトがこれ以上壊れないように止めてくれた。
「なんかもう....感謝しきれねぇよ..、、、」
ーー「私への感謝は...一言にまとめればいいのだ」
「なんていえば...いい。てか一言は無理だ....、、」
ーー「今はいい...また今度どこかであったらである」
「行かないで...くれ、、ずっと俺を!」
ーー「...私には使命があるのだ。」
「....そうか、、そうだよな。」
ーー「落ち込むのでない!!だって君には......」
どこか悲しそうな目と声で、
だがどこか力強い目と声で、ライトは話す。
ーーーーー「強くなってもらわないと困るのだ」。
「強く....?困る?でも俺はもうライトがいないと...」
ーー「じゃあ次会うまでに、約束をするのだ。」
「約束.....?」
ーー「そう。どれだけの苦難があっても、積み重なる恐怖が出てきたとしても。」
ーー「目的を見失わないこと。」
「目的を....。そうか、俺はこの世界で証明するんだ。理想を現実にできることを...。」
ーー「そうゆうことなのである。じゃ、またな!!!夢は剣で消滅してなかったことにしたのである!」
もうなんでもありの人物だ。
能力を使ったら死ぬ国なのに、消滅の剣を使って夢を消滅したんだってよ。
拷問はもう終わり。
あの体が引き裂かれていく感覚と同時に、体に刻まれている記憶が全てなくなっていく感覚。
ライトは先ほど、全ての傷を癒してくれた。
ほんとにライトには助けてもらってばかりだ。
それにしてもすごい四天王。
前はバカだと思っていたが、ただの偏見だった。
人を助けるという立派な使命を持ち、達成するために行動している。
「...、、バカなのは俺じゃねぇか...。」
ライトは、
俺だけではなく、みんなに、救いを求めている人々達に平等に救いを捧げているのだ。
空に過ぎ去っていくライトの背中を見て俺は決めた。
ーーーーーライトを見習おう。どれだけの苦難も乗り越えて人を助ける者、小さくも大きくもあるこの少女を、、、
「ありがとうー!!!ライトー!!!!」
ーー「バイバイなのであるー!!がんばれよー!!」
ーーーその名の通り、光の存在である「ライト」を。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「よしっ!!見てろよライト!次あった時はとんでも
ないサプライズをしてやる!」
サプライズとは言っても俺がここまで成長しましたというサプライズである。
「成長の証明」だ。
そして、夢の内容はライトが全てなかったことにしてくれた。
この救済を無駄にしたくない。
俺はミオンの部屋まで行き、扉をノックした。
「ミオン.....?寝てるかー?寝てなかったら開けても らいたいんだ。」
ーー「....ん?起きてる、起きてるよ!」
「良かった、今日はここで寝させてくれないか?今日はちょっと事情があって部屋には戻りたくないんだ」
ーー「....え!?はぁっ!?私の部屋で寝るってことだよね!?.....え、どどうしよう」
何をこんなに慌てているのだろうか。
ただ一晩ここで寝させて欲しいだけなのに。
「頼む....もう一生のお願いだ」
ーー「一生のお願い....。わかった。いいけど、変なことはしない...でね?」
「変なこと...?なんだそれ」
のちに俺は、バカなことをしたと思うだろう。
夜に女子の部屋に来て寝させてくれ?
下心ありすぎな言動にも程があるだろうが。
そう言ってもらった俺は部屋に入り、客用の敷き布団を用意してもらった。
「ありがとーう。ほんと助かるよミオンは」
ーー「...え、うん。」
「どうかしたか?」
ーー「え!?いや....なんでも」
なぜか顔を赤らめている。
あーこれはアレだ。思春期全開の時期に俺がこの部屋に、しかも夜に来てしまったからだ。
そう変なことを考えてしまうのは正常な反応だ。
しかし俺はそんなの今はどうでもいい。
ミオンには申し訳ないが、ライトのあのわずかな震えと熱が俺に心の底から安心をくれた。
それが俺にとって一番体と心に沁みたのだ。
「じゃ、ミオンおやすみ」
ーー「う...うん。」
知らないふりも時には必要である。
このことをみんなは覚えておいて欲しい。
時には知らないふりがこのように役立つ時が来る。
翌日の朝、いい目覚めだ。
昨日は久しぶりによく眠れた。
ーーーーー昨夜はライトの夢を見た。
昨日のあのシーンが再生された。
そして泣いている俺にかけた言葉。
ーー「流れ出す一滴一滴の涙から君の苦しみが体から抜け、心身を守る。」
ーーーーー「辛い時はいくらでも泣け」と。
いや第十七話ありがとうございました!
ほんとグロ要素詰め込んじゃってすいませんでした!
救ってくれたライト。本当にいい四天王です!
第十八話も楽しみにしててください!ちなみにネタバレになってしまうかもなんですが、念の為。グロ要素はないです!




