~1日三重デート地獄~
午前のデート:理知的王子アリフ
午前十時。噴水広場に着くと、そこには落ち着いた雰囲気の青年が座っていた。
「オリヴィア嬢、お待たせしました」
見覚えのある黒髪に琥珀色の瞳。まさか……本物の三男さん!?
アリフは丁寧に手を差し伸べ、近くの図書館カフェに誘う。
静かな空間で、彼はお気に入りの詩を朗読してくれた。
「君の瞳を見ていると、この詩の意味が初めて分かる気がする」
オリヴィアは心臓がドキドキして、思わず手を握り返す。
午前中は、まるで物語の中にいるような静かで上品な時間だった。
***
正午のデート:陽気すぎる影武者カイ
昼になり、オリヴィアは再び噴水広場へ。すると、あの理知的な青年ではなく、笑顔満点の別人が待っていた。
「姫! 昼飯行こうぜ!」
肩をポンポンと叩かれ、オリヴィアは戸惑いながらも市場へ。
カイは突然アイスを顔に塗ろうとしたり、路地裏で即興ダンスを踊ったり、自由すぎる。
「……君、本当に誰?」
「え? 俺? 姫のために生きてるカイだぜ!」
あまりのハチャメチャぶりにオリヴィアは笑い転げるが、ふと、手を繋ぐタイミングだけは絶対に外さないことに気づく。
「あ、こいつ……影武者かもしれない」
でも、その無邪気さに心を許してしまう自分もいるのだった。
***
午後のデート:寡黙で熱い影武者リヤン
午後三時。
庭園のベンチに座るリヤンは、無口でクール。
でも、その瞳は何かを訴えている。オリヴィアに向ける視線が熱く、時折手が震える。
「……紅茶、どうぞ」
小さく差し出されるティーカップ。言葉は少ないのに、彼の真剣な気持ちは手や目から伝わる。
オリヴィアは思わず「この人、本当に私のことを守ってくれているんだ……」と胸が締め付けられる。
無口なまま、でも、午後の静かな時間は、何より心に残るデートになった。
同じ顔でも中身が微妙に違うデートって楽しそう




