第1章 #2『エレモア王国』
未だ疑う異世界転移……が、視覚、聴覚といった情報伝達物がここは異世界と訴えかける。不安はあった。疑問も多い。
家族は?舞は?
なぜ俺が転移?
その疑問を晴らすには情報収集が大切だ。そして情報収集しながら夢にで思ってなかった異世界生活を満喫するのだ
「ここが………」
死外の森で目が覚めて、竜と対峙して、そして今『仁神』の案内を受け、ひとつの国へとたどり着いた。彼いわくこの国はこの世界で一番大きい国とのことで、また様々な国の商人がこの国で商売しているそう。
商人、商人、商人。
通りは荷車で埋まり、店の呼び声が止まらない。
この国がどれだけ栄えているか、一目で分かった
「そう、この国こそ世界最大の発展国家であり、経済の中心とも言える場所。『エレモア王国』だ」
「流石に異世界って感じだなぁ。規模が違う………」
人の出入りが凄いのもあるが1番は
「あれはなんですか?」
一際目立つ「あれ」に指をさす。
「あれかい?あれは空游の滝さ」
上空に輪っか上に展開された水。そして一部一部から滝のように水が落ちてくる。
「あれは魔法?」
「そうだね。あれは古代魔法……初代国王が作り出したものだ。この国は今では最大の発展国家になってはいるがそうしたのはあの滝の力も大きいんだよ。」
「滝になにか深いものがあるんですか?」
「この国は大陸の中心にあるんだけどね。不便なことに水が一切ないんだ。だから、あの滝だ。あれは大気中の水分とマナを魔法で綺麗な水に変換し一定量蓄え、それを超えると滝となり下に落ちてくる。そういう仕組みを作ることでこの国の水不足を解決したんだ。綺麗な水があると土地も綺麗になる農作とかも発展。そういうところに人は集まる。ゆえに最大国家の完成だ」
「初代さんすごいなぁ」
初代国王の偉業に関心していると、王国の門前まで来て『仁神』が足を止める
「僕の案内出来るのはここまでだ」
「え?」
なんと門を目の前に案内の終了を宣言された。ここからは一人で行けというのだろうか。知らない世界。知らない土地。不安しかないのだが
「そんな顔しないでくれ。訳あって僕は国に入れないんだ。」
「国に入れない?」
なにか事情があるのだろうか。しかしここで案内人がいなくなるのは辛い
「安心してくれ。その代わりこの国の者に案内をまかせている」
任せてる?ここに来るまで、人っこ一人みていない。誰に任せるというのだろうか。まさか、魔法というやつか?異世界なのだ。魔法で念話ができるとかそういう奴だろうか
「いつたのんだんですか?」
「ちょっとね」
そう言ってその国宝級のイケメン顔でウインクをする。
やばい。これは男でも惚れてしまう。やめてくれ。
まだその扉は開きたくない……
そんな事を考えていると
「こんにちは」
一人の女性がこちらに挨拶をしてきた。
「…こんにちは……?」
「なんだ?その腑抜けた挨拶は……まぁ初対面で急に挨拶されれば仕方の無いことか……いや、挨拶位は普通に返して欲しいものだ……」
返しへの不満を口にしている女性。美しく蒼白い髪を束ね、The美形。身長は自身より少し高く、騎士なのか服の一部一部に鎧のようなものと腰の剣。
鎧越しにもわかるしなやかな体のラインに、思わず視線が泳いでしまう
「君?どうしたんだい?そんなにキョロキョロして」
「………あ、すみません。とても美人だったもので……つい」
「よく言われるよ」
そう言って微笑みかける
やはり綺麗だ……
「自己紹介がまだだったな。私の名前はクリス・シルヴァーだ。クリスと呼んでくれ。君の名前は?」
クリスと名乗る女性のその問いかけに『仁神』が思い出したかのように反応する。
「そういえば聞いてなかったね。名前なんて言うんだい?」
クリスさんはともかく『仁神』さん……自分も名乗らなかったからあれだけど……名前の知らないままは厳しいですよ
「お前……名前も知らず一緒にここまで来たのか?」
そう言われ『仁神』はすみませんと頭を掻く
「僕の名前は渚凑。是非ミナトと呼んで下さい」
「ミナト……か。良き名だな。名前にはその者の魂と願いがこもっている。その名、生涯大切にするのだぞ」
魂と願いか……
「それじゃミナトくん。ここからは最初に話した通り、案内人が僕ではなく彼女、クリスさんになるから分からないこと等は彼女に聞いてくれ」
『仁神』はそういうとその場を後にしようとする
「仁神さんはどうするの?」
「僕は行かないといけないところがあるからね。そちらに行くよ」
「そっか…ここまで案内してくれてありがとう。気をつけて。まぁ仁神さんなら大丈夫そうだけど…」
『死外の森』での出来事がチラつく
「ハハッ。確かに僕に心配はあまりいらないかな…じぁ息災に」
そう言って仁神は姿を消す。やはり化け物だ。一瞬で消えた…
「ではミナト殿、こちらも行くとしようか」
仁神の背中を見届け(ほぼ背中など見えなかったが)クリスがミナトに声をかける
「はい。案内の方お願いします。クリスさん」
「では、行くぞ」
王都を歩く二人。その二人を見る人々がザワザワしている
違和感
「あのぉ。なんか凄いザワザワしてますが……」
「ん?あぁ私がこの国の時期姫王になるのもあるが、一番はそんな私と一緒にいる見た事のない服を着た君が要因だろうな」
あ。そういう事ね。確かにこの服は目立つな……ここの人とはまた違う服装だし……
ていうか……
「時期姫様の方!?」
「ん?なんだ。あの仁神……そんなことも教えてないのか………」
呆れたようにため息をつく彼女を見て苦笑いを浮かべる
「………はははは……はは……」
「まぁいい……その説明もしないことには始まらんな。あそこの長椅子を借りよう」
そう言って、噴水の近くにあるベンチに2人腰をかける
「それで、時期姫王というのは?」
疑問であった姫王について問うと
「ふむ。私の家系……シルヴァー家は貴族でな……..。代々王の座を取ろうとしているのだよ」
「その言い方的にまだなれてはいない感じなんですね?」
「うむ。そもそも王になるにはいくつか条件がある。
実の所、貴族だから王に相応しいとはならないのだよ。つまり、平民だろうと下民だろうとなろうと思えば狙える座であるということだ。だが、そこにある条件があることで、なれるものは限られたものとなる。それが……聖練された魔力の持ち主であること」
「聖練……された魔力?」
魔力は分かる。異世界の定番だ。"せいれん"とはなんだろうか。鍛え上げられた魔力のことだろうか。そんな疑問に答えるように説明が続く
「聖練された魔力というのは、普通の魔力とは違うもであり、極めて純粋で透き通った魔力のことを言うのだ。特徴を言うなれば、その魔力の持ち主は加護はもちろんのこと権能なんかも持ち合わせていることがほとんどだ」
「あぁ、加護と権能についてだが……」
新たな2つの単語について説明しようとしているが
「一旦ストップ!止まってください!さすがに一度にたくさんの話は理解できないですよ」
新しい単語が多すぎる。一度に全ては理解できない。
が、ミナトはアニメや漫画といったものが大好きなのだ。説明は長く多く理解するのは大変だが加護や権能に関してはよく異世界もので聞く単語なのでどういうものなのか多少は想像できる。だからその詳しい説明は後だ
「確かにそうだな。悪かった」
「また、時間のある時にお願いいたします」
「ところでミナト殿本題に入るのだが、出身はどこなのだ?その服装からしてここ周辺ではないだろう?」
出身……まぁ普通の質問だな。だがどう答えたものか。ここはシンプルに異世界から来ましたと言うべきか…
いや、理解してもらえるだろうか……変な目で見られるのはごめんだ……既に変な目で見られたそうだけど…
そんなことを考えてると
「ふむ。済まなかった。そこまで深く考えなければならないこととは思わなかった。今のは聞かなかったことにしてくれ。」
気を使わせてしまったようだ。
「いや、話せないわけじァないんです。ただ、どう説明すべきかなと」
「ふむ、話しずらいものであるにはかわりないようだな。ちょうどいい…ここからすぐのところに私の屋敷があるんだ。そこで話そう」
そうして俺はクリスさんの屋敷へ向かうこととなった
道中のざわめきもクリスさんの話に耳を傾けているうちに気にならなくなりあっという間に屋敷へと着いてしまった。時間も過ぎていた
第2話、読んで頂きありがとうございます。新キャラ、クリス・シルヴァ。実は個人的にお気に入りのキャラなんです。出たばっかではありますが、クリス・シルヴァの魅力引き出していきますので、堪能してください。




