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帰宅とこれから(2)

マフユとカナタ初登場回です。

V界隈、あんまり筆者は知らなくて調べたら結構ドロドロでしたね。

 「部屋でかいなぁ……。」

 部屋に入ると俺は驚きの声を上げる。一人用の暮らしをする用の部屋と思えないくらい、広々としていた。それに窓から太陽がのぞかせてこれからの新生活に希望が満ち溢れていた。

 「こんな広い部屋だし、持て余しそうだなぁ……。」

 「悪い悪い、ここしか空いていなかったんだ。」

 赤羽さんはそう言って、悪かったと謝る。でもここしかないのなら仕方ないことだろと思ってしまう。

 「それでこれが教科書類、そして制服。あとこれだけ。」

 そう言って赤羽さんは学校に行くのに必要なもの全てをベッドのすぐ横に置いた。箱には「聖マリアンヌ学園」と書かれている。明日から学校行くと思うと正直話しが早すぎてちょっと頭の中追いつかない。これで部活とか全員加入なら、正直怖いことになると思いつつ、ベッドに横たわる。

 「あ、あとアリサ、明日ハルトを迎えに来てくれる?学校の場所とか分からないだらうし。」

 「わかったよ〜。じゃあ二人共また明日。」

 アリサと赤羽さんはそう言って、この場所から離れていったのだった。

 (にしても俺明日から学校かー。なんか1日で動くのが早すぎないか?更に言えば俺の名前が久遠ハルトって名前なのも違和感あるし。)



 翌日、アリサに呼ばれて寝坊に気づく。スマホのアラームをかけてなかったので予定より5分くらい遅かったらしい。急いで準備をする。

 赤羽さんは仕事に行ってしまったらしく、パンと目玉焼きが置かれていたのでそれを食し、すぐに出る準備をする。

 「ごめん、遅くなった。」

 「良いけど、明日は気をつけて。遅れるとあの学校校門閉まっちゃうから。」

 聖マリアンヌ学園は校則がかなり厳しいらしく、校門が閉まってしまうのだから急いで行かなくてはならないらしい。

 「ギリギリー間に合ったな。」

 「本当にギリギリだったね。じゃあ職員室で先生に挨拶をしてね。私は先に教室に行くから。」

 そう言われた俺はアリサと別れ、一人で「職員室」の場所に向かった。二階にあるときき、急いで駆け上がるが白い髪の女の子とぶつかってしまった。

 「すまん、職員室に行こうとして、ぶつかってしまった。」

 「大丈夫……。私は……平気だよ……?」

 「そうなのか……。ごめん。」

 そういうとその女の子は俺のことが誰か分かっているような顔をしていった。正直気になるけど今は急ぎのようだからすぐにいかないといけない。仕方ないんだと俺は思って職員室に向かう。

 「失礼します、今日から転向する久遠ハルトと申します。」

 おじさんが俺のことを見つめる。俺の担任みたいだけど、なんか面倒そうな人だなぁと思ってしまった。ただ俺が記憶喪失に近い、エピソード記憶のないからやりづらいだけなのかもしれない。

 そう思いながら俺は教室に向かった。これからどんな事が起きるのかな、そういったワクワクも学校の記憶でさえ無くなった俺には新鮮に思えてくる。



 (あの子は……確か……アリサが言ってた転校生、記憶喪失って聞いたけど…)

 私は放送部室の前で今日流す曲を設定していた。といってもアリサやユウナ達は居ないから件の少年のことは。でもあの子は正直気になって仕方なかった。

 「あれ、マフユ。考え事してるなんて珍しいね。まぁここに入る入らない抜きにいつもどおりやれば良いでしょ?」

 「ああそうだな。カナタか……。ユウナは教室に行ったのかな…?」

 目の前にいる水色の髪のサイドヘアにしてきっちりとまとまった髪、気が強そうな顔つきの女の子、星空カナタは、はっきりと物事を言う性格だ。

 私達放送部はユウナ、カナタ、私ともう一人の子で幼馴染四人で作られたユウナの活動を支援しつつ、学校を盛り上げるために休憩時間に各部活と「トーク」をしたり、音楽を流す部活。

 「やっほー、マフーなんか浮かない顔をして、どうしたの〜?」

 ピンク髪のツインテールの女の子、桜ユウナだ。いつもテンションが高く、放送部長として切り盛りしている。毎日、各部活や生徒会メンバーとトークを繰り広げて音楽を流したりして、この学校を盛り上げてる。

 「私は準備をしているだけ……。気にしないで……。」

 「どうせ隠してるのアタシにはバレバレだよ。だっていつもマフユは鈍臭いところがあるしね。ハルト君?だっけとぶつかったんでしょ。」

 カナタにはやっぱり見透かされていた。私のことも何もかも見透かすカナタは私にとっては嘘がつけない相手で、唯一信用できる相手だ。

 しかもこういう勘が鈍いはずのユウナにも見抜かれている。私は天地のひっくり返るような気分だ。そんなことってやっぱりなにかが起こる前触れなんだろうか、そう思いつつも私は昼の放送の準備をする。



 教室に入ると新鮮な様子があった。みんなが目を輝かせて、俺のことを待っていた。

 一瞬、俺の頭の中に走馬灯が見えた気がする。学校に行くときに、一緒に行っていた友人がいたことを。そして家族に見送られて学校に行っていたということを。その格好は前にいた場所そのもののようであった。

 「俺の名前は久遠ハルトです。皆さん一年間よろしくお願いします。」

 俺はそう言うとこのクラスの面々に目を向ける。さっきの白髪の女の子が居ない。アリサは同じクラスにいると聞いているけど、他の子との親交を深めなきゃいけない。だから記憶のことも隠さないといけないと思うとちょっと緊張する。

 「では、名瀬さんの隣の席に座って。」

 俺はそう言われると、アリサの席に座る。俺のことをジロジロ見るアリサの視線がちょっときついように見えてくる。俺のことが気になるわけではない、どっちかと言うと監視されてるような気分。記憶がないから当たり前なんだがなぁ。



 午前の授業が終わり休み時間に入ると、俺をアリサが呼んできた。なんでそっちに行かなきゃいけないのかわからないが。

 「放送部の活動あるからついてきて!私だけ不参加とか許されないし、ユウナ先輩とカナ先輩に怒られちゃうから!」

 やっぱり俺って、と思いながら赤羽さんが作ってくれた弁当を持って放送室に向かった。

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