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訓練開始。

3ヵ月の訓練は、基本的な運動に加え、異能力者の体の構造に沿った運動内容になっていた。

異能力者は、勿論人間の従来のトレーニング法では鍛えることが出来ない。

その為、特殊な装置や部屋やジムがある。

また防御系の能力であれば、死なない程度のマシンガンが放たれる部屋。

身体能力に関する能力であれば、人間では到底クリア不可能なパルクール部屋など、

能力に合わせて鍛える部屋が違う。

そして、分単位で一人ずつ丁寧にスケジュールが組まれてそれに従うスタイルだった。


最初の2、3日は勿論どのトレーニングもミケヒロ含む訓練生がまともにトレーニング出来なかった。

しかし、筋力と身体能力が指数関数的な上昇を見せて、5日後にはある程度トレーニング出来るようになってくる。それ以降は従来のトレーニングと同様、じっくり鍛えるしかないようだ。

だが、だれも固有の能力がでた人はいなかった。


一ヶ月ほどたったある日、政府の作った訓練用施設のジム。

サッカーコートほどの広さの、筋肉に与える負荷がボディービルダーぐらいなところ以外普通のジムだ。

そこで深夜、リターネアに見守られながらミケヒロはランニングマシンで走っていた。

「リターネア、なんか俺たち体について聞いていいか?」

「ええ。」

「なんかさ..いや運動をしっかりするようになったのもあるけど、体の性能向上しすぎていねえか?」

「そうね、言ってなかったかしら?異能力者は、ただ能力が3つ得るだけでなく、身体能力も飛躍的に向上するわ。私が7mのところから飛び降りていも大したことない様子だったの、見てたでしょう?」

「あー、なるほどな。だから世界記録更新できたのか...」

「身体能力が向上した世界では、戦闘のあらゆる面が変化するわ。間合いも、基本は3mと言われているけど、異能力者においての間合いは6m。それ位が、一歩で駈け寄れる距離になるわ。」

「へー。他にもなんか教えてくんねえか?」

「何のためによ?」

「リターネアを守るため。」

「..そうだったわね。...んー戦闘、牽制、逃走とかかしら?」

「なんだそれは?」

「自分が倒せる相手は戦闘を仕掛け、倒す事を目的とし、自分と同等かそれ以上の敵には、他の援軍が来るまで牽制。圧倒的な強さや相性の悪い相手は、せめて自分の命だけでも守るために全力で逃げなさいっていう意味の私達の間のことわざみたいなものかしら。」

「へー。..そいやあ聞いてなかったけどさ、異能力ってどうやって発現するんだ?リターネアはどうだったんだ?」

「もう少しで来ると思うわ。そして私の能力、見たいの?」

「ああ」

「例えば...」

リターネアは部屋の隅のほうに体を向けて、

右手を強気握りしめる。

次の瞬間。

リターネアは、右手を振ると、大量の角材と釘が出てきて、自分の左手と壁の間の直線区間を細長くその角材と釘で固め、

角材と釘は、いびつだが壁と同じような見た目になった。

見た目だけじゃない、材質や状態も完全にコピーしている様子だった。

「...こんな感じかしら?」

「すげえ..」




そして、その夜。

ミケヒロは夜中、右手に違和感を覚えた。

「なんだ?これは!?」

手の平には、


バナナの皮。


(..食ったっけ?てか急に現れたよな?まさかこれが俺の能力?やだこれ。なんでだよこれ。)

ミケヒロはどうしようかと考えたが、出た結論は..

(寝るか)

寝た。


~次の日~



「ガガガ!..」

無駄にうるさい目覚まし時計が、ミケヒロの達訓練生男子部屋に鳴り響く手前で、

二段ベッドの下にいる訓練生が止める。

同じような二段ベットが4つあり、まるで修学旅行にでも来たのかのようなやや狭い寝室。

そこからミケヒロ達の一日は始まる。

ミケヒロは髪の毛を束ねると、二段ベッドから飛び降りて洗顔し、朝飯に一番乗りで向かう。


食堂は、大きなカフェみたいな大きさだが、椅子や机は何の装飾もなく、かくかくしていて、

コミュニケーションを大事にしているのか、一人専用の場所はなく、全て4人向かい合って座れる配置。


だが、ミケヒロは一人で朝飯を貰い、食べ始める。

そして、しばらくするとミケヒロの周りに男子訓練生が集まる。

ミケヒロは新たなコミュニティーだとしても即座に友達が出来ていた。


しかし、今のミケヒロは訓練生よりも訓練が大事なのだ。

素早く食事を済ませ、ミケヒロは訓練に向かう。

(試してみねえと!)

ミケヒロはリターネアのいるジムに向かいスケジュールよりも先に筋トレを始める。

二人きりのやや気まずい空間。

ミケヒロはジムの真ん中にあるスペースで能力を使う練習をする。

とはいっても、バナナの皮を出して消すぐらいしか、今のミケヒロには出来ないが。

「ミケヒロ、能力が出たの?じゃあもうそろそろ能力に関する説明をしないといけないようね。」

「..説明があるのか?」

「ええ」


ジムに他の訓練生が全員集まった所で、リターネアが訓練生をジムの真ん中に体操座りさせて集め、ホワイトボードを使った説明を始める。

「まず、異能力とは異能力者の肉体にある特殊な代謝から生まれたエネルギーを手術で活性化させた特定の臓器に使われることによって発動するものよ。

大体小腸ら辺に小さな肝臓みたいなのが四つ付いてるの。

これが能力を出す臓器なんだけど、貯め込む臓器も含めて四つ。

そして、身体全身の特殊代謝エネルギーは貯め込まれて他三つの臓器から能力に変えられ放出されるの。

それが能力の構造よ。

そして、これらが能力の性質と密接にかかわっているの。

基本的に覚えてほしい能力の性質についてだけ話すわね。

まず、能力は貯め込まれたエネルギーから作るから、勿論貯め込むエネルギーが切れたら溜まるまでつかえないということ。

走ったら疲れる様に、能力は使いすぎると疲れるの。また強力な能力ほど使うエネルギーも多い。まあ、ゲームのMPと魔法みたいな感じで減っていくわ。エネルギーは、能力が変化するたび出すたびに減るから注意してね。」

「ゲームみたい...ならその貯め込んでるエネルギーをNPって言ったら分かりやすいか?」

ミケヒロがそう話す。

「そうね。でも、医学や解剖学などの側面からすでに名前がついていて、もうそれに統一されてるわ。

()()()。その名で隊も政府も統一してる。分かったかしら?じゃあ、皆別々のトレーニングを始めて。」



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