レミア vs ???2
人間サイド
・レミア
1.蝋を出して操る。出した蝋は、爆発するような燃え方をする。
2.不明
3.不明
侵略者サイド
・???
1.中距離広範囲の衝撃を光と共に与えて、削り、破壊する。クールダウンは1分。一部不明。
2.火の玉を貯めて打ち込む。複数打ち込むことも出来る。
3.不明
1分以内に敵の攻撃を避けながら、登りきる。
それは、レミアの迷いや思考する時間も1分の時間に含まれる為、過ぎる時間は驚くほど早い。
レミアはそのミッションの過酷さを知り、泣き出した。
レミアは小柄な少女だが、そういう体質というだけでなく、まだ幼いのもある。
部隊員もレミアを除けば高校生から20代前半程の年齢層だが、レミアは中学2年生。
まだ子供である部分が残っているまま、命がけの戦場へ出されたのだ。
部隊員の話題についていけず、置いてかれる。
しかし戦場では自分が追いかけないといけない。
そうでなければ死ぬからだ。
耐えてきたレミアだったが、一少女にも限界がある。
鬱憤が溜まり続け、爆発し、喚き散らして泣いた。
「あーー!!もういやだああーー!!いーやーだよー!!」
戦場とは無慈悲である。駄々をこねている暇は存在しない。
ルトポロアは屋上から向かいのビルの壁に埋まるレミアを見下ろし、警戒する。
(能力か?泣いているのは。取り合えず、攻撃をするか。)
ルトポロアは火の玉を3発。レミアの右腕、左わき腹、右足に目掛けて打ち込む。
見事その通りに当たる。
「うがぁっ!!いたぃ!!うおえっ!!!ぃたい!!ううえぁっ!!.....ぃたぃょ....」
レミアは痛がるが、火傷は軽傷に収まる。
(可笑しい。身体が焦げても可笑しくないのに。もう少し試すか。)
ルトポロアはレミアに今度は、しばらくの間、打てるだけ連続に打っていく。
「うだぁあ!!ぎぃいい!!おう!ごほっごほっ、あうぅ!!いいぃぃ!!あういぃ!うえあ!いだぁ!!」
(まだ死なない。ん?そうだ。確か..)
ルトポロアは考えながらまた火の玉を打ち込む。
「いやあああ!!!」
(確か..)
火の玉を打ち込む。
「いあいい!!」
(あともう少しで思い出せる。)
打ち込む。
「ええぃあ!!」
(そうだ。)
思い出した暁に、強く打ち込む。
「ぎゃあああ!!!」
レミアは身体がボロボロになり、喉は枯れ、服は下着が見えるまで燃えていた。
ルトポロアは思い出したことにスッキリした様子だった。
(思い出した。確か、能力者には自分の能力に関連する物に耐性を持つという付属的な副能力が付くという特性がある。私にもある。だが、先ほどのは貫通されるほどのものだった。爆発。このままでは、野球玉を投げてぶつけるほどのダメージしか出せない。どうしたものか。)
一方レミアは攻撃を喰らったことによって、少しずつ冷静を取り戻していく。
(そうだ...私戦ってる!..とりあえず、隠れなきゃ..!相手を牽制しながら隠れれる場所は...)
レミアは相手の弾幕を当たらないようにする為に、壁から出て、もう一度ルトポロアのいる半壊した会社の方に行く。
(来る。攻撃しなければ。)
ルトポロアはレミアが会社に近づくのを拒むように火の玉を3つ飛ばす!
「あ、あなたの攻撃、利用してあげる!」
震えた声でレミアは火の玉を包み込むように蝋を出す。
「ボガンン!」
爆炎を挙げ、炎と煙を使い、ルトポロアの目を眩ませる。
爆炎が収まる頃には、レミアの姿が消えていた。
(どこだ。どこに消えた。いや、この会社の中に来ているのは確実として、どの階層まで登ってきた。)
とルトポロアは警戒をするが...
レミアは地下室にいた。
地下室は、会社の工場部分で作ったであろうインクが溜め込まれていた。
ルトポロアの能力による攻撃は、地下室の中間までしか届いておらず、地下室はまだ壊れている様子がそこまで無かった。
レミアは部屋の隅の物が固まっている所に身を潜めていた。
(全力で考えて、地下に逃げ込む事しか出来なかった...このままじゃルトポロアが街に飛び出して..うぅ...身体が痛い...私のせいで...)
「ぐすっ」
レミアは再び静かに泣いた。
しばらくの間、レミアは自分を自虐的な言葉が頭の中をぐるぐる回って、泣き続けた。
痛みで一時は理性を取り戻す事が出来たが、
辛い現実は変わらない。
(....逃げても...逃げても...辛さが、苦しさが、追いかけてくる。...もうイヤだょ..。誰か....助けて.....)
「プルルル、プルルル、プルルル」
電話が鳴る。知らない番号だ。
(...誰?...お母さん?)
レミアは電話に出る。
「もしもし、誰ですか?」
弱っているのか、隠れる為なのか、レミアは細々とした声で電話に答える。
「おう、俺ーえだ。風邪ひいた?泣いてる?」
電話の先は、壁に囲われ、動けず暇をしていたミケヒロだ。
「な..なんで私の電話番号をし..」
言葉を重ねてミケヒロが、
「リターネアがくれたスマホに電話番号がすでに入っていたんだ。」
「そ..そうなんだ..あと静かにお願い..」
「おう。」
ミケヒロは声を小さくして会話するようにする。
「で..どうしたの....?」
(確か、ヒルロージェと戦ってたはず...どうして電話なんてできるんだろう?)
「そっちも済んだ頃だろ?ちょっと壁から出してくんねえか?」
「やっぱり倒したんだ...
まだ、戦ってる最中...いや、どうにも出来てない私が戦ってるなんて言えるのか分からないけど...能力の相性も悪いし、他の能力も悪いし、泣いちゃったし私なんか...」
「一旦黙りな。もうこれ以上自分の事悪く言っても何にもなんねえぞ。」
ミケヒロは、声色を変えて、冷静に言う。
突き放され、また寂しい気持ちが甦り、少しずつ涙がこみ上げてくる。
「......どうしたら...」
「んあ?」
「...どうしたら私も勝てる?ミケヒロくんみたいに強くいられる?」
「俺ーえが相談に乗る。取り合えず今の状況の打開だ。心はその後考えろ。
...考えるには、今は隠れてる状況か。そして、結構攻撃を食らってる。」
「...何で分かるの..?」
「どちらもお前の今の声の印象だよ。それより、場所、状況、両者の能力を簡潔に話せ。」
「....うん。ええとね。」
レミアは少しずつ涙が収まってきた。
そして、レミアは今の事を簡潔に話す。
ミケヒロに説明する内に、いつも通り明るい声に戻っていく。
「んー、相手の能力が1つ割れてないのが気がかりだ。これはこっちから仕掛けるしかない。
...それはそうとして、周りに何か使えるものはないか?」
「えっとー、インクが沢山あるよ!」
「..よし、それ使える。」
「え..使えるの!?」
「ああ、じゃあ作戦なんだが...」
ミケヒロは、レミアに作戦を伝える。
一方ルトポロアは、
(一向に出てこない。能力が一つしか知らない相手に距離を詰められると危ない。出来るだけ警戒し、動かないように...)
「ええ!意味があるんですか!?そんな事!」
下の方から微かに明るいレミアの声がする。
誰かと話している様子をルトポロアは、感じ取った。
(あの女。電話をしていたのか?私から隠れてわざわざ。だが、何階だ?)
「..なるほど!分かりました!」
声は再び聞こえた。
今度は、ルトポロアが思っている以上に遠い場所から聞こえてくるのを感じ取った。
ルトポロアは目を凝らして見ると、一階の下にまだ下の階層があるのを見つけた。
(なるほど。そこか。場所も分かった。)
「...出来るかな!?私!?」
また聞こえる。
(まだ電話が終わらない。街に出てしまおうか。無視して。だが、そういう作戦だとすると困る。)
「ありがとうね!ミケヒロの兄貴!」
聞こえる。
(よし、無視して向かいのビルに飛び込もう。....よし。)
ルトポロアが助走をつけて飛び込もうとしたその時。
「やい!どこに行くんだ!」
ルトポロアは地下の方を見ると、
レミアが、指を指すポーズでこちらを指して言ってきた。
声色は、自信があり、どこか楽しそうだ。
(倒す!私の能力で!!)