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夢東一家  作者: ウタゲゴ
やっと異世界な第二章
23/27

23.薺はメインヒロインですから

いつも読んでくださる皆様、お久しぶりです。私は元気にFPSをしています。最高に楽しいです!!

警察の仕事をしていると、死にたいと考えている者たちと会う機会が多い。そういった人たちと会うにつれ、赤門は、彼らが共通の雰囲気を纏っていることに気づいた。そのことに気づいてからはより顕著にわかるようになった。彼らは男女共に何かに取り憑かれているかのような雰囲気を纏っていた。

そして、その雰囲気をこの男も纏っている。



「死にたいのか?」


赤門が聞くと、男は驚いたような顔をしたあと、苦笑いを浮かべて言った。


「そう、見えるのか?」

「俺にはそう見えるな」

「いや、それはお前の気のせいじゃないか。俺は師匠の無念を晴らすために生き続ける」


男は表情を一転させ、赤門をしっかり見据える。


「冥土の土産がどうとか言っておきながらよく言う」

「そんなことは知らんな。さて、そろそろ全力でいかせてもらおうか」

「そうだな」


男は近くにいたハイエナに指示を出し、奥の草むらから同じ剣を2本持ってこさせた。そのハイエナを男は撫でてやると、ハイエナはなんとも嬉しそうにした。

男は2本の剣のうち1本を、地面を滑らせ赤門の足元にやった。


男は剣を両手で持ち、左足を1歩ひいて構える。赤門はそれに対して剣を拾って地面に突き立て、薺から木刀を1本うけとる。


薺にはコロッセオに来てから荷物をあずかっていてもらった。その中には木刀も含んでいた。


男は赤門のその行動に1度眉をひそめたが、特に何も言ってこなかった。


やはり先に動いたのはハイエナを連れた男の方だった。男は果敢に攻めるが赤門はどれも軽く木刀でいなす。セルド・グローシェよりは強いようだが、彼でも赤門に全く適う気配がない。それでも攻める。


赤門はこの男に全力を出さないのは失礼なのだと、わかりつつも全力を出してやれずにいた。

赤門の身体は、本人がどんなことをしようとただついてくる。結局、赤門が全力を出せないのは、赤門自身に問題がある。赤門はそれもわかっている。



◇◆◇



クロは今、ホワイトラッドにいる。そして、その街の主の部屋の椅子に座って机に向かっている。現在は書類に目を通して判子を押したり、サインを書いたりと大忙しだ。7割ほど終わったくらいなので、夕方までにはフォリの街まで確実に帰れる見込みだ。

そして、クロの椅子の隣には赤い木刀が2本、台座に立てかけてある。そう、赤門に頼まれた木刀だ。どこまでも綺麗に形を整えられたその木刀たちは、そのそれぞれの赤い色も相まって芸術的とさえ言えた。

一方は、唐紅の鮮やかな赤色をしており、他方は真紅の深く美しい赤色をしている。


この2本は削るだけだったので、クロはまだ知らないが、赤門がデュエルをするその日の朝の時点では完全にできていた。そして、クロは実は少しだけ振らせてもらった。感想としては、結局赤い色と形がとても綺麗なただの木刀としか言えなかった。クロは、レオの力あってこその強い木刀なのだと改めて実感した瞬間だった。


そんなことを考えながら、クロが休憩がてら木刀を眺めていると、木刀が2本とも突然カタカタと音をたてた、かと思えば今度は宙に浮いた。そして、木刀は柄をクロに向けて彼女の目の前まで飛んできた。

そして、思わずクロはその柄をどちらも握ってしまう。そこで何となく赤門が危機的状況なのだと悟った。


「ご主人守りたいんだね」


クロはそう言うと、薺のために作らせた杖とその2本の木刀を竹刀袋のような細長い布の袋に入れ、肩からかける。紙に書き置きをしてクロは窓から外へ出た。屋根や塀を走り抜けフォリの街を目指す。

そんなクロに力をあたえる物がいた。木刀2本を通して、リブラが彼女に力をあたえる。

それによってクロは一回のジャンプで飛行するように長距離を移動できるようになった。だが、その力ではこのホワイトラッドの地の、何を、どれだけ、破壊してしまうか知れたものではない。それはクロにとっては不本意だ。



◇◆◇



赤門は考えていることが無意識に口から出ていた。


「俺ならやれる...俺なら全力をだせる...俺はそう思ってる...!」


その瞬間、空気が変わった。重く、鋭く、ハイエナを連れた男は最終的には逃げるつもりでいたが、全てを捨ててでもこの場から逃げたしたくなった。

それほどまでに赤門が変わった。そして、赤門はやや下を向いて表情も彼からは見えなくなった。


赤門は今まで攻撃に出ることはなかったが、ここにきて攻撃にでる。男が持っていた剣は1度赤門の木刀を受け止めただけで、男の手から離れ飛んでいってしまう。そこで男は全力で赤門から距離をとる。


「これほどか...」


男は赤門に言ったが、これまでのような反応は一切ない。まるで、人が変わったように。


赤門は右手に持っていた木刀を手放し、木刀は「カラン」と音をたてて地面に落ちた。そして、赤門は先ほど地面に突き立てた剣に右手の掌をかざす。だが、剣と赤門は少しばかり離れている。そして、剣はゆっくりと地面から抜け、切っ先を男に向ける。

赤門が剣にかざした掌を男に向けると、それにあわせて剣も男を目掛けて飛んでいく。

男は避けるか、受け流すかしなければ心臓を一突きされ死ぬ。だが、彼には今や剣もなければ、避けきれるほどの距離もない。



『諦めんな!!ここで諦めたて死んだら、あそこで死ぬのと変わらない!!諦めんな!!』


男は師匠の言葉を思い出す。彼の師匠の修行はとても厳しく、何度も諦めかけて死にかけた。だが、師匠のそんな言葉に励まされ何度も立ち上がった。実際、今になって考えてみれば彼の師匠は、彼にできる限界ギリギリの範囲の修行をさせていたのだった。


彼にとって彼の師匠はいつだって強くてかっこいい師匠だった。そんな師匠のために彼は生きなければならない。



そこで彼は、即死は免れるために心臓以外の部分に刺さるよう仕向ける。しかし、赤門が差し向けた剣は無情にも、彼の動きに合わせて軌道を変えた。これは今度こそダメだと諦めたときのこと。



「赤門、せーきーとっ」


優しく赤門の名を呼ぶ者がいた。薺とてこの状況で何もしないわけではない。


主人公の大ピンチを助けるのはメインヒロインと相場は決まっているというもの。


薺はそのまま赤門に後ろから抱きつく。そして、再びささやくように名を呼ぶ。


「赤門」


赤門が彼に差し向けた剣が紙一重で止まる。

赤門の顔が少し上を向いた。そこで漸く彼は赤門の顔をみることができた。そして、赤門に恐怖し、見てしまったことを彼は深く深く後悔した。足が震えるかと思いきや、最早身体のどこも動いていない錯覚に陥った。言葉も出ないかと思われたが、彼は言葉を発した。


そしてよりにもよって、普段なら口にすることもはばかられる悪の代名詞を言ってしまう。


「ま、魔王...」


そのときの赤門の両目は、黄金のように見事な金色をしていた。正確には、左目は確実に金色だったが、右目はやや赤みを帯びているようにも見えた。しかし、それでも右目も見事な金色をしていた。



ここにさらに、また別の者が赤門の名を呼んだ。


「赤門さんっ!!」


名を呼ぶのと同時に空から2本の赤い木刀が、赤門の目の前に1本ずつクロスするように刺さる。

今度はクロだ。



◇◆◇



クロは強すぎる力をどうしたらいいのかと、僅かな間考えた。そこで得た決論は、一旦この街を破壊しない程度の力で真上に跳ね、そこから空中を蹴って進むというものだ。


火属性の魔術により熱を起こし気圧を変化させ、風属性の魔術により空気を圧縮し、突然の気圧の変化によって生じたエネルギーを利用して圧縮した空気にある程度の耐久力を持たせ、それを足場にして空中を踏み台にした。


結果、リブラの力は彼女の予想を大幅に超えてきた。そのときの一回の動作で、クロは赤門たちのもとまで辿り着いてしまったのだ。通常はクロの最強種としての足をもってしても片道3時間ほどかかるところを、ものの数十秒もかからずに移動してしまう、という圧倒的にすぎるものだった。

だが、そんなことに耐えられるのは、最強種だったからこそというのはクロ自身も感じている。


というようなことがあり、クロはほとんど何も考えずに木刀を赤門の元に投げることにした。赤門の様子がおかしいのは一目見ただけでわかったが、クロに何かできるわけでもないので、とにかく木刀を投げてみることにした。

今回クロが使用した魔術については数話後に細かく説明していこうかなと、思ってはいます。ただ、この作者は大体、そういうこと言ってもやらないのでそこにはあまり期待せずにいてください。3/31

もう、3月終わりですね...新生活が始まる方も多いでしょう、私は初FPSフォートナイトにはまるという新生活を送っております。

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