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夢東一家  作者: ウタゲゴ
やっと異世界な第二章
20/27

20.金にうるさいんですよね...

赤門たちはその後も買い物兼デートを続ける。


このフォリの街は外側に位置していることもあり、薬草や回復薬、ポーションの類の傷の治りを早くしたり、治す物が多くある。

だが、多くの者は傷を負っても魔術で治療するらしく、そういった道具の出番は最後の最後であり、買う者も、量も少ないのだった。


赤門たちは回復魔術なんて使えるはずもなく、店の者に少々驚かれる程度には買った。


大量に買っても、某「四次元ポ〇ット」的便利アイテムを最初に買ったために特に問題はない。

これは赤門たちが今泊まっている部屋の灯りのように、道具が魔術を半永久的に発動し続ける道具で、簡単に言うならば機械の代わりに発達した物だ。


この便利アイテムはエコバックのような形をしており、持ち主の魔力量によってそのバックの容量が変化する。


魔力については、そう詳しく解明されているわけではなく、生命力に近い物だと考えられている。

事実だけを挙げるならば、魔術や魔法を使うときに消費するもので、消費し続けると疲れる。

また、個人差はでるが、休息や睡眠によって回復する。そして、一部の者だけだが、食事をするによって回復する者もいる。


今赤門が持っているエコバックは栗皮色の地味なものだ。

そして、赤門はウエストポーチも買っており、それにお金を入れた袋をしまっていた。バックにしまっては出し入れに多少時間がかかってしまう、というのも一つの理由だ。


赤門たちは日持ちする食料や、携帯食も買ってバックに入れていた。


赤門たちがとある店で買い物をして、歩き出したときのことだった。赤門が右を歩き、薺がその左を並んで歩いていた。


赤門は突然、右腕を後ろに回すと同時に言った。


「相手が悪かったな。俺は金にはうるさいんだよ。金ってのは最後の命綱だと思ってるからな」


薺が赤門の背中のほうを見ると、右側面やや後方につけている赤門のウエストポーチに見知らぬ男がナイフを突きつけている。が、しかし、そのナイフを赤門が、ナイフの腹を親指と人差し指で挟むことによりおさえている。


「お前は自分の技術を過信し過ぎた。あの銀行強盗共のほうが、まだできてたかもな」


あのときの銀行強盗たちは「そこにある金だけでいい」と言った。それは奥に金を取りに行くと同時に、警察に通報されるのを恐れたからだ。

それに、それを警戒して一緒に奥へ行っても、その金庫に閉じ込められては元も子もない。


という話を赤門はあの後で本人たちに聞いていた。


「それによ。お前、ずーっと俺たちのことみてるから、わかりやすくて、わかりやすくて。まさかとは思ったけど、こんな罠にかかるとは思わなかったよ」

「はっ!?おまっ!これ、罠、だったのか...!?」


ここにきてやっと男が口を開いた。

男はスキンヘッドで、肌は日にやけたような色黒だ。服の袖の中から見える肌も同じく色黒な肌なために、遺伝なのだと予想できる。


「当たり前だろ?『今からあなたの金盗りますよ』って言われて、そんな奴の前で普通に財布しまうわけないだろ」

「クソッタレっ!!!おい、お前!デュエルだ!!それで決める...!!」


男はナイフから手を離し、少し赤門たちから距離をとる。


「さて、どうしたものか...俺はお前みたいな奴に狙われるくらいには、ここについて知らない身だからな...」

「ホッホッホッ、それならば、この老いぼれに説明させてくれんかの?」


傍で見ていた老人が、ゆったりとした調子の声で話しかけてくる。その者は、毛深い顔や腕、足をしていて、それらの毛はほとんどが黒い毛だ。だが、鼻筋だけは白い毛をしている。


「お願いできるのなら、お願いしたいです」

「任されたぞよ。

この街ではな。双方の合意があれば、デュエルで物事を決めることができるのじゃ。実際、互いの合意だけでなく、必要なものは他にもないことはないんがだな、互いの合意があればほとんど勝手に進むのじゃ。

これだけ聞くと、お主にはメリットがないように思えるじゃろ?」


「ええ、まぁ」


「デュエルをする前に、お互いが相手に勝った場合に、相手に何を望むかを決めておくのがデュエルのルールなのじゃ。だからの、お主が勝てばそこの者から金を得ることもできるし、一生奴隷のように働かせることもできるのじゃ」


「それは、色々問題が起こるのでは?」


「ああ、そうじゃろうな。だからの、勝った場合に相手に望む物は、お互い同じくらいの物でなければならんのじゃ」


「そこの、釣り合うかどうかは誰が決めるんです?」


「デュエル関係の事柄を専門に仕事をしている者たちがおってな。そういう者が決めておるんじゃよ」


「それなら、デュエル自体は殺し合いをする場ではないのですか?」


「いや、そう言うわけでもないんじゃよ。ちょくちょく死ぬ者は出るんじゃよ...相手を殺してしまうような者たちは、だいたい勝ったときに相手に望む物も、碌でもないような物ばかりなんじゃがな。相手を殺してしまっては、欲しい物も手に入らないこともあるからの。

じゃが、デュエルで相手を殺してしまっても、罪には問われないんじゃよ」


「それなら、武器などの扱いはどうなっているんですか?」


「武器はな。まず、持ち込みは完全に禁止でな。デュエルをするとき専用の闘技場があるんじゃが、そこにある武器ならば使ってもいいことになっておるのじゃ。それの制限はな、数で決まっておってな、一人につき二つまでなんじゃが...その辺のことは、ここで老いぼれが説明するよりも、実際に行ったほうがいいんじゃないかの?」


「いや、それはいいです。あと、武器は持たなくてもいいんですよね?」


「そうだったはずじゃが、武器を持たぬ者なぞ聞いたことがないぞ?」


「そうですか、まぁ大丈夫ですよ。ありがとうございました」

「なーに、そこで見ておったからな。儂は見ておったからの、お主らの味方じゃよ」


そう、そのハクビシンの老人は言うと、とある露店を指さした。露店は他にも多くあり、家をそのまま店にしているところと、露店を出しているところで大方二パターンだった。


で、このハクビシンの老人は露店で店をだしていた。売ってる物がなんなのか赤門にはわからなかったが、この街や世界では一般的な物なのだろうと考えるのをやめた。

小瓶に、葉が生い茂った植物を、茎に葉がついた状態で詰めた物を売っていた。


「そう言って頂けると心強いです」

「さて、そろそろ老いぼれは引っ込むかの」


そう言うと同時にその老人は露店へ戻っていった。


「またせたな」

「チッ!で、お前は俺に勝ったときに何を望む?」

「お前が今まで犯してきた罪全て、例外なく償え」

「おう!いいぜっ!!それなら、俺が勝ったら、お前の財産全部いただく」


男は自信満々に言った。

赤門は、この男は今回のようなデュエルか、それに近いものをし慣れているという予想をたてる。だからこそ、今回のように失敗したとしても、問題なくここまで生きてきたのだろうとも考えた。


「コントラクト!!」


そう男が言った瞬間に、空中に光が集まり弾けた。すると、その光が集まっていた場所に紙が、羊皮紙が現れた。

そこには、赤門の名前と男の名前と思われる文字と、さきほどそれぞれが言った相手に勝った場合に望む物の内容が書いてある。


どうやら赤門たちは文字の面においても、言語での問題はないらしい。


赤門がその「コントラクト」と呼ばれた羊皮紙に書いてある文面を、全て読み終わるタイミングを待っていたかのように、ちょうどいいタイミングで羊皮紙が光った。そして、光が次第に弱まり、それに反比例して羊皮紙はその面積を増やしていった。やがて光が完全に消えると同時に羊皮紙は3枚に分かれた。


1枚は赤門の目の前に、1枚は男の目の前に、そして最後の1枚はどこかへ飛んでいってしまった。

男はその羊皮紙を円筒状にまるめてポケットにいれて去ってしまう。


「おい!忘れ物だ!」


そう言って赤門は、持っていたナイフを男の足元に投げる。ナイフは男の足元の地面に綺麗に刺さる。


「けっ!」


男はそれ以外何も言わずにそれを抜き取り去っていった。


赤門の目の前に来た羊皮紙は、1枚だったときの内容はそのまま変わらず書いてあったが、下のほうは空白のスペースになっていた。


赤門もその羊皮紙を円筒状にまるめて、それをバックにしまった。

ここ最近で書きたいことと、割とそうでもないことでモチベーションに圧倒的に差がでることを知ってしまったので、これからはできるだけ書きたいことだけ書いていこうと思ってます。2/21(20)

※10/31:本文修正しました。

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