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夢東一家  作者: ウタゲゴ
異世界行かない第一章
1/27

1.プロローグ

初心者のやることですので、あたたかい目で読んでいただけたらと思います。

夢東赤門(むとうせきと)は朝に弱いわけでも強いわけでもない、結局朝に対しては普通と言えるだろう。だが、この日はいつもより少し早い時間に目が覚めてしまった。いつもなら赤門の妻の(なずな)が、起こしてくれる時間まで目が覚めることなく寝続けるのだが、今回は起きることにした。

そして、ベッドこそ一緒ではないが一緒の部屋に寝ている薺のベッドは誰も寝ていなかったので、薺のもとに行くことにした。起きてから薺の顔がみられないのは、赤門にとってはとても辛かった。大好きな嫁の顔を赤門はどうしても見たかった。


寝室から出て廊下を少し歩くと、テレビのニュース番組をリビングで薺はみているらしく、女性ニュースキャスターの声が聞こえてきた。最近人気がある人だ。よく、バラエティ番組にも出ているところを見る。

さらに歩くと、綺麗に一つにまとめられた茶髪のポニーテールの薺の後ろ姿が見えた。薺は濃い茶色のソファーに座り、ニュースをみながらコーヒーを飲んでいるらしい。

赤門が、薺の飲んでいるものがコーヒーだとわかったのは以前に、薺は赤門を起こす前にコーヒーを飲むという話を本人から聞いていたからだ。


「おはよー」

「おはよう、赤門。今日は早いんだね」

「そう!今日は悲しいことに、薺に起こしてもらう前に起きてしまったから、薺に会いたくて起きてきたんだよー」

「はいはい、ありがとう、ありがとう」


薺の赤門への対応も慣れてきたものである。

赤門は特にその対応は気にせず、今まで薺が飲んでいたカップに手をのばし中身を飲む。やはり、中身はコーヒーだった。そして、お礼に一言言う。


「世界一可愛い嫁のいれたコーヒーはほんとにおいしい、ごちそうさま」

「はーいはい、おそまつさまでした」


夢東赤門は自他ともに認める嫁溺愛者だ。こうなったのには理由があるのだが、その話はまた今度ということで。


「そういえば、赤門」


何かを思いだしたように言う薺と、それを興味深そうな顔で聞く赤門。


「なにさ、なにさ?」

「今日はスーパームーンなんだって!さっきニュースでしてたんだ。だから今夜一緒に見ようよ」

「了解、まぁ月より薺のほうが綺麗だけどなっ!」

「あと、さ...」


薺は言いづらそうに何かを赤門に伝えようとするが、赤門はそんな姿をいつまでも見ていたくはないので言ってしまう。


「今日は医者に行く日だろ?わかってるよ」

「うん、ごめんね」


申し訳なさそうに俯く薺。薺は生まれつき心臓がよくない。運動などをしなければ特に日常生活に支障はない。しかし、薺の寿命は同世代の人よりも圧倒的に短い。そのために定期的に医者に行くのだが、ちょうどこの日が医者に行く日なのだ。


「おいおい気にするな。それをも承知でこっちは旦那してんだよ、それを差し引いても薺と一緒にいたいから」

「うん、ありがとう」

「おうよ!」


「さてさて、朝ご飯にしよう」


赤門が会話の流れをきるが、薺もそのことを気にせず、かつ今までの暗い空気を感じさせない明るい声で言う。


「赤門がせっかく早く起きてきたから、赤門が作ったお味噌汁が飲みたいな」

「あいよ、まかしとけ」


薺のリクエストにそった朝ご飯を食べ、二人で食器を洗ったり洗濯など家事をこなす。



・・・



医者の話では、状況はほぼ変わっておらず良くはなっていないが、あまり悪くもなっていないという話だったので、不幸中の幸いと言えるのではないだろうかと赤門は考えた。


午後からは赤門たちの家の一階にある本屋としての仕事をこなす。この本屋は薺の祖父からそのまま譲り受けた店である。名前は『春書店』。春に建物を建てたのでこの名前なんだそうだ。


二階が赤門たちの居住スペースとなっているために、大きい店というわけでもないので赤門と薺で充分成り立っている。薺を長時間働かせるわけにはいかないが、忙しい時間帯は働くようにしている。この春書店はとある商店街のなかの一つの店で、この商店街自体が高校の近くにあり、時間帯によってはある程度賑わっている商店街だ。


この日も特に何かあるわけでもなく普通の日常がすぎていった。今人気の本を棚に並べたり、有名な作者のコーナーを作ってみたり、普通の幸せな日常だった。



夜になり、今朝の薺との約束通りに、二人で家の庭にでるための縁側で月をみていた。一階のほとんどを本屋として使っているが、玄関や庭などは春書店の裏にある。そして、ありがたいことに月を覆う雲はほとんどなく、月も星もしっかり見ることができた。

薺の髪は、今は結わずに下ろしていた。


「普段から月を観察してるわけじゃないし、どのくらい大きいのかと説明を求められたら困るけど、感覚的にいつもより大きいっていうのはわかるな...」

「キレイ、本当にみれてよかったよ」


そんなとき、突然強い風がふいた。

はじめまして、はじめまして、ウタゲゴと申します。いろんなことに悩んで、なんとかここまでこれました。多くの方にみていただければと思っています。8月16日

※8/18日本文修正しました。

※8/28日本文修正しました。

※1/6日本文修正しました。

※1/10本文修正しました。

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