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エピローグ The Gift of Magi

 後日、テトラとシオンを連れて久しぶりに墓参りに行った。

 墓参りと言っても、【銀の砂漠】は今でも立ち入り禁止区域なので、その境界線上の共同墓地だった。

 墓地に入ってしばらく歩くと、それを見つけた。

【Eliote Artet rest in peace(エリオット・アルテットここに眠る)】

 そこが母親のお墓だった。

 それぞれ口には出さなかったが、いろんな思いを抱えて手を合わせていた。特にテトラは誰よりも長くお墓の前にいた。

 ようやく、テトラの番が終わると、彼女はふとこんな疑問を口にした。

「エリオット・アルテットという偽名。何だか変じゃありませんか?お母さんはどうしてこの偽名を長い間使っていたのでしょう?」

 エルマーはその疑問には答えられなかった。真実を知っているのはお墓に眠る母親のみ、そう思って、彼は墓石を撫でる。そのとき彼はあることに気づいた。

「E、L、I、O、T、E、A、R、T、E、T……。そうか、逆読みか」

「どういうことですか?」

「いいから偽名を逆から読んでみろって」

 テトラは言われたとおりに一文字ずつ口に出して読んでみる。そして浮かび上がった文字は

「T、E、T、R、A、E、T、O、I、L、E……。テトラ・エトワール。私の名前です」

 それに気づいた時、テトラの目には涙が溢れた。

 その涙は、しばらく止まることはなかった。

「エルにぃ、テトラちゃん、いい加減帰るよ」

 ベルティアナにそう言われるまで、二人はずっとそこにいた。

 振り返ると、大勢の人が二人が戻ってくるのを待っていた。彼らには血の繋がりはないのかもしれない。けれども、テトラの望む本当の家族の姿がそこにはあった。


帰り際、二人の歩幅は自然と横並びになっていた。

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