罪
残酷な描写があります。
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「はあーーー!!」
ゾンビ達を魔法で吹き飛ばしたり、切り捨てたりしながら、突き進む。
(国内にもこんなにゾンビが…。
「マリア!よくこの国に顔が出せたな!」
少し進むとゾンビ兵を率いた一番上の兄がいた。
「この国を終わらせたら、私は帰るわ。」
「お前の…お前のせいでどれだけ大変だったと思っているんだ!」
「貴方が、きちんと国のためにお金を使えば、私は何もしなかったわよ。」
(八つ当たりも甚だしい。)
「黙れ!死ねー!」
剣を振り回すが、まるで素人だった。
(そんな腰のはいってない攻撃、当たらないわよ!)
「ふっ!」
兄の肩に突きをいれる。
「ぐえー!!」
すると、兄が命乞いをしてきた。
「お、俺達兄妹だろ!?た、頼む!殺さないでくれ!まだ死にたくない!」
マリアは少し迷った。
(罪を償うのなら…、)
「今だ!くらえ!」
(そんなことだと思った!)
心臓に突きをいれた。
「くそ、…た、れ!」
マリアは今、父親の前にいる。
「お、おのれ~!この親不孝者が!」
「…貴方から愛情をもらった事はないし、私の言葉に少しでも耳を傾けてもらえばこんなことにはならなかった。終わりよ。」
首を切り落とす。しかし、次の瞬間切断面から触手が生え、首を拾い繋がった。
(…とうとう人間もやめたのね。)
「く、くふふふ。あのゾンビ兵達は、どこから来たと思う。」
「お墓から遺体を掘り出してつくったんでしょ?死者への冒涜よ!」
「最後までこの国に残った者達だ!」
「なんですって!」
確かに全員ついてきたわけではなかった。兵士の中に息子がいるとか、妻のお墓があるとかで残った者もいた。
(こうなるなら無理やりでも連れてくるんだった!厳しくなったら、村に来るという軽率な考えで。さっきまで私が吹き飛ばしていたのは、もともとはそういった人達?私は何てことを…。私の両手は血塗れだ。…私のせいで…。…罪を償わないといけないわね。)
「…『無限獄』!」
「グアアー!!ウオアーー!!」
『無限獄』は、解けることない幻術だ。マリアの父親は、亡くなった人達に襲われる幻術を見ている。
「罪を背負いなさい。これから父様、いや貴方は死ぬまで亡くなった人達の亡霊に怯えてなさい。私も私の方法で罪を償う。」